序列16位の魔法教師
交渉
「【治癒超活性】」
スカルはエルミシアの顔と腹部に手を当て治癒力を爆発的に高める魔法を使用する
(まぁこれめっちゃ痛いんだけど、早く治すならこれが1番だからな)
「いたたたたた!痛い痛い!なんで数ある治療系の魔法からこれを選んだの!?」
負傷した細胞を強制的に分裂させることによって自然治癒を高速にするので痛覚が異常に刺激される。あまりの痛さにエルミシアでさえも悲鳴を上げてしまった
「目覚めたか理事長、とりあえず空間を移動する魔法?あれ使って理事長室に戻ってくれないか。あそこで連れが待ってんだよ」
「いや私は今それど痛い!ころじゃな痛い!いからね?ともか痛い!く少し待っ痛い!て」
(普通の治癒使った方が早かったかもしれねぇ……)
最近、自分の判断で後悔する事が多いスカルだった
「チッまだ痛いな…まぁよい、礼を言うぞ【円環の理】」
少ししてちゃんと話せるくらいに回復したエルミシア
「さっきと口調違くないか?」
「う、うるさい!私は年上だ。しかも上司、敬語を使え」
(実は中身も見た目と同じくらい可愛いのかもな)
「申し訳ありません理事長」
「なんだその微笑ましいものを見るような笑顔は……はぁ、とりあえず移動するか。ゲート」
(あの偽物は長ったらしい詠唱してたのに…まぁあれも詠唱っぽくはなかったけど、さすがは魔法序列8位、無詠唱か)
スカルとエルミシアはゲートの向こうへ消えていった
◇◇◇
「ご主人様!その女から離れてください!そいつ憑依されてます!」
理事長室に戻るとすぐにゼクスの声が響き渡る
「もう憑依の魔法痕を見つけたのか、さすがゼクスだ。でも憑依者はもうボコボコにしてやったから安心しろ」
「あら、そうなのですか。それは申し訳ありません」
(精霊……召喚における最上位種族と契約してるのか、あれだけの戦闘をこなす者なら驚きはしないが)
「それで、魔法痕はどこにあった?」
魔法痕の場所から敵がどうやってエルミシアほどの魔法師に憑依出来たかが分かるかもしれないと思いスカルはゼクスに問いかけたが
「残念ながら敵が使用した手段までは分かりませんでした。このペンに極小の魔法陣が刻んであります。小さすぎて探すのに苦労しました」
その手に握られているペンによく見ると確かに目を凝らさなければ見えないほど小さい魔法陣が刻まれている。高位の精霊であるゼクスでさえも敵の情報を得る事は出来なかったようだ
「なるほど、そのペンを持った瞬間に魔法陣が起動して理事長は意識を奪われたわけだ」
「まぁ相手が三流だったのが不幸中の幸いだ。私の体に憑依していた者は私の精神を抑え込むことは出来てなかった。だから私は憑依されていた25年間起きていたことは把握している」
(この25年で魔法師のレベルはかなり下がった。ヴォルガ・クラリスが軍にいる限りファーストの軍事力が落ちるとは思えないが…国として弱体化した事は事実。由々しき事態だな)
「とりあえず、今後の事を話そう。まずは…」
◇◇◇
「では内容をまとめよう。まず私が憑依された事は公表しない方向で行く、責任問題になって私がクビになっても構いはしないが体制が整ってない今の状況では愚策にしかなり得ないからな」
「それに関しては異議なしだ」
 
「そして敵についてだ。敵についての情報はゼロに近いが、目的はおそらく魔法師の弱体化……もし世界的に魔法師を弱体化させたいなら国に縛られない組織。もしファーストだけを狙ったのであれば他国の組織である事は明白だ。とりあえず他国の情報を集めつつ、私と貴様で学院中に闇魔法耐性の結界を張る」
「それに関しても異議なし」
「最後に授業カリキュラムについてだ。この25年間で私に憑依した者が少しづつ人員を変えながら授業内容も変更してきた。元の物に直そうとも思ったが、せっかくヴォルガの弟子がいるんだ。授業の内容変更に関する会議を全教師を集めてする。会議の最終決定は私が下すが、変更する内容とプレゼンテーション、あと進行は全て貴様に任せる」
今までスムーズに進んでいた話し合いがここで止まる
「異議ありだ!私はそんな事やらねぇよ!闇魔法耐性の結界に関してもめんどくさいからやりたくないが、必要な事だから仕方なくやる。でもなんで私が授業カリキュラムまで考えてそれをプレゼンしなきゃなんねぇんだよ。そういうのは私みたいな新任じゃなくてそれこそ理事長がやるべきだろ!」
スカルの反論に対し、エルミシアから冷酷な声で伝えられる
「貴様を雇ったのは私ではなく憑依した者だ。手違いだったとヴォルガに貴様を送り返すことも出来る。そうなって困るのは貴様ではないのか?」
「ひ、卑怯だぞ……職を人質に取るなんて…ゼクスお前からもなんか言ってやれ」
エルミシアに最強のカードを切られ、身動きの取れなくなったスカルはゼクスに助けを求めた
「ご主人様、労働の対価を得ようとするには何事にも全力で取り組まなければなりません。上司の言う事は聞くべきだと思いますよ」
しかしゼクスは理事長に味方をするらしい
(くそ!仕事人間のゼクスに助けを求めた私が馬鹿だった!)
