Traveる
1-9 最強の将軍に抗える一手
ハルカとホムラの一騎打ちが始まった。どうやらホムラ側は持久戦に持ち込むつもりらしい。威力を抑え、手数で勝負を仕掛けている。一方ハルカは無論避けるので精一杯だ。戦闘が長引くなら長引くほど不利なのはあきらかだ。
「くっ……なんて強さ……二体の双竜を自在に操り、そんでもって自分は魔力で完全防御……勝ち目が見えないんだけどっ!」
ハルカの言う通りだ。こいつを倒すにはまず奴の防御力以上のダメージを与えなければならない。しかし俺たちのメンツにそんな能力を持った超人はいない。もしあったとしてもあの双竜の猛攻の前では近づくことすら危うい。
「何か……弱点はないのか……?」
持っていたポーションは全て使い果たした。火炎耐性のポーションがあれば双竜を押しのけてやつに一発殴れたかもしれないがないものをねだっても仕方がない。
「弱点……ねぇ。あの人浮いてないよね……」
不意に穂乃香が言った。
「それがどうかしたか?」
「魔法力ってのに覆われてるって言ってたけど足の裏はどうなのかな?地面と足に空間がないから膜を張れないんじゃ……?」
なるほど。確かにありえる。やつが実はドラ○もんみたいに少し浮いてましたざまみろ〜とかない限り攻撃は効きそうだ。しかし穴を掘って地面から殴るなんて無茶苦茶すぎる。それにやつはこの双竜を展開している時は動けないと言っていた。恐らく魔法陣と両の足を合わせていないとはつどうできないからだろうか。どちらにせよやつが足を上げて魔力を張るまでに攻撃するなどできるはずがない。
「んー。難しそうだな……だが、魔法力の張っていないところを探すのはわりと正解な気がする……って待てよ!?」
そういえばやつの属性は双竜が火を纏っていることからも火属性なのは明確。だとすればやつの体を纏っているのも炎で間違いないだろう。とすれば……
「もしかしたら一発入れれるかもしれない……」
享介はある一つの確信にたどり着いた。
「うわぁっ!?」
「はっもう避ける力さえ尽きたか……」
見るとハルカが敵の双竜の攻撃をまともに受けたようだ。今日一日はしゃぎ回った後なので余計に疲れは溜まっているはずだ。
「させない……二人は殺させない……!」
虚勢を張るがもう体力が限界なのは目に見えている。そんなハルカの前に一人の男が守るように立った。
「ハルカ。今まで時間を稼いどいてくれてありがとな。おかげで一矢報いることができるかもしれない。だからゆっくり休んどけ。後は俺が戦う!」
享介だった。ただの異世界人で魔法が使えなければよく知りもしない全くの素人が一城を束ねるリーダーの前に立ち塞がったのだ。
「はっ突然何を言い出すのだ。俺の双竜からは逃れられんぞ!!」
掛け声とともに二対の双竜が襲いかかる。もの凄いスピードで一直線に享介へと向かってくる。とても避けれるもではない。しかし……
享介はその攻撃を避けた。
「な……なに……!?いや……偶然だ。これならっ!!」
しかし攻撃は当たらない。
「なっ……何故見切れる!?」
「お前の手の動きだ。双竜はお前の突き出した腕と同じ方向にしか行かない。しかもそこにはある程度のラグがある。先の読める攻撃をかわすくらい動作もないよなぁ!?ハルカは戦いに夢中で考えてる暇なんてなかっただろうけど後ろで見てたら丸見えだぜ?」
「くっ少し見破ったくらいで調子にのるなァ!!」
そういい、ホムラは思いっきり両手を交差させる。
「左右からの同時攻撃!俺の全力で……」
しかし享介はその攻撃が来るのを見越したかのように前へ踏み込んだ。
「来たな。大技が!!その瞬間が一番無防備になる!」
全力でホムラに向かって走り出した。しかしホムラには魔法力で体を覆っている。半端な攻撃は逆効果だ。
「享介!?何するつもりなの!?そのまま殴れば貴方が火だるまになるわよっ!!」
ハルカの忠告も一切無視してカバンを使い、思いっきり殴る。
「享介!!」
本来なら享介のカバンが炎に触れ燃え尽きるはずだが、カバンが燃えることはなかった。
「うおおおおぉっ!?」
カバンがホムラの顔にクリーンヒットした。
「な……何が……」
驚くハルカに享介はたった一つの答えを言う。
「炎を燃やし続けるには酸素が必要。顔まで覆ったら呼吸できねぇーよな!?」
「な、なるほどって……そんな無茶なこと……もし違うなにかの力が働いてたらどうするつもりだったのよ」
「そんなのこいつに挑む時点で無茶は百も承知だよ。んでこいつどうする?ほっとくわけにもいかないし」
享介は攻撃が上手くいき、緊張が解けていた。しかし
「まだだっ……!!」
ホムラが立ち上がり享介のカバンを掴む。するとカバンは跡形もなく燃え尽きた。
「あああっ!?まだ一ヶ月半しか使ってないカバンと教科書が灰になっちまったぁぁぁぁぁ一」
享介が少しズレたとこらに悲しんだがホムラは全く動じない。
「もうよいわ!!お前らほどの力のやつには俺の全力で攻撃しないといけないようだな……」
するとホムラの両手の双竜が合わさり、一つの巨大な竜へと変貌した。
「なぁハルカ……あれ、その剣で斬れるか?」
「あらやだ。無理に決まってるじゃないですか。もー」
