かてきょらいふ
咲の料理
「すばるさん、朝ですよー起きてください」
いつきちゃんの誕生日の翌日、僕はいつきちゃんに揺らされて目覚めた。最高の目覚めである。
「すばるさん、大変です。咲さんが…」
「咲がどうかしたの?」
「咲さんが料理を作って来ました……」
よし、死んだふりだ。死んだふりをするんだ。僕が慌ててベッドの中に入るとドタバタと足音を立てて咲が部屋に入ってくる。僕は死体だ。反応するな…
僕は咲にリビングへと強制連行される。僕の横に座っているいつきちゃんはブルブル震えながら僕にしがみついて死んだ魚の目をしながら涙を流していた。
咲が僕といつきちゃんの前に料理を置く。カレーだ。珍しく見た目は普通だ。僕といつきちゃんのスプーンを持つ手が激しく震えてカレーを口に運ぶ。
「「美味しい?え?」」
咲のカレーを食べた僕といつきちゃんがそう呟くと咲がドヤ顔で言う。
「美味しいでしょう?一晩寝かせたら美味しくなったのよ」
その頃咲の横に立つはなちゃんからメールが届いた。どうやら咲は昨日自分のカレーを食べて気を失ったらしい。その隙にはなちゃんがカレーを作り咲のカレーと入れ替えて一晩寝かせたら美味しくなったと嘘で誤魔化したようだ。はなちゃん様、ありがとうございます!!
はなちゃんのおかげで命拾いをした僕といつきちゃんは心の中ではなちゃんに礼を言う。
「これからもっともっといろんな料理を作れるようになるから楽しみにしてて」
ああ、束の間の天国だった。一瞬にして天国から地獄に突き落とされた気分だった。
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