魔法を戦国時代に持ち込んだら何か無双した
第19陣三日間の幕開け
翌日、一週間前に言っていた通りノブナガさんは城をしばらく離れることになった。その間の城の守りは俺がやる事になったわけだけど、
「あの、ノブナガさん。俺すごく不安なんですけど」
「言いたいことは分かりますが、三日間乗り切ってください」
城に残ったメンツが俺とヒデヨシとネネとリキュウの四人という、何とも頼りない感じになってしまった、特にヒデヨシとネネの組み合わせを残したら、それを相手する俺とかは精神的に疲れる。おまけにリキュウに至っては離れに住んでいるので、実質城に残っているのは爆弾二人と俺だけになる。
「爆発しないように気を付けないと」
「火の元には気をつけてくださいね」
「はい。色々な意味で気をつけます」
こんなにも怖い留守番が果たしてあっていいのだろうか? というか肝心の俺以外の人達はまずこの話をちゃんと覚えているのかさえ不安になる。まあ不安がっていても仕方がないので、とりあえずノブナガさんを見送っていくことにする。
「私もいざという時には戻ってきますが、基本はヒスイ様に任せますから、しっかりとお留守番頼みましたよ」
「城の安全は保証しますけど、俺の体の安全は保証しかねます」
「そこはしっかりしてくださいよ。まあもしも何かあったら、私がお灸を据えますから」
「何かが起きてからじゃ遅い気がします。というか絶対何か起こしますよあの二人なら」
「まあそれはそうかもしれませんけど」
そんな会話をしている内に、城の入口に到着する。そこには既にミツヒデがいて、もういつでも出発できる状態だった。なので俺は、軽く挨拶をしてその場を離れることにした。
「じゃあ俺はこの辺で」
「城を頼みましたよヒスイ様」
「任されました」
「それでは行ってきます」
「行ってらっしゃい」
こうして俺の魔の三日間が幕を開けるのだった。
■□■□■□
ノブナガさんを見送ったあと、早速ヒデヨシとネネを部屋に呼び、これからの三日間について話し合いをする事にした。
「いいかお前達、これから三日間俺達三人でこの城を守っていくんだぞ。分かっているよな?」
「勿論分かっているよ。ヒッシーがいれば何とかなるだろうし」
「なんでも他人任せにしようとするな! お前もちゃんと働いてもらうからな」
「えー、面倒くさい」
「そんな事言っている場合じゃないだろ!」
「たとえ城がどうなろうとも、私はお姉様がいればそれだけで充分です」
「お前はもっと問題外だネネ」
こいつら本当に今までこの城を守ってきた武将なのか? 特にはネネは最初から戦う気が見えない。どうやら俺の不安は早い内に的中してしまいそうだ。
「もうヒッシーは我が儘なんだから」
「それはお前だけには絶対に言われたくなかったよ!」
どちらが我が儘なのか百人に聞いたら全員がヒデヨシだって答えるに違いない。
「まあ! お姉様を侮辱するなんてあなたはダメ人間ですわ!」
「戦おうともしないダメ人間にダメ人間って言われたのは俺初めてだよ……」
ヒデヨシの言葉に傷ついた俺を、さらにネネが追い打ちをかける。これも百人に聞けば全員が(面倒くさいので以下省略)。
「と、とにかく。お前たちにはしっかり働いてもらわないと、後でノブナガさんに怒られるぞ」
「怒られるってどんな風に?」
「それはお前、あの人の事だから……」
どんな事をされるか少しだけ想像してみる。あの人は一見優しそうに見えるが、リキュウ以上に何か腹黒いものを感じる。それにあれだけの力の持ち主だ。何をされるか一度想像したら、ものすごい恐怖心が湧いてきた。
「ね、ねえヒッシー、私真面目に働こうかな」
「わ、分かればよろしい」
どうやらヒデヨシも俺と同じような事を考えたのか急に震えだしてそんな事を言った。どうやらヒデヨシ自身も、ノブナガさんがどれくらい怖いのか分かっているらしい。
「お姉様がそう言うなら、わ、私だって真面目になります」
ネネも別の意味で納得してくれたらしく、とりあえず俺達は三人で協力してこの三日間を乗り越える事になったのだが、その初日から早速事件が発生するは誰もが予想していなかった、
「た、大変態、大変だよヒッシー!」
「何か最初の言葉だけ変だった気がするけど、どうしたんだよそんなに慌てて。またネネに追い掛け回されているのか?」
ノブナガさんが出発してから幾らかの時間が経った後、慌てた様子でヒデヨシが俺の部屋に入ってきた、というか大変態ってなんだよ。
「そうじゃなくて! 敵襲だよ敵襲!」
「敵襲だって!? 嘘とかじゃないんだよな」
「こんな所で嘘をついたって意味がないよ」
「それもそうか」
ヒデヨシが持ってきた知らせは、俺が最も危険視していたノブナガさんがいない間の敵襲。ある程度は覚悟はしていたとはいえ、まさかこんなにも早い時間に敵がやって来るとは思っていなかった。
「で、肝心の相手は何軍だ?」
「それが敵陣が遠くて何軍か把握できてないの」
「遠くてって、まだ攻めてきてはいないのか?」
「うん。城下町から結構離れたところに敵と思わしき兵が見えたって伝令が来たから、それをそのまま伝えたの」
「なるほどな。時間的には今は夕方で、攻めて来る気配なし。でも遠くで陣取っている。という事はつまり……」
「つまり?」
「ヒデヨシ。今のうちに睡眠を取っておけ」
「え? どうして?」
「どうやら今宵は夜戦になるかもしれない」