もはや笑うことしかできないほどの圧倒的パワーが生み出される。
「この一撃で消し炭と化せええええええええええええっ!!」
「くっ……なんて強さ……二体の双竜を自在に操り、そんでもって自分は魔力で完全防御……勝ち目が見えないんだけどっ!」
ハルカの言う通りだ。こいつを倒すにはまず奴の防御力以上のダメージを与えなければならない。しかし俺たちのメンツにそんな能力を持った超人はいない。もしあったとしてもあの双竜の猛攻の前では近づくことすら危うい。
「何か……弱点はないのか……?」
持っていたポーションは全て使い果たした。火炎耐性のポーションがあれば双竜を押しのけてやつに一発殴れたかもしれないがないものをねだっても仕方がない。
「弱点……ねぇ。あの人浮いてないよね……」
不意に穂乃香が言った。
「それがどうかしたか?」
「魔法力ってのに覆われてるって言ってたけど足の裏はどうなのかな?地面と足に空間がないから膜を張れないんじゃ……?」
なるほど。確かにありえる。やつが実はドラ○もんみたいに少し浮いてましたざまみろ〜とかない限り攻撃は効きそうだ。しかし穴を掘って地面から殴るなんて無茶苦茶すぎる。それにやつはこの双竜を展開している時は動けないと言っていた。恐らく魔法陣と両の足を合わせていないとはつどうできないからだろうか。どちらにせよやつが足を上げて魔力を張るまでに攻撃するなどできるはずがない。
「んー。難しそうだな……だが、魔法力の張っていないところを探すのはわりと正解な気がする……って待てよ!?」
そういえばやつの属性は双竜が火を纏っていることからも火属性なのは明確。だとすればやつの体を纏っているのも炎で間違いないだろう。とすれば……
「もしかしたら一発入れれるかもしれない……」
享介はある一つの確信にたどり着いた。
「うわぁっ!?」
「はっもう避ける力さえ尽きたか……」
見るとハルカが敵の双竜の攻撃をまともに受けたようだ。今日一日はしゃぎ回った後なので余計に疲れは溜まっているはずだ。
「させない……二人は殺させない……!」
虚勢を張るがもう体力が限界なのは目に見えている。そんなハルカの前に一人の男が守るように立った。
「ハルカ。今まで時間を稼いどいてくれてありがとな。おかげで一矢報いることができるかもしれない。だからゆっくり休んどけ。後は俺が戦う!」
享介だった。ただの異世界人で魔法が使えなければよく知りもしない全くの素人が一城を束ねるリーダーの前に立ち塞がったのだ。
「はっ突然何を言い出すのだ。俺の双竜からは逃れられんぞ!!」
掛け声とともに二対の双竜が襲いかかる。もの凄いスピードで一直線に享介へと向かってくる。とても避けれるもではない。しかし……
享介はその攻撃を避けた。
「な……なに……!?いや……偶然だ。これならっ!!」
しかし攻撃は当たらない。
「なっ……何故見切れる!?」
「お前の手の動きだ。双竜はお前の突き出した腕と同じ方向にしか行かない。しかもそこにはある程度のラグがある。先の読める攻撃をかわすくらい動作もないよなぁ!?ハルカは戦いに夢中で考えてる暇なんてなかっただろうけど後ろで見てたら丸見えだぜ?」
「くっ少し見破ったくらいで調子にのるなァ!!」
そういい、ホムラは思いっきり両手を交差させる。
「左右からの同時攻撃!俺の全力で……」
しかし享介はその攻撃が来るのを見越したかのように前へ踏み込んだ。
「来たな。大技が!!その瞬間が一番無防備になる!」
全力でホムラに向かって走り出した。しかしホムラには魔法力で体を覆っている。半端な攻撃は逆効果だ。
「享介!?何するつもりなの!?そのまま殴れば貴方が火だるまになるわよっ!!」
ハルカの忠告も一切無視してカバンを使い、思いっきり殴る。
「享介!!」
本来なら享介のカバンが炎に触れ燃え尽きるはずだが、カバンが燃えることはなかった。
「うおおおおぉっ!?」
カバンがホムラの顔にクリーンヒットした。
「な……何が……」
驚くハルカに享介はたった一つの答えを言う。
「炎を燃やし続けるには酸素が必要。顔まで覆ったら呼吸できねぇーよな!?」
「な、なるほどって……そんな無茶なこと……もし違うなにかの力が働いてたらどうするつもりだったのよ」
「そんなのこいつに挑む時点で無茶は百も承知だよ。んでこいつどうする?ほっとくわけにもいかないし」
享介は攻撃が上手くいき、緊張が解けていた。しかし
「まだだっ……!!」
ホムラが立ち上がり享介のカバンを掴む。するとカバンは跡形もなく燃え尽きた。
「あああっ!?まだ一ヶ月半しか使ってないカバンと教科書が灰になっちまったぁぁぁぁぁ一」
享介が少しズレたとこらに悲しんだがホムラは全く動じない。
「もうよいわ!!お前らほどの力のやつには俺の全力で攻撃しないといけないようだな……」
するとホムラの両手の双竜が合わさり、一つの巨大な竜へと変貌した。
「なぁハルカ……あれ、その剣で斬れるか?」
「あらやだ。無理に決まってるじゃないですか。もー」
もはや笑うことしかできないほどの圧倒的パワーが生み出される。
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