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勇者の失墜 その2 〜道化の勇者〜

「………。」
「………。」
「………………。」

クラスメイトが何らかの洗脳をされているという事実をしってから攻略組に会話はなくなっている。成瀬も例外ではない。今は大人しくついてきている。地上が近づくたびに重々しい空気は濃くなっている。

「そろそろ地上にでる。いいか?俺たちに僅かながら洗脳の跡があった。先に戻ってる奴がどうなっているかは全くわからん。それと王宮の人たちはひとまず信用するな。あの人たちが俺たちに一番近かったんだからな。」

地上がもうすぐという所で覇月からの指示が入った。会話も何階層ぶりと言った所だ。

「……出るぞ。」

地上からの光が見えてきた。と同時に人影が見える。

「覇月。誰かいるぞ!」

「あらあら。随分と警戒しておりますのね。攻略組の皆さん?」

居たのはルージュ・カタスルト。王宮の姫。
そして“先に戻った他のクラスメイト”だった。

「やぁ?成瀬君たち?僕たちに散々罵倒を浴びせておいて随分と早いお帰りだったねぇ?足手まといだとかいわれたのになぁー。」

「そうだよねぇー。結局情けないじゃーん?」

なにか様子がおかしい。

「そう言うな…。俺たちも限界だったんだ。」

覇月が説明に入る。
ツンツンー。

「………。覇月…。明らかに様子がおかしい。こんな所に姫さんがいるのもおかしいしタイミングがあいすぎだ…。」

「…あぁ。わかっている。洗脳されてると見ていいな…。それにここまでタイミングを合わせられるとは…。なにか監視用のアイテムでも使われていたか?」

ヒソヒソと海道と覇月が話す。

「えぇ…。その通りですわよ?覇月さん?あなたもあなたで対処はしないといけないと思っていたの。貴方達が何に気づいたかもぜーんぶ知っていますよ?」

ゾクーー。
攻略組に悪寒がおそう。

「さぁ?達也?こっちに来て?貴方は私を信じてくれますよね?」

「もちろんだ!コイツラがさぁ!?変なことばっか言うんだぜ!?困ったもんだよ!」

成瀬はあっさり姫に取り入れられる。
クラスメイトにしても、洗脳されてるとみて成瀬同様ステータスが爆発的に上がっている可能性が高い。

「攻略組が16。相手が成瀬達と王宮の兵士を足してザット50…。振り切れるか?」

「やるしかないな…。海道。俺は“あれ”を使う。お前も“奥の手”あるだろ?使ってくれ!」

「了解!恵!お前の新技も行けるよなぁ!隠してたってしゃーねぇ!今使え!」

「わかっとる!!」

「ここを脱出する!各自対応しろ!」

覇月。海道。佐藤。
奥の手なるものをそれぞれ秘密裏に研究していた。

「行きなさい!貴方達!!」


攻略組VS王宮勢の闘いが勃発した。

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