俺の二度目の戦は、どうやらいきなりの夜戦での攻防になりそうな雰囲気だった。
「あの、ノブナガさん。俺すごく不安なんですけど」
「言いたいことは分かりますが、三日間乗り切ってください」
城に残ったメンツが俺とヒデヨシとネネとリキュウの四人という、何とも頼りない感じになってしまった、特にヒデヨシとネネの組み合わせを残したら、それを相手する俺とかは精神的に疲れる。おまけにリキュウに至っては離れに住んでいるので、実質城に残っているのは爆弾二人と俺だけになる。
「爆発しないように気を付けないと」
「火の元には気をつけてくださいね」
「はい。色々な意味で気をつけます」
こんなにも怖い留守番が果たしてあっていいのだろうか? というか肝心の俺以外の人達はまずこの話をちゃんと覚えているのかさえ不安になる。まあ不安がっていても仕方がないので、とりあえずノブナガさんを見送っていくことにする。
「私もいざという時には戻ってきますが、基本はヒスイ様に任せますから、しっかりとお留守番頼みましたよ」
「城の安全は保証しますけど、俺の体の安全は保証しかねます」
「そこはしっかりしてくださいよ。まあもしも何かあったら、私がお灸を据えますから」
「何かが起きてからじゃ遅い気がします。というか絶対何か起こしますよあの二人なら」
「まあそれはそうかもしれませんけど」
そんな会話をしている内に、城の入口に到着する。そこには既にミツヒデがいて、もういつでも出発できる状態だった。なので俺は、軽く挨拶をしてその場を離れることにした。
「じゃあ俺はこの辺で」
「城を頼みましたよヒスイ様」
「任されました」
「それでは行ってきます」
「行ってらっしゃい」
こうして俺の魔の三日間が幕を開けるのだった。
■□■□■□
ノブナガさんを見送ったあと、早速ヒデヨシとネネを部屋に呼び、これからの三日間について話し合いをする事にした。
「いいかお前達、これから三日間俺達三人でこの城を守っていくんだぞ。分かっているよな?」
「勿論分かっているよ。ヒッシーがいれば何とかなるだろうし」
「なんでも他人任せにしようとするな! お前もちゃんと働いてもらうからな」
「えー、面倒くさい」
「そんな事言っている場合じゃないだろ!」
「たとえ城がどうなろうとも、私はお姉様がいればそれだけで充分です」
「お前はもっと問題外だネネ」
こいつら本当に今までこの城を守ってきた武将なのか? 特にはネネは最初から戦う気が見えない。どうやら俺の不安は早い内に的中してしまいそうだ。
「もうヒッシーは我が儘なんだから」
「それはお前だけには絶対に言われたくなかったよ!」
どちらが我が儘なのか百人に聞いたら全員がヒデヨシだって答えるに違いない。
「まあ! お姉様を侮辱するなんてあなたはダメ人間ですわ!」
「戦おうともしないダメ人間にダメ人間って言われたのは俺初めてだよ……」
ヒデヨシの言葉に傷ついた俺を、さらにネネが追い打ちをかける。これも百人に聞けば全員が(面倒くさいので以下省略)。
「と、とにかく。お前たちにはしっかり働いてもらわないと、後でノブナガさんに怒られるぞ」
「怒られるってどんな風に?」
「それはお前、あの人の事だから……」
どんな事をされるか少しだけ想像してみる。あの人は一見優しそうに見えるが、リキュウ以上に何か腹黒いものを感じる。それにあれだけの力の持ち主だ。何をされるか一度想像したら、ものすごい恐怖心が湧いてきた。
「ね、ねえヒッシー、私真面目に働こうかな」
「わ、分かればよろしい」
どうやらヒデヨシも俺と同じような事を考えたのか急に震えだしてそんな事を言った。どうやらヒデヨシ自身も、ノブナガさんがどれくらい怖いのか分かっているらしい。
「お姉様がそう言うなら、わ、私だって真面目になります」
ネネも別の意味で納得してくれたらしく、とりあえず俺達は三人で協力してこの三日間を乗り越える事になったのだが、その初日から早速事件が発生するは誰もが予想していなかった、
「た、大変態、大変だよヒッシー!」
「何か最初の言葉だけ変だった気がするけど、どうしたんだよそんなに慌てて。またネネに追い掛け回されているのか?」
ノブナガさんが出発してから幾らかの時間が経った後、慌てた様子でヒデヨシが俺の部屋に入ってきた、というか大変態ってなんだよ。
「そうじゃなくて! 敵襲だよ敵襲!」
「敵襲だって!? 嘘とかじゃないんだよな」
「こんな所で嘘をついたって意味がないよ」
「それもそうか」
ヒデヨシが持ってきた知らせは、俺が最も危険視していたノブナガさんがいない間の敵襲。ある程度は覚悟はしていたとはいえ、まさかこんなにも早い時間に敵がやって来るとは思っていなかった。
「で、肝心の相手は何軍だ?」
「それが敵陣が遠くて何軍か把握できてないの」
「遠くてって、まだ攻めてきてはいないのか?」
「うん。城下町から結構離れたところに敵と思わしき兵が見えたって伝令が来たから、それをそのまま伝えたの」
「なるほどな。時間的には今は夕方で、攻めて来る気配なし。でも遠くで陣取っている。という事はつまり……」
「つまり?」
「ヒデヨシ。今のうちに睡眠を取っておけ」
「え? どうして?」
「どうやら今宵は夜戦になるかもしれない」
俺の二度目の戦は、どうやらいきなりの夜戦での攻防になりそうな雰囲気だった。
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