序列16位の魔法教師
5位VS16位
「様子見は無しだ!【連弾丸】」
スカルの左手から無数の魔力の弾丸が放たれ、ヴォルガへと一直線に向かっていく
「効かんぞ、【防護壁】」
ヴォルガの周囲に分厚い魔力の壁が形成され、飛んでくる弾丸を全て弾く
「だったら近接!【身体極化】【感覚鋭化】」
身体能力を強化する上位魔法、自身の五感を鋭敏にする上位魔法を発動しながらスカルは拳を構える
「俺に勝つならこいつを砕け【たった1人の為の王城】」
ヴォルガの体を圧縮された魔力が包み込む、どれ程の魔力が込められているのか…魔力が密集し、ヴォルガの周りの景色が蜃気楼のように歪んでいる。こんな魔法の鎧はヴォルガしか使えないだろう
これがヴォルガが【無尽蔵】と呼ばれる所以だ。常人の何倍もの魔力を体に宿し、さらに卓越した魔力操作によりどれだけ強力な魔法を使っても、いつまでも魔力が無くならない
「あんま油断してると足元掬われるぞ!」
◇◇◇
スカルとヴォルガの動きは生徒達ではまともに捉えることが出来ない。上位魔法の数々、ヴォルガに至っては唯一無二の魔法、固有魔法を使用している。観戦してる者は2人の人間を超越した格闘戦を唖然として視界に収めることしか出来ない
「……不自然だ…」
観戦室でレッドがそう呟く
「不自然って……どういう事だ?俺はあの人達の動きが全然見えない」
レッドの呟きに隣にいたカイトが反応する。果たして何が不自然なのか、何が起こってるのか見えていないレッド以外には分からないのだ
「先生の動きだ……俺は【視覚強化】で捉えてるが、ヴォルガさんの魔力の鎧を壊すつもりがないみたいだ。格闘で攻撃してるけど、ただの格闘じゃ突破出来るはずもない。回避するときの動きも無駄が大きいように見える」
「そ、そうなの……か?」
カイトはあまり理解できていない様子
(これが…5位と16位の戦い……先生はよく魔力が持つな…さっきから攻撃、回避、自身の強化、大量に上位魔法を使ってるのに【無尽蔵】に引けを取ってない。先生もとてつもない魔力量なのか?)
レッドはその後すぐに、なぜスカルが【円環の理】と呼ばれているか理解することになる
◇◇◇
「どうした?いつもに比べると動きに無駄が多い…勝ちに行くんじゃなかったのか?」
(何かあるんだろうが……【たった1人の為の王城】が突破出来るとは思えんな)
「さっき言ったばかりだぜ?もう歳か?」
先程から近接メインで戦闘していたスカルが突如距離を取る
(何を企んでいる……?)
スカルはヴォルガの足元を指差し、さっきのセリフを繰り返す
「ほぉら、足元掬われるぞ」
その言葉にヴォルガは地面を見る。そこにはヴォルガを中心に周囲を覆う魔法陣が淡く光り、浮かび上がっていた
(さっきから無駄な動きをしていたのは、俺に気が付かれないように回避しながら魔法陣を視認できない魔力で書いてたのか!)
