ツッコミ系ロリっ娘ちゃんは、魔王様。

NO.556

第四話 魔王様と執事さん。

 私のこと馬鹿にしてるくせに、仕事だけは出来るんだよなぁ。と、私が謀反をつぶした時のことを思い返していると、オリエンスからのお小言がまた始まった。


「魔王様があまりに起きるのが遅いのが悪いのではないですか。もう9時半ですよ」

「まだ9時半ではないか。わらわはもう一度寝るぞ」

 9時半とか早いじゃないか。普通11時くらいまでは寝ているだろう(かなり本気)。魔物の国といえど12進法はあるのだ。人間の国から取り入れたのだが。一日の時間を明確に表すものがあると便利にはなるが、小言を言われるときには面倒くさい。前は〝まだ太陽が頭上まで登っていないから〟とか言い訳できたのに。

「って、オイ!!オリエンス、貴様は何をしているのだ。わらわが昔のことを感慨深く振り返っている間に!!」
「何って着替えですよ、魔王様。ご公務の時間が迫っております。」

 気が付くと私は薄いインナー一枚にされていた。下はすぐ下着だ。私だって腐っても女子。男の前にそんな恰好でいたら恥ずかしいに決まっている。

「お前も男だろう!?そんな風におなごを剥いて、眺める趣味があるとは見損なったぞ!!」
「私わたくしが男なのは否定しませんが、これは一向に起きようとしない魔王様の着替えをしているだけです。

……それにコンナのに欲情するとか……」
「おい、上司のに向かってコンナとはなんなんだ!!」

 ぼそりとオリエンスが呟いた言葉を私の耳は正確にキャッチする。悲しきかな、確かに絶壁なのはわかってるけど……言い方っていうものがあるでしょう!!
 キャンキャンと仔犬のように喚いている私を横目に、オリエンスは淡々と私の着替えを始めた。


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