Traveる

Nowttel

2-2 お風呂場大戦争(笑)

 その後、享介たちはヒナに連れられて用意してくれた部屋へと案内された。場所は2階の向かって右側が男部屋。左側が女部屋になっているようだ。どの部屋も全て窓に面しており、少し高いところからこの世界を見渡すことができるようだ。大きさは一人でなら充分の広さはあり、少し奥に長い。そこにベットと机、椅子にクローゼットなど必要最低限の家具が置かれてあった。ヒナには「テキトーに改造してもらってもいいよ〜」と言われたが元の世界から持ってきたものは全てあのホムラとかいうやつに燃やされてしまったのでどうすることもできない。とりあえず俺は置いてあったベットに横たわった。

「はぁ〜。今頃穂乃香ちゃん何してるのかなぁ」

 気になる。一人で寂しい思いはしていないだろうか……流石にそんなことはないとは思うが。

「なんだよ。気になんのか?俺様が教えてやってもいいぜ?」

 突然聞き覚えのある男口調が聞こえてくる。声の方を見ると机の上に置いてあるモニターからアオイが話しかけてきていた。

「ちょ……おま!?何盗み聞きしてんだよ!」
「はっすまんな。この城の中じゃ誰が何をやったかなんて俺様にはお見通しなんだよ。……ま、危険な侵入者とかいねーか監視するためなんだが」

 それなら仕方がない……のか?もうプライバシーも糞もないな。与えられた所だから文句は言えないけど……

「とりあえず城内で困った時はいつでも俺様を呼んでくれていいぜ。そっこー応答してやるからさ。それで穂乃香だよな。あいつは部屋に入るやいなやすぐに寝ちまいやがった……相当、疲れが溜まってたんだろうな」

 確かに今日一日でいろいろなことがあったからそうなって当然だろう。

「で?お前は寝なくていいのか?夕飯まではまだまだかかりそうだが。時間になったら起こしてやるぜ」
「いや、まだまだ動けるよ。なんか手伝えることとかないのか?助けてもらってばっかでなんか申し訳ないけど」
「いいや。気にすんなって。お前らはお客さんなんだからゆっくり休んどけよ」
「そうか……サンキューな。んじゃ俺も一休みするわ」

 そういい、享介は布団を被った。

「おうよ!んじゃ暖かくして寝ろよ!」






 その後、夕飯を頂いた。元の世界では考えられないほど豪快な物で、動物一匹を丸ごと焼いた後、内蔵等をくり抜き、そこに木の実と混ぜられたお米のようなものを詰め込んだ食べ物だった。これが想像以上に美味しい。肉汁の旨みや木の実の甘さが丁度よくご飯に染み、混ざり合い、とても綺麗な味になっている。どうやら調理したのはハルカらしい。あれから1時間ほどして氷像から解放されたようだが……よく生きていられるものだ。慣れてるのかな?穂乃香、ヒナ、ハルキ、それにアツシも起きてきて一緒にご飯を食べているがアオイの姿が見えない。どうやら監視の仕事や動力制御、城の運転などで手が離せないらしい。ハルカが後で個別に持っていくそうだ。

 食事が終わると、各自バラバラに過ごしていた。穂乃香はというとヒナと一緒にお喋りしている。アツシはソファーに寝転び、ハルキは城の外に出ている。ハルカの姿が見えないが、恐らく食事の片付けなどをやっているのだろう。享介は暇だったので穂乃香ちゃんを横目に眺めながら適当に過ごした。

 そして……

「はぁー生き返るわぁ」

 風呂に入った。男女で分かれている温泉のようなところだった。なんでもヒナの氷魔法は水属性魔法の応用で出来ているらしく、彼女の作り出した氷を溶かせばいくらでも水が手に入るらしい。この大きなお風呂も実質水道代なしで入り放題のようだ。はぁ、魔法って偉大だな。

「あー極楽極楽。いい湯だな」

 男子風呂には俺とハルキとアツシで入っている。本当に広いのでむさ苦しさもない。

「おい享介。ゆっくり浸かって終わりとか言わないだろうな」

 ハルキが問いかけてくるがどういう意味か分からない。泳ぐとでも言うのか?確かに泳げるほど広い所ではあるが……

「覗きだよ……奴らは貧乳ばっかだがこの際気にしてらんねぇ」

 本当にただのエロガキだな。

「いや、いいよ。疲れてるし、見つかったら氷像じゃ済まされそうにない……」
「ちっ……情ねぇな。向こうにはお前の好きな奴もいるんだぜ?」

 そういえば向こうも皆で入るぞーとか言ってた気がする……

「……しゃあねぇな!?」
「ふっノリの良い奴で助かったぜ……あ、兄貴もやりましょうぜ?」

 なんだこいつ。アツシに対しては兄貴って……若干敬意を払っているようだ。

「いや……俺はいいよ。眠いし」

 なんかそんな気がした……

「まぁいい。俺が手本ってやつを見してやるよ。あの隙間からこうやって……」

 桶を積み上げ、結構高い所にある隙間えとたどり着く。だがハルキが隙間から除くとそこにはタオルを巻いたハルカが見えた。

「あ……団長〜。こんなとこでどしたんですか?まさか覗きー?やだー」
「貴方の会話。丸聞こえだったんだけど?貧乳がどうとか言ってたけどさ」

 どうやら俺の声は聞こえてなかったらしい。助かった。俺まで変態の烙印を押されるところだった……

「ぺったんこで悪かったなァ!?」

 ハルキが吹っ飛ばされた。あの小さな隙間から魔法を飛ばしたのだろうか……恐ろしや。てか沸点そこかよ。

「ぐふっ……き……享介……ああなるから覗きなんて馬鹿なこと考えんじゃねぇぞ……」

 頼んでもないのに体を張って教えてくれた。鼻血出てんじゃねーか!

「ははっあいつも元気だよな。あいつはあいつでお前らの不安とかを解いてやろうとしてんだぜ。やり方はあれだがな」
「ちょ……兄貴……そんな恥ずいことバラすなよ」

 なるほどな。

「ありがとな、ハルキ。だがもう割とこの世界にもなんか慣れてきたし大丈夫だぞ」
「ちっ違ぇって。あいつらの胸が成長してないか確認したかっ……寒っ」
「それ以上はやめとけ。ヒナまで怒らせたらお湯が水風呂になっちまうぞ……」


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