かてきょらいふ

りゅう

両手に花?













「咲、プリクラ撮ったことないから操作は任せた」

「無理…」

「え?」

咲の短い返事を聞き僕は驚きの声を上げる。無理って言われても操作方法がわからないから咲が操作してくれないと困るのだが…

「咲、頼むからやってくれ…」

「だから無理だって…私プリクラ一度もしたことないから…友達いないし…」

そういえば咲は昔から友達が少なかった。というかいなかった。親同士の仲が良かったから僕と咲は仲良く?なれたが咲は僕以外の同級生とは関わろうとしなかった。

「…………どうしようこれ…全員未経験者じゃん…」

「すばるの役立たず」

「どうしてそうなる?そもそも言い出しっぺのくせにやったことないって言うやつに言われたくないわ」

「………すばるのばか…」

何故僕が罵倒されなきゃいけないのか腑に落ちないが今はそれどころではない…なんとかしなければ…

「あっ、動きましたよ」

僕と咲が慌てている間に操作方法を調べ終えたいつきちゃんが操作しながら僕達に言う。さすがいつきちゃんだ。どこかのワガママお姫様よりずっとハイスペックだ。

ここまでは一応なんとかなったがこの後、再び問題が発生した。

「すばるさん、もっと引っ付いてください」

いつきちゃんがそう言いながら僕にぴたりとくっつく。やばいすごくかわいい。

「何ニヤニヤしてんのよ。このロリコン」

咲はそう言いながら僕の脇腹を殴ってくる。ちょ、痛いです。暴力反対!

「(私だってすばると引っ付きたいんだから…)」

咲は僕に聞こえないように小さな声で呟き顔を真っ赤にしながら僕にぴたりとくっついた。

「ちょ、咲?急にどうした?」

「うるさい、さっさと前向けばか…」

なんで罵倒されてるのかわからないまま僕はいつきちゃんと咲にくっつかれた状態でプリクラを撮った。2人ともかわいいから撮り終わった後に出てきたプリクラを見た人は両手に花じゃんと言いながらからかうかもしれないが実際片方は棘の鋭い薔薇だからな…

無事プリクラを終えた僕達は家に戻ることにした。なんかすごく疲れた…














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