気がついた時には遅かった
「【天を貫く無限の魔剣】」
地面に設置された魔法陣から無数の魔力で形成された剣が射出される。それら全てが合わさり天を摩するような塔が出現、ヴォルガはその剣の塔に巻き込まれ、見えなくなる
「あ……あははは!まんまと騙されたな!今回は私の勝……」
とそこまで言うとスカルは倒れてしまう
「くそっ!……魔力切れかよ…」
スカルが倒れると同時に、魔法の効果も消滅し、剣の塔が消える
そこには、傷を負いながらもしっかりの地に立つヴォルガが居た
「今のは惜しかったな。スカル」
「あー、本当にチートだよな…師匠」
地に伏しながらも、悪態を吐くスカルは心なしか嬉しそうだった
◇◇◇
「どうだったー……案外すごいだろ?私」
ヴォルガに担がれながら、スカルは自慢気に言う
「【無尽蔵】には及ばないにしても、先生も常人の倍以上の魔力があるなんてな……あまり体から魔力を感じなかったから少ないのかと思ってたけど、それもコントロールしてたのか」
「あー、それはだなー……」
レッドの質問にスカルは言葉を詰まらせていたので、ヴォルガが代わりに話し始める
「レッド君それは違う……スカルは俺のように魔力が多いわけじゃない。むしろ平均の半分以下だ」
その言葉に生徒全員が驚いた。先程まで、あんなにも魔法を連発していたのに平均の半分以下なんて信じられるわけがない
「おい師匠!」
「お前の事だから、魔力が多いって思われてた方がカッコいいとか思ってたんだろう?いつかバレるに決まってるだろ」
ヴォルガにそう言われ、スカルはしぶしぶ口を開く
「魔力ってのは空気中に腐るほどあるから、特訓すれば吸収出来るんだ。普通だったら効率も悪いから自然回復を待った方がいいんだが……私の場合は極限まで消費魔力と吸収魔力をコントロールして、常に魔力が最大の状態を保ってる」
言ってる事は理解出来る。使った瞬間に回復する……言葉にするのは簡単だが、実行するのはとてつもなく困難だろう
「じゃあ最後になんで魔力切れで倒れちゃったんですか?」
今の話なら魔力切れ自体が起きないのではないかと思い、カイトはスカルに質問する
「魔法陣を利用した魔法は体内で魔力をコントロールする処理が出来ないからだ。逆に言えば私の魔力はあの魔法一つで無くなっちまうほど少ないって事だ……まぁ、魔力が少ない奴でもこんくらいは出来るって事を覚えておいてくれ」
その言葉を最後にチャイムが鳴る
「あっ、言い忘れてたんですけど明日からスカル先生がA組の担任になりますよー。私は副担任です」
「えっ?私そんなの聞いてないんですけど……」
「「「えええぇぇえええ!?」」」
授業終わりにケイ先生の口からとんでもない事実が飛び出た事で、次の授業に遅れ、担当教師に怒られたことは言うまでもない
スカルの左手から無数の魔力の弾丸が放たれ、ヴォルガへと一直線に向かっていく
「効かんぞ、【防護壁】」
ヴォルガの周囲に分厚い魔力の壁が形成され、飛んでくる弾丸を全て弾く
「だったら近接!【身体極化】【感覚鋭化】」
身体能力を強化する上位魔法、自身の五感を鋭敏にする上位魔法を発動しながらスカルは拳を構える
「俺に勝つならこいつを砕け【たった1人の為の王城】」
ヴォルガの体を圧縮された魔力が包み込む、どれ程の魔力が込められているのか…魔力が密集し、ヴォルガの周りの景色が蜃気楼のように歪んでいる。こんな魔法の鎧はヴォルガしか使えないだろう
これがヴォルガが【無尽蔵】と呼ばれる所以だ。常人の何倍もの魔力を体に宿し、さらに卓越した魔力操作によりどれだけ強力な魔法を使っても、いつまでも魔力が無くならない
「あんま油断してると足元掬われるぞ!」
◇◇◇
スカルとヴォルガの動きは生徒達ではまともに捉えることが出来ない。上位魔法の数々、ヴォルガに至っては唯一無二の魔法、固有魔法を使用している。観戦してる者は2人の人間を超越した格闘戦を唖然として視界に収めることしか出来ない
「……不自然だ…」
観戦室でレッドがそう呟く
「不自然って……どういう事だ?俺はあの人達の動きが全然見えない」
レッドの呟きに隣にいたカイトが反応する。果たして何が不自然なのか、何が起こってるのか見えていないレッド以外には分からないのだ
「先生の動きだ……俺は【視覚強化】で捉えてるが、ヴォルガさんの魔力の鎧を壊すつもりがないみたいだ。格闘で攻撃してるけど、ただの格闘じゃ突破出来るはずもない。回避するときの動きも無駄が大きいように見える」
「そ、そうなの……か?」
カイトはあまり理解できていない様子
(これが…5位と16位の戦い……先生はよく魔力が持つな…さっきから攻撃、回避、自身の強化、大量に上位魔法を使ってるのに【無尽蔵】に引けを取ってない。先生もとてつもない魔力量なのか?)
