かてきょらいふ
好き…
「………すばる…好きだよ…昔からずっと好きだった…」
咲は僕にも聞こえないほど小さな声で何か呟いた。
「….…ヘクチッ」
「………すばる、起きてるの?」
咲が慌ててベッドから飛び出す。くしゃみをしたのは僕ではなくいつきちゃんだった。僕がどうしようか悩んでいるといつきちゃんはベッドから飛び出して咲の前に立つ。
「そんなところで何をやっているの小童…」
「咲さんこそ急にすばるさんのベッドに入ってきてどうしたんです?」
咲の問いにいつきちゃんは全く動じずに答える。そして問い返された咲は完全に動揺していた。そして慌てて僕の部屋から逃げ出した。
「ふう、なんとかなりましたね。すばるさん…」
「いつきちゃんが急にくしゃみをするからびっくりしたよ…寿命が縮むかと思った」
「ごめんなさい…」
「謝らなくていいよ。おかげでそこにある謎の料理を食べずに済みそうだし……」
僕は机の上に置かれた地獄の食べ物のような物資を指差しながら言う。謎の紫色のドロドロした液体と固体の真ん中のような物質、食べたら確実にお腹を壊すだろう…
「とりあえず夜ご飯を作って来ますね。すばるさんはゆっくりしててください」
「うん。ありがとう、悪いけどそうさせてもらうよ」
先程咲の前で寝ているふりをしてしまったのでしばらく自由に動けない僕は今日の夕飯をいつきちゃんに任せる以外選択肢はなかった。
この机の上に置かれた物質はもったいないが後で処分しよう……そういえばさっき咲は僕になんて言ってたんだろう……一応僕はまだ寝ていたことになっているのでこの謎の答えはわかりそうにない……
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