魔法を戦国時代に持ち込んだら何か無双した
第73陣再び繋がった二つの世界
突然光り出した勾玉と共に姿を消してしまった桜。あまりに突然の出来事に、俺はしばらく何が起きたか理解できなかった。
(一体何が起きたんだ)
桜が持っていたあの勾玉は間違いなくノブナガさんが失くしたって言っていたものと同じもの。そしてそれは本来なら俺の手にあるべき物だった。
それが今桜と共に消えてしまったという事は、考えられる可能性は一つある。それは俺が一年前に同じような形であの世界へ渡ったという事。
(それなら、もしかすると……)
向こうの世界に置いてきたもう一つの勾玉は、もしかしたらこちらの世界にやって来ているのかもしれない。そう、二つの勾玉は世界を渡って、交換された。しかもそれは勝手に起きたことではなく、誰かの手によって起こされたと考えられる。
(でもあいつは、師匠が倒したはず。なら誰が……)
俺は再び何かが起きてしまいそうな予感がして、黙ってはいられなかった。
(とりあえず探すしかないな、勾玉を)
こうして俺は、再びノブナガさん達の元へ向かう手段を探し始めるのであった。
◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎
「つまりこの勾玉が原因で、サクラさんはこちらの世界へ来てしまったのですね?」
「うん。ざっくり説明するとそんな感じ」
この目の前にいる織田信長が翡翠と顔見知りと分かった私は、ひとまず自己紹介を含めてここまでの事情を彼女に説明。流石は有名な武将というべきか、すぐに理解してくれた。
「という事はまた私達の世界と、あなた達の世界は繋がってしまったんですね。本来の形ではなく」
「本来の形?」
「ヒスイ様が私達の世界に来られた時も、実は第三者が意図的に起こした事だったんですよ。恐らくその時にもこの勾玉が使われたと考えられるんです」
「じゃあ今度は、その方法で私が来させられてしまったって事?」
「サクラさんを狙っての事なのかまでは定かではありませんが、何かしらの意図を私は感じます」
「なるほど」
何だか難しい話な気もするけど、とりあえず今言える事があるとすれば……。
「つまり私も誰かに狙われているって事?」
「そうとは言い切れませんが、その可能性も無きにしもあらずです」
そう考えると心がざわつく。今まで誰かに狙われるなんて経験をした事がない私にとって、現状をどう対応していけばいあのか分からない。
翡翠も今どうなっているのかも分からない中で、唯一頼りになりそうなのはここなのかもしれない。
「じゃあ私はなるべくここから動かない方が」
「よさそうですね。ヒスイ様とお知り合いである以上、私達も全力で守らせてもらいますけど」
「そんな全力で守らせてもらうなんて、大袈裟な」
「大袈裟ではないんですよ。一年前、私達は似たような事件で仲間を一人失っているんです」
「え?」
そんなに重い話なのこれ? それを翡翠は経験してきたの?
「だから大袈裟かもしれませんけど、私達はそこまでの事をやろうと決めたんです。これ以上仲間を失わない為にも」
「ごめんなさい、私そんな気も知らないで」
「いいんですよ。それに私達の世界は、それ以外でも命を守らなければならない事は沢山ありますから」
「それ以外って?」
何となくノブナガさんが言おうとしていることは分かる。何せここは戦国時代を基礎として作られている世界(だと思う)。その他として考えられるのは、一つしかない。
「それは勿論、戦に決まっているじゃないです」
私の質問にノブナガさんは、何故か満面の笑みでそう答えたのであった。
◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎
詳しい事などは明日から始める事になり、ノブナガさんは部屋から出て行った。ここをしばらくの自分の部屋として使っていいと言われたので、やる事もないので私は布団に戻り眠りにつくことにした。
「まさか自分も狙われる事になるなんて思わなかったなぁ」
翡翠からこの世界での事はある程度聞かせてもらっていた。でもその中で、先ほどのノブナガさんのような重い話はほとんどなかった。まさか私の知らない所で彼は、想像以上に辛い経験をしているなんて思いもしなかった。
(もしかして一個前の冒険の時も本当は……)
もう翡翠とは長い付き合いになるのに、未だに理解できてないところがある。彼は辛いことは抱え込んでしまうタイプであるがために、私の知っている倍以上は辛い事を経験している。
(話してくれたっていいのに)
だから私はいつもそう思っている。どうしてそこまでして、耐える必要があるのだろうか。私には到底理解できない。
(でも今なら、この世界でもっと翡翠の事知れたりするのかな)
そんな事を僅かに期待しながら、私はゆっくりと眠りについたのであった。
『……ナサイ……』
眠り始めて二時間後、突然頭の中に声が聞こえた。
「だ、誰?」
あまりの事に声を出すが、返ってくるのは静粛のみ。
「気のせい、かな?」
とりあえずもう一度眠りにつこうとする。だけど、一度目を覚ましたせいでなかなか眠れない。
ナサイ。
僅かに聞こえたその三つの単語ゆ思い出す。なさい、って何かをしろって意味だけど、果たして本当の意味はなんなのだろうか? 