レッドはその後すぐに、なぜスカルが【円環の理】と呼ばれているか理解することになる
◇◇◇
「どうした?いつもに比べると動きに無駄が多い…勝ちに行くんじゃなかったのか?」
(何かあるんだろうが……【たった1人の為の王城】が突破出来るとは思えんな)
「さっき言ったばかりだぜ?もう歳か?」
先程から近接メインで戦闘していたスカルが突如距離を取る
(何を企んでいる……?)
スカルはヴォルガの足元を指差し、さっきのセリフを繰り返す
「ほぉら、足元掬われるぞ」
その言葉にヴォルガは地面を見る。そこにはヴォルガを中心に周囲を覆う魔法陣が淡く光り、浮かび上がっていた
(さっきから無駄な動きをしていたのは、俺に気が付かれないように回避しながら魔法陣を視認できない魔力で書いてたのか!)
気がついた時には遅かった
「【天を貫く無限の魔剣】」
地面に設置された魔法陣から無数の魔力で形成された剣が射出される。それら全てが合わさり天を摩するような塔が出現、ヴォルガはその剣の塔に巻き込まれ、見えなくなる
「あ……あははは!まんまと騙されたな!今回は私の勝……」
とそこまで言うとスカルは倒れてしまう
「くそっ!……魔力切れかよ…」
スカルが倒れると同時に、魔法の効果も消滅し、剣の塔が消える
そこには、傷を負いながらもしっかりの地に立つヴォルガが居た
「今のは惜しかったな。スカル」
「あー、本当にチートだよな…師匠」
地に伏しながらも、悪態を吐くスカルは心なしか嬉しそうだった
◇◇◇
「どうだったー……案外すごいだろ?私」
ヴォルガに担がれながら、スカルは自慢気に言う
「【無尽蔵】には及ばないにしても、先生も常人の倍以上の魔力があるなんてな……あまり体から魔力を感じなかったから少ないのかと思ってたけど、それもコントロールしてたのか」
「あー、それはだなー……」
レッドの質問にスカルは言葉を詰まらせていたので、ヴォルガが代わりに話し始める
「レッド君それは違う……スカルは俺のように魔力が多いわけじゃない。むしろ平均の半分以下だ」
その言葉に生徒全員が驚いた。先程まで、あんなにも魔法を連発していたのに平均の半分以下なんて信じられるわけがない
「おい師匠!」
「お前の事だから、魔力が多いって思われてた方がカッコいいとか思ってたんだろう?いつかバレるに決まってるだろ」
ヴォルガにそう言われ、スカルはしぶしぶ口を開く
「魔力ってのは空気中に腐るほどあるから、特訓すれば吸収出来るんだ。普通だったら効率も悪いから自然回復を待った方がいいんだが……私の場合は極限まで消費魔力と吸収魔力をコントロールして、常に魔力が最大の状態を保ってる」
言ってる事は理解出来る。使った瞬間に回復する……言葉にするのは簡単だが、実行するのはとてつもなく困難だろう
「じゃあ最後になんで魔力切れで倒れちゃったんですか?」
今の話なら魔力切れ自体が起きないのではないかと思い、カイトはスカルに質問する
「魔法陣を利用した魔法は体内で魔力をコントロールする処理が出来ないからだ。逆に言えば私の魔力はあの魔法一つで無くなっちまうほど少ないって事だ……まぁ、魔力が少ない奴でもこんくらいは出来るって事を覚えておいてくれ」
その言葉を最後にチャイムが鳴る
「あっ、言い忘れてたんですけど明日からスカル先生がA組の担任になりますよー。私は副担任です」
「えっ?私そんなの聞いてないんですけど……」
「「「えええぇぇえええ!?」」」
授業終わりにケイ先生の口からとんでもない事実が飛び出た事で、次の授業に遅れ、担当教師に怒られたことは言うまでもない
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