Traveる

Nowttel

2-5 新生活

「それじゃあどんどん行くよ!ここは地下二階の野菜農園。ヒナの作った氷から得られる水を使って育てているの。このご時世野菜はお財布に厳しいからね」

 俺、享介と穂乃香は引き続きハルカに城の案内をしてもらっていた。

「次はここ!1階に戻ってリビング!今日朝ごはんのあとみんなで話をしたとこね。左手に食堂、奥にお風呂があるのは昨日から使ってもらってるからわかると思うけど……右手は衣装部屋になっているの。服とか着てみたいのがあったら自由に使ってもらってもいいわよ!」

 城というだけありかなり広い。椅子とテーブルが複数個、奥にある一際大きいソファーにアツシが寝っ転がっている。

「そして外に出たら大きな広場につくわ。昨日は直接リビングに飛んだから見てないと思うけど。どう?綺麗でしょ?」

 そこには石畳の整備された道が続いていた。城の周りには花壇があり、様々な色の花が咲いており、とても綺麗だ。

「めんどくさいから行かないけどこの先を進んだら大きな池があるの。ここよりずっと落ち着く凄く綺麗な所だから暇な時があったら行ってみて。あ、でもあんまり遠くまで行ったら迷子になっちゃうから気をつけてね。それに城から落っこちるかもしれないし」
「なるほど」
「施設の紹介はまぁ、こんなとこね。2階は各自の部屋とトイレくらいしかないし。アオイのいる操縦室も入ることはないだろうし。何か質問ある?」

 と言われても特に何も無いので首を振った

「特にないかな」
「そっか。それじゃあ今から何する?」

 ハルカの問に穂乃香が答える。

「何か家事手伝い出来ることはない?やっぱりこのままだと悪いし」

 穂乃香のいうことは良くわかる。ここまで何から何までしてもらうと何か悪い気がしてならない。

「そうねー。でも今は割と回ってるし……じゃあ、夜ご飯になったら手伝ってもらおうかな?享介はどうせ細かい仕事得意じゃなさそうだしあと片付けお願いするわ」

 しっけいな。これでも人並みには家事はできる方だ。まぁ、皿洗いとかの方が無心で出来るし好きだからいいけど。

「仕事も決まったし……て今から何するかよね。何かない?」

 そのハルカの言葉に享介が言う。

「なぁ。ハルカ。魔法を教えてくれないか?」

 ハルカはおぉーって顔をしている

「こないだのホムラとの戦い。正直ヒナが助けてくれなければ皆やられていたけど、もし俺も何か魔法を使えれば何とかなったかもしれないし」

 享介の言葉にハルカは考え込む。

「そうね……。まぁ異世界人が魔法を使った事例がないだけでコツさえ掴めば絶対に出来ない訳じゃないとは思うけど。やるだけやってみましょうか」

 そうしてハルカによる魔法講習会が始まった。






 日が昇り始め、もうそろそろ真上に来そうな頃合。城前の広場に3つの人影があった。

「それじゃあまず基本からね。いつかも言ったけど魔法は大気中の《魔素》を練って作り出すの!」
「練る?」
「なんて言ったらいいのかな?そう。パンを練るように!」

 さてはこいつ説明下手だな。さっぱりわからん。

「いや、形の見えないものを練ろと言われても……」
「んんんー。そうだよね。それじゃあ」

 そういいどこかへと駆けていった。そして数分も経たずに戻ってきた。どうやらヒナを呼んできたようだ。

「特別教師を呼んできました!やっぱり魔法については私らの中でもアンタがずば抜けて上手いし。何かコツとかない?」
「いきなり呼ばれたから何のことかと思ったけどそういう事ね。まぁ、魔法力さえろくに操れない団長に教えるなんて出来るはずないもんね……」

 聞きなれない言葉に二人は首を傾げる。

「あ、魔法力ってのは個体を持たないエネルギーの塊の事なんだけど……感覚としてはビームとか光の玉みたいなものかな?」

 そういいヒナは手を広げ、いとも簡単そうに魔法の塊を生み出す。感覚的にはドラ○エの爆発する前のイオラに似てる。

「これが出来れば色によって自分の属性が分かるんだよ!赤なら炎、緑なら風、茶色なら土みたいにね。私は水属性だから青色とかね。取り敢えずこれが魔法の一番の基本だから、個体を生み出すより簡単だしまずはこれから練習するといいかもね。まぁ団長はできないんだけど(笑)」

 ヒナは肘でハルカをつついて煽る。

「べ、別にできなくても戦いに支障はでないし。個体として生み出すくらいの力はあるからいいじゃない?」
「なーに言ってんの団長。これができないから応用が効かないんじゃないの?無数の岩を飛ばしたりとかさぁ」
「うっ……」

 ヒナの図星にハルカがたじろぐ。

「取り敢えず享介、穂乃香。魔法を使うには気持ちが大事だから。使いたいって頭の中でイメージしてみて。魔法魔法魔法魔法魔法魔法ほら」

 言われるままに魔法のイメージを作る。魔法が使いたい。そして今度また襲われた時に穂乃香ちゃんを守る力が欲しいと。

「ふぬぬぬぬうううう~~~っ」

 しかし考えても考えても一向にできる気配がない。

「あー享介力入りすぎ。こりゃダメそうかな」


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