謎の声の言葉の意味を考えていると、次第と睡魔がやって来たので、それに再び身を任せて、私の初日はあっさり終わりを迎えたのであった。
(一体何が起きたんだ)
桜が持っていたあの勾玉は間違いなくノブナガさんが失くしたって言っていたものと同じもの。そしてそれは本来なら俺の手にあるべき物だった。
それが今桜と共に消えてしまったという事は、考えられる可能性は一つある。それは俺が一年前に同じような形であの世界へ渡ったという事。
(それなら、もしかすると……)
向こうの世界に置いてきたもう一つの勾玉は、もしかしたらこちらの世界にやって来ているのかもしれない。そう、二つの勾玉は世界を渡って、交換された。しかもそれは勝手に起きたことではなく、誰かの手によって起こされたと考えられる。
(でもあいつは、師匠が倒したはず。なら誰が……)
俺は再び何かが起きてしまいそうな予感がして、黙ってはいられなかった。
(とりあえず探すしかないな、勾玉を)
こうして俺は、再びノブナガさん達の元へ向かう手段を探し始めるのであった。
◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎
「つまりこの勾玉が原因で、サクラさんはこちらの世界へ来てしまったのですね?」
「うん。ざっくり説明するとそんな感じ」
この目の前にいる織田信長が翡翠と顔見知りと分かった私は、ひとまず自己紹介を含めてここまでの事情を彼女に説明。流石は有名な武将というべきか、すぐに理解してくれた。
「という事はまた私達の世界と、あなた達の世界は繋がってしまったんですね。本来の形ではなく」
「本来の形?」
「ヒスイ様が私達の世界に来られた時も、実は第三者が意図的に起こした事だったんですよ。恐らくその時にもこの勾玉が使われたと考えられるんです」
「じゃあ今度は、その方法で私が来させられてしまったって事?」
「サクラさんを狙っての事なのかまでは定かではありませんが、何かしらの意図を私は感じます」
「なるほど」
何だか難しい話な気もするけど、とりあえず今言える事があるとすれば……。
「つまり私も誰かに狙われているって事?」
「そうとは言い切れませんが、その可能性も無きにしもあらずです」
そう考えると心がざわつく。今まで誰かに狙われるなんて経験をした事がない私にとって、現状をどう対応していけばいあのか分からない。
翡翠も今どうなっているのかも分からない中で、唯一頼りになりそうなのはここなのかもしれない。
「じゃあ私はなるべくここから動かない方が」
「よさそうですね。ヒスイ様とお知り合いである以上、私達も全力で守らせてもらいますけど」
「そんな全力で守らせてもらうなんて、大袈裟な」
「大袈裟ではないんですよ。一年前、私達は似たような事件で仲間を一人失っているんです」
「え?」
そんなに重い話なのこれ? それを翡翠は経験してきたの?
「だから大袈裟かもしれませんけど、私達はそこまでの事をやろうと決めたんです。これ以上仲間を失わない為にも」
「ごめんなさい、私そんな気も知らないで」
「いいんですよ。それに私達の世界は、それ以外でも命を守らなければならない事は沢山ありますから」
「それ以外って?」
何となくノブナガさんが言おうとしていることは分かる。何せここは戦国時代を基礎として作られている世界(だと思う)。その他として考えられるのは、一つしかない。
「それは勿論、戦に決まっているじゃないです」
私の質問にノブナガさんは、何故か満面の笑みでそう答えたのであった。
◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎
詳しい事などは明日から始める事になり、ノブナガさんは部屋から出て行った。ここをしばらくの自分の部屋として使っていいと言われたので、やる事もないので私は布団に戻り眠りにつくことにした。
「まさか自分も狙われる事になるなんて思わなかったなぁ」
翡翠からこの世界での事はある程度聞かせてもらっていた。でもその中で、先ほどのノブナガさんのような重い話はほとんどなかった。まさか私の知らない所で彼は、想像以上に辛い経験をしているなんて思いもしなかった。
(もしかして一個前の冒険の時も本当は……)
もう翡翠とは長い付き合いになるのに、未だに理解できてないところがある。彼は辛いことは抱え込んでしまうタイプであるがために、私の知っている倍以上は辛い事を経験している。
(話してくれたっていいのに)
だから私はいつもそう思っている。どうしてそこまでして、耐える必要があるのだろうか。私には到底理解できない。
(でも今なら、この世界でもっと翡翠の事知れたりするのかな)
そんな事を僅かに期待しながら、私はゆっくりと眠りについたのであった。
『……ナサイ……』
眠り始めて二時間後、突然頭の中に声が聞こえた。
「だ、誰?」
あまりの事に声を出すが、返ってくるのは静粛のみ。
「気のせい、かな?」
とりあえずもう一度眠りにつこうとする。だけど、一度目を覚ましたせいでなかなか眠れない。
ナサイ。
僅かに聞こえたその三つの単語ゆ思い出す。なさい、って何かをしろって意味だけど、果たして本当の意味はなんなのだろうか? 
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