世界最強都市"ヨミ"の魔王

もちあ

第12話 雪斗とステイタスカアド

「【ツキミ】出て来ていいぞ」
『流石雪斗様です!門番を追っ払うなんて』
「どうやらあいつらは俺の敵のようだ」
『まぁ恐らく、あの人たちは上に報告しにいったんだと思いますが、入りますか?」 』
「ああ」

 門を通るとトンネルになっていた。トンネルをくぐるとそこには、店や家が並んでいて、商業人達の血気盛んな声が溢れている。

「とりあえずあいつらが言ってた“ステイタスカアド”を作りに行くか。なぁ【ツキミ】“ステイタスカアド”って何なんだ?」
『“ステイタスカアド”とは、身分証のようなものです。小さな紙に、マナを注ぎ込むと、マナを注いだ人のデータが紙に写るんです。その人の Lv. 使える魔法 身体能力や歳などが写ります。それを作るには、この国の中央にある、「依頼所」に行かなければいけません』
「んじゃ、そこに行くか!」

 歩いてる途中色々な店を見た、野菜や果物などを売っている所や、武器や防具を売っている所、そして宿屋……

「そーいえば、俺らってどこで寝るんだ?」
『そうですね…あっ「依頼所」の近くに人気の宿屋があります!そこにしましょう』
「でも俺ら、金ないじゃん」
『大丈夫です。「依頼所」では魔物のマナストーンを換金してくれる場所があります。さっき取ったマナストーンのうち、いるものは置いといて他は売りましょう』
「そーするか」

 そして雪斗達は、歩くこと40分、「依頼所」に着いた。中は、日本で言うところのBARと市役所を合わせたような場所だ。バーカウンターの横には、窓口のような場所もある。

「いらっしゃい」

 そこにいたのは、エプロン姿の40代位の少し太った女性がいた。名前は、キャサリンというらしい。

「おばさん、“ステイタスカアド”を作りたいのと、マナストーンを取って来たから換金してくれ」
「はいよ、ちょっと待っててね………はいっ“ステイタスカアド”とナイフだよ、これで指の先を少し切ってここに血を一滴流しておくれ」
「わかった」

 雪斗は指先をナイフで切り、一滴の血を流した。

 すると紙はみるみるうちに文字が刻まれていく。
 そこに書いていたのは…

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 名          真田   雪斗     歳【16】
 Lv.8     極級          称号   最強魔法師

 M     25300     P     8100     S     9500
 魔法名

 ファイアⅢ     ファイアバレット     アクアⅢ     アクアバレット     サンダーⅢ     サンダーバレット     ワープⅡ

 固有魔法

 空間操作   植物生成   神速   飛行   夜行性   光合成
物体強化
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ちなみに平均的なステイタスカアド)
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名          ?? ??     歳【?】
 Lv.4     中級          称号   新中級の赤の魔法師

 M     2000     P     1900     S     1700
 魔法名

 ファイア     ファイアボール     レッドクロー

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 Mはマナ     Pはパワー     Sはスピードだ。
 …
 ……
 ………
 …………

 明らかに雪斗の場合は桁が違う。それを見たキャサリンは……

「ばっ、ばけものぉ!!!」

 その声に、酒を飲んでいた大人達も雪斗達を注目した。
 雪斗は何故注目され、化け物扱いされたか分からなかったが、とりあえずステイタスカアドは作れたのでそれを取ったのち、

「俺をばけものと呼ぶなんてひでぇな……とりあえずこのマナストーンを換金してくれ」
「え…あ。はぁ、い……」

 キャサリンの声は、サバンナでライオンと会ってしまった子供のようだった。

「これは……『ジェットベアー』のマナストーン!!こっちが『ラフレジア』のマナストーン……」
「鑑定終わったか?」
「は、はい。合計で100ゴルです」
「サンキュ」
(思ったより多かったな…日本円にして10万か…結構すごいな)

 そんな事を思っていると…

「ちょっと待ってください!!!あなたは一体何者なんですか?マナの量もおかしいし、そもそも称号が最強魔法師だなんて…それに人族には無いはずの固有魔法まで持っているなんて……」
「そんなん俺に聞くな」
「それじゃぁ……」

 キャサリンが何か言おうとした時…

「いたぞっっ、俺達に暴力を振るった冒険者だ!」

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