かてきょらいふ
ピーマンは苦手なんです!
「そういえばいつきちゃんはもうご飯食べてきた?」
時刻は夕方、一般的な家庭ではそろそろ夕食の時間だろう。
「いえ、まだ食べてません…」
「そっか、じゃあ2人分作らないとね。作ってくるからしばらく待ってて」
「あっ、私もお手伝いします」
いつきちゃんはそう言いながら僕の後をすたすたとついてくる。
「うーん、あんまりいい材料がないな…いつきちゃんは苦手な食べ物とかある?」
「いえ…特に苦手な食べ物はありません」
「そっか、じゃあ、玉ねぎと人参とピーマンと…」
「え…」
僕が冷蔵庫からピーマンを取り出した瞬間いつきちゃんが嫌そうな顔をした。
「もしかしてピーマン苦手なの?」
「いえ、そういうわけでは…ただ好んで食べたくはないというだけです」
いつきちゃんが右手の人差し指と左手の人差し指をつんつんとぶつけ合い、僕から目線を外して言う。何これ、すごくかわいいんですけど…
「じゃあ、ピーマンはやめておくか…」
僕がそう呟くといつきちゃんは目をキラキラさせてすごく嬉しそうな顔をした。かわいい……
「いつきちゃん、人参切ってもらっていいかな?」
「わかりました」
いつきちゃんは僕から人参を受け取りみじん切りにする。いつきちゃんが人参を切ってる間に僕はもやしを水洗いしてキャベツと玉ねぎを切る。
「いつきちゃん、ありがとう。後は僕がやるから向こうで待ってて」
「わかりました。よろしくお願いします」
いつきちゃんが歩いていくのを見ながら僕は火をつける。温められたフライパンの上に先程用意した野菜等を入れていく。
「お待たせ、ごめんね。急だったから簡単なものしか作れなくて…」
僕はそう言いながらいつきちゃんの前に皿を置く。皿の上にある焼きそばから漂う匂いを嗅ぎいつきちゃんのお腹が鳴る。
「じゃあ食べようか。いただきます」
「いただきます……すごく美味しいです」
焼きそばを口に運んだいつきちゃんが次々と麺や野菜を口に運ぶ。
「ごちそうさまでした」
あっという間に焼きそばを食べ終わったいつきちゃんが箸を置いて手を合わせていう。
「かてきょらいふ」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
義妹との生活が始まりました
-
28
-
-
内気なメイドさんはヒミツだらけ
-
10
-
-
書道室で聞いてしまったことを僕は嘘だと信じていたいがどうやらそうでもないらしい。
-
12
-
-
メイドの鈴木さんは僕に恋をした
-
169
-
-
頼む!誰かこの不幸な俺を幸運にしてくれ!
-
18
-
-
片思い片手間ヒーロー
-
8
-
-
僕の日常生活は終わってる。
-
11
-
-
日向ちゃんは甘えたい!
-
86
-
-
間違いで始まる物語
-
21
-
-
君は僕の気持ちを知らない
-
107
-
-
僕のとなりは!?(僕とな!?)
-
7
-
-
リトルシスターズ!
-
36
-
-
勇者になれない英雄(ヒーローになれないヒーロー)~彼の名はまだ誰も知らない~
-
247
-
-
青春ゲーム!
-
33
-
-
しっかり者とのんびりしたやつの恋愛物語。
-
7
-
-
ツンデレ妹は今日も兄に甘える。
-
29
-
-
女嫌いと男嫌いの勘違い青春
-
239
-
-
影が薄いけど魔法使いやっています
-
9
-
-
片思い
-
22
-
-
正反対の僕と彼女~2人の関係の行方~
-
80
-
コメント