Traveる

Nowttel

1-2 この世界どんな世界?


「それで?貴方たちこれからどうするつもりなの?」

 ハルカと名乗る少女がそう尋ねてくる。実際問題、俺たちには行く宛もクソもない。突然異世界に放り捨てられたのだから仕方が無いのだが。

「すまん。全くもって手詰まりだ……とりあえずこの世界のことを詳しく教えてくれないか?」

 とりあえずこの世界の事情を知らなければならない。先程ハルカは呪法がなんとかと言っていた。それに異世界といえばよく魔物がいたりするものだが……それは流石にないか。

「そうね。そっちの世界と違うところはさっきもちょっと話題に出たけど魔素っていう元素があることかな?魔法の元になったり私が使ってたポーションの材料にしたりできるんだけど」
「魔法か……それって俺たちも使えるのか?」
「うーん。今のところ異世界人が魔法を使った事例はないわね……空気中の魔素を練るっていう感覚があまり発達してないらしいの」

 魔法ありきの異世界に来たっていうのに魔法が使えないというのはかなりのハンデだな。ハルカの使ったポーションの跳躍力や衝撃吸収力ほどの力が攻撃魔法として飛ばすことができるならばまずこの世界の人に喧嘩でも吹っかけられたら勝ち目はほぼ無いだろう。

「まぁ事例がないだけだからコツさえ掴めばもしかしたら使えるようになるかも知れないけどね。」

 あまりゲームやファンタジー小説などを読んだりした事が無さそうな穂乃香は理解に苦しんでるようだ

「魔法っていうのはどんなものがあるんですか?」
「んー。大きく分けて五種類だね。四大元素エレメンタルの火、水、風、土と特殊魔法があるの。人それぞれに魔法属性ってのが生まれつき与えられててね。与えられた属性以外はとてつもない修行をしないと使いこなせないって感じかな?」

 魔法属性というものは異世界人である俺たちにも与えられているのだろうか?んーよく分からない。

「そうなんですね。魔法といえばほうきで自由に空を飛んだりするイメージがあるんですけど現実はそんなに簡単じゃないんですね……」
「特殊魔法って属性ならそういう空を飛ぶ魔法もあるけどね。ま、かくいう私は土属性が使えるんだけど」

 そういうとハルカはまるで剣を握りしめるかのような仕草をする。すると周りの空気が茶色くなり集まっていく。そしてそれは1メートルほどの土でできた剣へと変化した。

「まぁ、私も魔法はそんなに得意じゃないけどこんなところかな?」

 その剣はまるで土でできたとは思えないほど繊細で綺麗なものだった。

「す、すげぇ……」
「こんなものが一般常識になってる世界よ。もし異世界人ってのがバレたとなればどこかの研究室で解剖されたり動物園で展示されたりはするでしょうね。」
「ひぃぃっ!?」

 ハルカはちょっと脅かしたくらいのつもりだったようだが穂乃香には予想以上に効いたらしい。

「いやいや冗談だって!そんな野蛮な人は多分いないし、動物園にいる異世界人はお互いの了承を得てるバイトのようはものだから!!」

 多分っておい……てか動物園の方は本当なのかよ。実際見られてるだけで金が入ってくるならそれは最高のニート生活だとは思うけど……

「それに貴方たちをそんな危険な目に合わせたりはしないわよ。ここであったのも何かの縁だし。しばらくは面倒見てあげるわよ」
「本当か!?」
「ただし、条件として私と友達になってもらってもいいかな?」
「そ、それだけでいいの?」
「ええ!だって異世界人と友達になれるってことでしょ?そんな体験滅多にできないし、今まで動物園でしか見たことなかった人と友達になれるなんて思ってもみなかったし!」

 それはなんか複雑な気持ちが……

「ありがとうございますハルカさん!」
「いいっていいって。あと、もう友達なんだからそんな硬い喋り方しなくてもいいよ。穂乃香」

 そう言われ、希望の花が咲くように穂乃香の顔がぱぁっと明るくなった。

「うん!ありがとうハルカちゃん!」
「ふふっそれじゃあとりあえず近くの街まで行きましょう。あそこなら喫茶店も雑貨屋さんも遊ぶとこだって沢山あるから暇しないだろうし。それに貴方たちの服も見る人から見れば割とこの世界に馴染めてないし買い換えないとね」

 なるほど。確かに俺たちは学校帰りの制服のままだ。このままでは人混みで確実に浮くだろう。俺たちはゆっくり話せる場所やこの世界に馴染めそうな服を売っていそうな所まで移動することにした。





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