私【悪役令嬢】の婚約者【王子】を目の敵にしているのは私の親友【ヒロイン】です!?

御茅架

プロローグ 【告げられる真実】

ある晴れた日。
私、ティアーナ・ウォーカー侯爵令嬢の8歳の誕生日後のはじめてのお茶会が開かれた。
屋敷の庭で親友とふたりきりの会話のはずむものだった。
突然、真剣な顔をして私の顔をのぞき込む親友、もといリリアンナ・リドルー伯爵令嬢は、「今まで言えなかったんだけれど。」と濁しながら、ゆっくり話しはじめた。

「私、前世の記憶があるの」
「えっ?いきなりどうしたの?」

突然すぎた。何を言っているのだろうと思いながら、私も前世の記憶があると言ったほうがいいのだろうかと迷った。すぐに続けて彼女は

「ここは私の前世の記憶でいう、乙女ゲームの世界なの!それに、私はヒロイン役でティアは悪役令嬢役なの!」

ものすごい告白をされた。彼女は必死になってテーブルに身を乗り出していて、私はびっくりしすぎて呆然としている。つまりあれか、私は親友であり唯一信頼できる家族以外の人物である彼女に対して嫌がらせなるものをしなくてはいけないのか。正直ツラい。泣き出したくなる。それでも彼女は続ける。

「でも、安心して!私ティアのこと大好きだし、ティアに酷いことしないし、ティアの幸せのためならなんだってするから!!あと、ティアに前世の記憶があるのはなんとなく感じてた」
「!?」

ちょっとまって。いまの彼女の言葉からして私は嫌がらせなるものをしなくて済むということか。よかった。しかし、最後の台詞はどういう意味?

「えっと、リリィ。ちょっとまってくれる?この際、乙女ゲームやらヒロインやらはあとでいいわ。それよりも最後の台詞はどういう事?」

そう。いちばんの爆弾発言である、「ティアに前世の記憶があることを知っていた」なる発言のことだ。彼女リリィにその話はしていないはず。というか、しないつもりでいた。

「それはなんというか、そのままの意味っていうか。はじめてティアに会った時に感じたの。あ、私と同じだ。って気づいちゃって。それで、ティアもある?前世の記憶」
「え、えぇ。あるわ、前世の記憶。でも、乙女ゲームをやったことはないの」
「やっぱりあるのね!勘違いじゃなくてよかったわ。でもそっか。乙女ゲームやったことないのかぁ。じゃあしょうがないね」

その後もしばらくリリィはこの世界と乙女ゲームの世界について、話してくれた。
乙女ゲームだと、私とリリィが仲良くお茶会なんてありえないということ。ヒロイン役が他にもいる(主人公を自分で選べたらしい)こと。私の婚約者にこの王国の王子リリスラード・エルナンがなること。最悪の結果になると婚約破棄からの死亡説もあるということ。その他にもいろいろと。でも、違うところがたくさんあるのでどうなるか分からないということ。
ふたりで長く話し込んでしまった。もう、お茶会をしていたなんていえない状況だけれども。さすがに、時間が経ちすぎたためお茶会はお開き。あらかた話は終わったらしく、リリィは「何かあったらすぐ報告してね!」と言って帰っていった。

とりあえず、リリィの話で最悪の場合について考えた結果。
王子と婚約しないまた、婚約した場合は婚約破棄されないように頑張ること、あと剣と乗馬を習うことにしました。
自分の身は自分でしっかり守らなきゃね!出来ることをしておこう!


そう思ったのが今からちょうど2年ほど前の話です。







次回から本格的に開始します。

ティアはティアーナ(主人公)の愛称で、リリィはリリアンナの愛称です。
身分は主人公の方が上ですが、裏設定として母親同士が幼なじみでふたりもそんな感じなので、身分とか関係なく愛称呼びです。

拙いですが頑張ります!指摘などあったら教えて下さるとうれしいです!

コメント

  • ノベルバユーザー172844

    これからが楽しみ!頑張ってください。

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