「引き受けてくれるのなら少しくらいの我が儘は理事長権限で通してやろう。もちろん限度はあるがな」
その言葉にスカルが過剰に反応する
「……それってどこらへんまでオッケーなんだ?」
「何が望みだ。言ってみろ、聞かない限りはなんとも言えん」
理事長の返しに満を持してスカルが口を開く
「この学院の敷地に私専用の魔術工房を作ってくれ!設備はこっちで用意するから、対魔術だけ最高の部屋を貰えればそっちの条件受け入れる」
少しの間、部屋が静寂する
「……まぁ25年をそれで取り返せるなら安いものだな。よかろう、3日で用意してやる。代わりに貴様も3日以内に会議を開け、それでいいだろう?」
エルミシアから放たれた言葉を聞いた途端、スカルは不敵な笑みを浮かべる
「いいぜ、理事長が満足するようなカリキュラムを組んでやる」
3日後、この選択が間違っていなかったとエルミシアは確信する事になる
スカルはエルミシアの顔と腹部に手を当て治癒力を爆発的に高める魔法を使用する
(まぁこれめっちゃ痛いんだけど、早く治すならこれが1番だからな)
「いたたたたた!痛い痛い!なんで数ある治療系の魔法からこれを選んだの!?」
負傷した細胞を強制的に分裂させることによって自然治癒を高速にするので痛覚が異常に刺激される。あまりの痛さにエルミシアでさえも悲鳴を上げてしまった
「目覚めたか理事長、とりあえず空間を移動する魔法?あれ使って理事長室に戻ってくれないか。あそこで連れが待ってんだよ」
「いや私は今それど痛い!ころじゃな痛い!いからね?ともか痛い!く少し待っ痛い!て」
(普通の治癒使った方が早かったかもしれねぇ……)
最近、自分の判断で後悔する事が多いスカルだった
「チッまだ痛いな…まぁよい、礼を言うぞ【円環の理】」
少ししてちゃんと話せるくらいに回復したエルミシア
「さっきと口調違くないか?」
「う、うるさい!私は年上だ。しかも上司、敬語を使え」
(実は中身も見た目と同じくらい可愛いのかもな)
「申し訳ありません理事長」
「なんだその微笑ましいものを見るような笑顔は……はぁ、とりあえず移動するか。ゲート」
(あの偽物は長ったらしい詠唱してたのに…まぁあれも詠唱っぽくはなかったけど、さすがは魔法序列8位、無詠唱か)
スカルとエルミシアはゲートの向こうへ消えていった
◇◇◇
「ご主人様!その女から離れてください!そいつ憑依されてます!」
理事長室に戻るとすぐにゼクスの声が響き渡る
「もう憑依の魔法痕を見つけたのか、さすがゼクスだ。でも憑依者はもうボコボコにしてやったから安心しろ」
「あら、そうなのですか。それは申し訳ありません」
(精霊……召喚における最上位種族と契約してるのか、あれだけの戦闘をこなす者なら驚きはしないが)
「それで、魔法痕はどこにあった?」
魔法痕の場所から敵がどうやってエルミシアほどの魔法師に憑依出来たかが分かるかもしれないと思いスカルはゼクスに問いかけたが
「残念ながら敵が使用した手段までは分かりませんでした。このペンに極小の魔法陣が刻んであります。小さすぎて探すのに苦労しました」
その手に握られているペンによく見ると確かに目を凝らさなければ見えないほど小さい魔法陣が刻まれている。高位の精霊であるゼクスでさえも敵の情報を得る事は出来なかったようだ
「なるほど、そのペンを持った瞬間に魔法陣が起動して理事長は意識を奪われたわけだ」
