Traveる
3-1 水着回
ハルカたちが海へと向かっていた頃、王国にサヨリが帰宅していた。場所は城の王室でそこには黒幕のハヤト、そして異世界人が一人いた。
「……」
「どうしたサヨ姉」
王室の中でハヤトが話しかける。
「ちっ……雑雑雑雑……ノイズが……」
「おい、これはどうなってんだ!?」
この症状を見て、ハヤトが一人の異世界人に話しかける。
「恐らく、昔の想い人にあって心が揺らいでやがるな。残念だが、お前に渡した«魔素の災薬»は強い洗脳能力をもつが、愛する者の前では著しく効果が薄くなる。それに副作用として、この洗脳に反発しすぎると体をすぐに壊す。だが安心しろ。効果が薄まったのならまたかけ直せばいい」
「そうなのか……ははっ……心配して損したぜ……」
そう一言いうとハヤトは素早い手刀でサヨリの意識を奪う。
「さぁもう一度僕を王と崇める、完全な下僕として生まれ変われ!!」
そう言うと、倒れていたサヨリの体が不自然な形で起き上がる。
「王様……すみません。異世界人二人の処理に失敗しました」
「まぁよい。敵の軍勢は?」
「警戒すべきはアツシとヒナ、そして裏切った友恵。あとは恐らくどこかに隠れているであろうアオイ。こんなところでしょうか」
「そうか……依然として強敵揃いって訳か」
「あともうひとつ。異世界人の名前の情報を手に入れました。享介と呼ばれる男と穂乃香と呼ばれる女です」
その言葉に異世界人は顔をしかめる。
「……穂乃香?特徴は?」
「あまり良く見れてませんが大人しそうな黒髪の少女です。歳は16くらいでしょうか」
サヨリに対して突っかかることなど、操ってからはなかなかなかったのにとハヤトが疑問を持とうとしたがやめた。なにか事情があるのだろう。
「なるほどな……これはひょっとしたらめんどくさい事になってるかもしんねぇな……」
異世界人は二人に聞こえないくらい小さな声で呟いた。
王国でそんな話があった後、一行は水族館とほど近い海水浴場へとやって来ていた。
「海だーーーーーああああーっ!!」
城を降りるやいなや砂浜に向かってハルカとヒナが穂乃香の手を引き、一目散に走っていく。それに走ったら転ぶぞ、と言いながらアツシがあとに続く。
「いいんでしょうか……仕事もしないで遊んでばかりいて……」
享介と一緒にゆっくりと海へと歩いていた友恵がぼそっとそんなことを言う。
「ま、いいんじゃねぇか?俺も最初は困惑してたけど、すぐになれるって」
「そうですか」
ふふっと笑いながら小走りで海へと向かっていく。もう水族館であった時のような殺気は全く感じられない。
「はぁ、やっぱりいいなぁ……おい享介。お前もそう思わないか?」
と、そう話しかけてくるのはハルキだ。この場でこんなこと言ってくるのだから大体話が読めてしまう。
「……お前……やっぱりそういうことしか考えてないのか……」
「だっておめー水着のねーちん大量だぞ!こんなん天国と言わずになんというんざます!?」
「なんだこいつ……」
本当ブレねぇな。だが奇しくも同意せざるを得ない。こんな世界だとはいえあの穂乃香ちゃんと海にきたのだから!昨日何だかんだ一晩中衣装部屋でハルカとなんやかんややってただけあり、凄く似合う水着を着ていらっしゃる。鼻血でそ……
 「あぁ。やっぱり天国だわここ……」
「だろ」
だが、なぜだろう。ハルキのドヤ顔に物凄く腹が立った。
「ちょっハルカちゃんっ!!もう!やめてよー」
「きゃっ!?」
と、女性陣はそんな感じで水のかけっこをしていた。
「ははーっ!穂乃香!友恵!!仇は私が打ってあげるわ!それっ」
「ちょっヒナ!魔法はずるだっ……ぼぼぼぼぼ」
そしてアツシはというとパラソルを開いて寝ている。こいつもどこでも変わんねぇな。ハルキはというと……人間観察だな。そうなってくると享介的に混ざれそうな所がない。
「ジュースでも買いに行くか」
ガッツリと海のシーズンなのでここら一帯は熱帯のように暑かった。なので余計に喉が渇く。とりあえず享介はなにかいろいろ売っていそうな海の家へと向かうことにした。
「あっつー」
太陽の光を遮るものが無いため日差しがきつい。もはや突き刺さるような痛みさえ感じそうだ。
「そうだね」
っと、そんな享介の独り言を拾う人物がいた。穂乃香だった。突然想い人に話しかけられ同様する享介だったがすぐに冷静を取り戻す。
「どうしたんだ?」
「ちょっとはしゃぎすぎちゃったから喉乾いちゃったなぁって」
おおう。俺と一緒!!
「享介君は?」
「まぁ、俺もそんな感じ」
「そっか」
はぁ……やっぱり穂乃香ちゃんと会話するのは凄く心が安らぐ。湖にいた時も思ったが、こんな時間がずっと続けばいいのに。と、そう享介が思った時にふと気がついた。
(あれ……?これはもしかして思いを伝えるチャンスなのでは!?)
これまでいろいろあったが大体戦ってばっかで忘れかけていたが享介は穂乃香に伝えたいことがある。普段ならこんな所でいきなり言われても感が否めないが、今の享介は穂乃香と二人きりという状況に興奮し、それどころではなかった。
(この海にいる間にチャンスを見つけて……絶対に伝えてやる!!)
