快楽殺人鬼の俺が異世界で英雄になれたらいいなぁ

1031 トミーです

1話 愛も友情も全てまやかし

深夜2時、路地裏にて

バキッ、バキッと怪奇な音が鳴り響く
1回音が鳴る度に叫び声と笑い声が谺響する

そこには男が二人

1人は至る所に刺し傷があり幾つもの骨が折れている
そして恐怖と苦痛で顔を歪めている。その表情はどれだけの苦痛を受けたか容易に理解できる程のものだった

そしてもう1人はまるで無邪気な子供を連想させる程に悦びに満ちた表情で男を解体している少年だった

「ガハッ!!  ハァ、ハァ…も、もうやめてくれぇ!お、俺が何したっていうんだよ!頼むから、こ、殺さないでくれぇ!」
死にかけの男は必死に懇願する

「おっさん、あんたは別に何もしてねぇよ。ただ俺が楽しいからあんたをいたぶってるだけであって何か恨みがあるとかじゃないから。」

骨を砕きながらそう答える

「た、頼むよぉ!何だってする!金だろうがなんだろうがくれてやるから命だけはッ……!」

「なぁおっさん、あんた俺の話聞いてた?俺は楽しいから殺すの!気持ちいいから殺すの!根本から間違ってるよ。てかさぁ、命乞いする暇あったらもっといい声で鳴けよカスが!!しょぼい声で鳴かれたってこれっぽっちも気持ち良くないっての!」

そう言ってさらに男の腕を折る

バキッ、バキッと音を立てながら折れていく腕はもはや血で染まった肉の塊にしか見えなかった

腕をおられた拍子に男は意識を失う

意識を失った男を見るや憤怒と悲しみの2つお織り交ぜたような表情を見せ、男の胸倉を掴む

「おいおいおーい!!!!!何勝手に壊れてんだよ、使えねーなぁ!!!まだ足りないんだよォ…全然足りねぇーーー!!!」

そう叫ぶと狂ったように男を滅多刺しにしだした

滅多刺しにすること10分

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……ヒヒヒッ、あースッキリした。ありがなおっさん、いいストレス発散になったわーってもう死んでるか」

そう少年がつぶやくその眼下には赤に染まった人だったものが転がっていた

もう用はないと大して気にも留めることもなく少年は歩き始める

この狂った殺人鬼こそ物語の主人公“柊  ユウト”である






数日後   朝7時、俺は朝飯の支度を終えテーブルにつきニュースを見ていた。なぜならニュースの内容が数日前に俺が殺した男のことについてだったからだ

「ここ数日に渡って起きている連続猟奇的殺人の犯人についてですが、証拠となる凶器や指紋、目撃情報などもなく捜査は行き詰まっている様子です。犯人の犯行には何の法則性もなく決まった殺され方をしていないことから複数犯ではという仮定の下で捜査しているとの事です。」

ニュースキャスターがそこまで言い終わると俺は無造作にテレビを切った。

その時俺は警察の無能さに呆れていた。

ニュースを見ていた俺の事を心配してか俺が暮らす孤児院の園長が心配そうに声をかけてきた

「ユウくん、あなた最近帰りが遅いから心配だわぁ今日はできるだけ早く帰ってきなさいよ?最近は何かと物騒だし危ないから」

「大丈夫だよ園長、俺みたいな根暗は殺人鬼だって相手しないよ。それに体力には自信あるからな。おっと、そろそろバスの時間だから行くね」

そう言うと俺はさっさと家を出た

園長は俺が両親を殺して施設に入った時からいつも優しくしてくれている。それなりに感謝もしている。だが、あの人も俺のターゲットの一人でしかない。幼少の時から一緒にいた奴に殺されそうになって失望と悲しみに表情が歪む園長を想像すると興奮してくる…

俺は施設に入れられてからも殺人をやめることは無かった。むしろ殺人の魅力にどんどん惹かれていった。
それから俺は体を鍛え、あらゆる国の処刑方法何かを調べまくり、人間の急所の位置を覚えどんなシチュエーションでの殺しもできるように最善を尽くした。
それでもまだまだ殺人は奥が深かった。一回実践する度に次はこういうシチュエーションでこうゆう殺し方でという考えが湯水の様に溢れ出てきやがった。
だから俺には園長を含め施設にいる子供達をどういう風に殺すというビジョンが明確に見えていた。

だが身近な人を殺すのはリスクが高いため俺は快楽と新たな発見を求めて見ず知らずの人を片っ端から殺していった
ニュースでやっていた猟奇的殺人の犯人はもちろん俺だ。
ニュースでは多数犯だとか報道してた気がするが警察も馬鹿だよな。犯人は俺一人なのに(笑)


学校につくと俺は誰と挨拶を交わすわけでもなく、ただ黙って席についた。

嘆かわしいことに俺には友達や恋人といわれる人はいないのだ。
まぁ起きてる時も寝てる時もいつも大体殺人の事しか頭にないから友達なんか出来るはずもないが…

友達がいないというのは実に辛い…
なぜなら、親友がいきなり襲ってくるというシチュエーションの殺人ができないからである
このシチュエーションは今一番やってみたい殺し方なのに残念だ…

まぁ俺は元々友達なんか欲してはいないがな
なんせ愛や友情なんてまやかしだと思っているしな!

そんな一人語りをしている間に担任の教師が入ってきてホームルームの始まりを告げた


担任の話に全く興味がなかったため何の話をしていたかは覚えていないがしょうもない話だったんだろう。

ホームルームが終わり周りの連中がざわつき始める

うるせぇなあこいつら。
あーあ殺してぇなぁ
と思いつつも感情を押し殺して平静を装う

だが、さっきからざわつきが尋常じゃないほどに大きくなっている

流石に頭にくる
イライラが絶頂に達し我慢の限界だった俺はこのざわつきから逃げるべく机から立った

教室から出ようとドアに手をかけるが開く気配が一向にない

鍵でもかかってんのか?
と鍵を見ても異常はない。何故だ?てかざわざわうるさいんだよ…別のドアに行こうと思い振り返ると床が光っていた

え?


そう呟くと俺の意識は闇に飲まれていった


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