「まぁ相手が三流だったのが不幸中の幸いだ。私の体に憑依していた者は私の精神を抑え込むことは出来てなかった。だから私は憑依されていた25年間起きていたことは把握している」
(この25年で魔法師のレベルはかなり下がった。ヴォルガ・クラリスが軍にいる限りファーストの軍事力が落ちるとは思えないが…国として弱体化した事は事実。由々しき事態だな)
「とりあえず、今後の事を話そう。まずは…」
◇◇◇
「では内容をまとめよう。まず私が憑依された事は公表しない方向で行く、責任問題になって私がクビになっても構いはしないが体制が整ってない今の状況では愚策にしかなり得ないからな」
「それに関しては異議なしだ」
 
「そして敵についてだ。敵についての情報はゼロに近いが、目的はおそらく魔法師の弱体化……もし世界的に魔法師を弱体化させたいなら国に縛られない組織。もしファーストだけを狙ったのであれば他国の組織である事は明白だ。とりあえず他国の情報を集めつつ、私と貴様で学院中に闇魔法耐性の結界を張る」
「それに関しても異議なし」
「最後に授業カリキュラムについてだ。この25年間で私に憑依した者が少しづつ人員を変えながら授業内容も変更してきた。元の物に直そうとも思ったが、せっかくヴォルガの弟子がいるんだ。授業の内容変更に関する会議を全教師を集めてする。会議の最終決定は私が下すが、変更する内容とプレゼンテーション、あと進行は全て貴様に任せる」
今までスムーズに進んでいた話し合いがここで止まる
「異議ありだ!私はそんな事やらねぇよ!闇魔法耐性の結界に関してもめんどくさいからやりたくないが、必要な事だから仕方なくやる。でもなんで私が授業カリキュラムまで考えてそれをプレゼンしなきゃなんねぇんだよ。そういうのは私みたいな新任じゃなくてそれこそ理事長がやるべきだろ!」
スカルの反論に対し、エルミシアから冷酷な声で伝えられる
「貴様を雇ったのは私ではなく憑依した者だ。手違いだったとヴォルガに貴様を送り返すことも出来る。そうなって困るのは貴様ではないのか?」
「ひ、卑怯だぞ……職を人質に取るなんて…ゼクスお前からもなんか言ってやれ」
エルミシアに最強のカードを切られ、身動きの取れなくなったスカルはゼクスに助けを求めた
「ご主人様、労働の対価を得ようとするには何事にも全力で取り組まなければなりません。上司の言う事は聞くべきだと思いますよ」
しかしゼクスは理事長に味方をするらしい
(くそ!仕事人間のゼクスに助けを求めた私が馬鹿だった!)
「引き受けてくれるのなら少しくらいの我が儘は理事長権限で通してやろう。もちろん限度はあるがな」
その言葉にスカルが過剰に反応する
「……それってどこらへんまでオッケーなんだ?」
「何が望みだ。言ってみろ、聞かない限りはなんとも言えん」
理事長の返しに満を持してスカルが口を開く
「この学院の敷地に私専用の魔術工房を作ってくれ!設備はこっちで用意するから、対魔術だけ最高の部屋を貰えればそっちの条件受け入れる」
少しの間、部屋が静寂する
「……まぁ25年をそれで取り返せるなら安いものだな。よかろう、3日で用意してやる。代わりに貴様も3日以内に会議を開け、それでいいだろう?」
エルミシアから放たれた言葉を聞いた途端、スカルは不敵な笑みを浮かべる
「いいぜ、理事長が満足するようなカリキュラムを組んでやる」
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