「……」
「どうしたサヨ姉」
王室の中でハヤトが話しかける。
「ちっ……雑雑雑雑……ノイズが……」
「おい、これはどうなってんだ!?」
この症状を見て、ハヤトが一人の異世界人に話しかける。
「恐らく、昔の想い人にあって心が揺らいでやがるな。残念だが、お前に渡した«魔素の災薬»は強い洗脳能力をもつが、愛する者の前では著しく効果が薄くなる。それに副作用として、この洗脳に反発しすぎると体をすぐに壊す。だが安心しろ。効果が薄まったのならまたかけ直せばいい」
「そうなのか……ははっ……心配して損したぜ……」
そう一言いうとハヤトは素早い手刀でサヨリの意識を奪う。
「さぁもう一度僕を王と崇める、完全な下僕として生まれ変われ!!」
そう言うと、倒れていたサヨリの体が不自然な形で起き上がる。
「王様……すみません。異世界人二人の処理に失敗しました」
「まぁよい。敵の軍勢は?」
「警戒すべきはアツシとヒナ、そして裏切った友恵。あとは恐らくどこかに隠れているであろうアオイ。こんなところでしょうか」
「そうか……依然として強敵揃いって訳か」
「あともうひとつ。異世界人の名前の情報を手に入れました。享介と呼ばれる男と穂乃香と呼ばれる女です」
その言葉に異世界人は顔をしかめる。
「……穂乃香?特徴は?」
「あまり良く見れてませんが大人しそうな黒髪の少女です。歳は16くらいでしょうか」
サヨリに対して突っかかることなど、操ってからはなかなかなかったのにとハヤトが疑問を持とうとしたがやめた。なにか事情があるのだろう。
「なるほどな……これはひょっとしたらめんどくさい事になってるかもしんねぇな……」
異世界人は二人に聞こえないくらい小さな声で呟いた。
王国でそんな話があった後、一行は水族館とほど近い海水浴場へとやって来ていた。
「海だーーーーーああああーっ!!」
城を降りるやいなや砂浜に向かってハルカとヒナが穂乃香の手を引き、一目散に走っていく。それに走ったら転ぶぞ、と言いながらアツシがあとに続く。
「いいんでしょうか……仕事もしないで遊んでばかりいて……」
享介と一緒にゆっくりと海へと歩いていた友恵がぼそっとそんなことを言う。
「ま、いいんじゃねぇか?俺も最初は困惑してたけど、すぐになれるって」
「そうですか」
ふふっと笑いながら小走りで海へと向かっていく。もう水族館であった時のような殺気は全く感じられない。
「はぁ、やっぱりいいなぁ……おい享介。お前もそう思わないか?」
と、そう話しかけてくるのはハルキだ。この場でこんなこと言ってくるのだから大体話が読めてしまう。
「……お前……やっぱりそういうことしか考えてないのか……」
「だっておめー水着のねーちん大量だぞ!こんなん天国と言わずになんというんざます!?」
「なんだこいつ……」
本当ブレねぇな。だが奇しくも同意せざるを得ない。こんな世界だとはいえあの穂乃香ちゃんと海にきたのだから!昨日何だかんだ一晩中衣装部屋でハルカとなんやかんややってただけあり、凄く似合う水着を着ていらっしゃる。鼻血でそ……
 「あぁ。やっぱり天国だわここ……」
「だろ」
だが、なぜだろう。ハルキのドヤ顔に物凄く腹が立った。
「ちょっハルカちゃんっ!!もう!やめてよー」
「きゃっ!?」
と、女性陣はそんな感じで水のかけっこをしていた。
「ははーっ!穂乃香!友恵!!仇は私が打ってあげるわ!それっ」
「ちょっヒナ!魔法はずるだっ……ぼぼぼぼぼ」
そしてアツシはというとパラソルを開いて寝ている。こいつもどこでも変わんねぇな。ハルキはというと……人間観察だな。そうなってくると享介的に混ざれそうな所がない。
「ジュースでも買いに行くか」
ガッツリと海のシーズンなのでここら一帯は熱帯のように暑かった。なので余計に喉が渇く。とりあえず享介はなにかいろいろ売っていそうな海の家へと向かうことにした。
「あっつー」
太陽の光を遮るものが無いため日差しがきつい。もはや突き刺さるような痛みさえ感じそうだ。
「そうだね」
っと、そんな享介の独り言を拾う人物がいた。穂乃香だった。突然想い人に話しかけられ同様する享介だったがすぐに冷静を取り戻す。
「どうしたんだ?」
「ちょっとはしゃぎすぎちゃったから喉乾いちゃったなぁって」
おおう。俺と一緒!!
「享介君は?」
「まぁ、俺もそんな感じ」
「そっか」
はぁ……やっぱり穂乃香ちゃんと会話するのは凄く心が安らぐ。湖にいた時も思ったが、こんな時間がずっと続けばいいのに。と、そう享介が思った時にふと気がついた。
(あれ……?これはもしかして思いを伝えるチャンスなのでは!?)
これまでいろいろあったが大体戦ってばっかで忘れかけていたが享介は穂乃香に伝えたいことがある。普段ならこんな所でいきなり言われても感が否めないが、今の享介は穂乃香と二人きりという状況に興奮し、それどころではなかった。
(この海にいる間にチャンスを見つけて……絶対に伝えてやる!!)
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