かてきょらいふ

りゅう

がいすたー














「じゃあこれでもやろうか…」

僕は押入れから箱を取り出していつきちゃんに渡す。

「がいすたー…ですか?」

「うん。2人用のボードゲームだよ。結構頭使うけどできそう?」

「やってみます」

ガイスターのルールブックを見ながらいつきちゃんが答える。ガイスターは頭、運、駆け引きの3要素がないと勝てないゲームだ。



ルール

それぞれ青い印のついたコマと赤い印のついたコマを4つずつ計8個持つ。 

ゲーム開始時に相手に見えないように8個のコマを自陣に好きなように設置する。

そこからは将棋のように交互にコマを奪いあっていく。

勝利条件

・相手の青い印のついたコマを全てとる。

・自分の赤い印のついたコマを全て相手に取られる。

・自分の青い印のついたコマ1つを相手の陣の端っこにある脱出口から逃す。

上記3つの中の1つを満たすことで勝利となる。


「なるほど、大体のルールは把握しましたやりましょう」

いつきちゃんやる気満々だ…いつきちゃんがこう言うこと言う時ってやばいような気が…かつていつきちゃんとした数々のゲームを思い出す。全部惨敗だったよな……

「すばるさん…強すぎです……」

あれ、完勝しちゃうったぞ…いや、これは勝てないとおかしいな、だっていつきちゃん綺麗にコマを並べてくれたからわかりやすかったんだもん。それに僕がコマを取ろうとするたびに表情が変わるからわかりやすいし…あっ、これなら勝てる…勝てるぞ…

「もう一回、もう一回やりましょう」

2戦目、再び僕が完勝していつきちゃんが涙目になりながら僕に再戦を挑んでくる。いつきちゃんにゲームでぼろ勝ちしたことないから調子に乗って3戦目を始めた。

「………負けた…」

いつきちゃんの赤い印のついたコマを全て取ってしまった僕が呟く。あっ、これやばいやつだ…

「すばるさん、もう一回やりましょう」

いつきちゃんが満面の笑みを浮かべて言う。

「いや、今日はもうこれくらいに…」

「まだ時間ありますよね?」

いつきちゃんの言葉に反論できなかった僕はその後いつきちゃんに負け続けた。
















「かてきょらいふ」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く