ツッコミ系ロリっ娘ちゃんは、魔王様。

NO.556

第三話 魔王とは。

魔王<まおう>
古代の神話や宗教に登場する存在のこと。


***
  私はかなり昔から〝魔王〟をしている。仕事は主に魔物たちを支配し、管理すること。それ以外には時折人間の国たちと戦争することもある。争い事は嫌いなんだけどね、大抵人間がちょっかい出してきて自衛のために戦っているだけだから。魔王になった理由は追々話そうかな。
 そんな風に私が脳内で一人で喋っていると、横からとても重低音でカッコいい声が。

「魔王様、戻ってきてください。大体寝起きが悪すぎですよ。今日だって間の抜けたような声をあげていらっしゃるし。」

 その声の主は、魔王の側近のオリエンス。さっき私を起こした漆黒のつやつやヘアーのイケメン君だ。最近は私の執事的な役割も果たしてくれている。私のことを常に見張っているためらしい。その理由にも一言モノ申したいけど、今はそれよりもさっきの発言について。
 うん、何だろうね。物凄く丁寧な口調でけなされた気がする。間の抜けたって……確かに寝起きが悪いのは認めるけど、一応私魔王なんだから!!上司なんだから!!反論してやるわ!

「しょうがないであろう。わらわとて起きたときに人が馬乗りしてきたら、驚いておかしな声も出るわ。」

 ん、何々一人称がおかしいって?そりゃね。魔王だから偉ぶんないといけないんですよ。いやぁ私の支配下にいる魔物たちの血気盛んなことといったら。魔王になったころになめられて何回謀反むほんを起こされそうになったことか。それ以来気をつけています。まあ、謀反は全部起こる前につぶしたんだけどね。主にオリエンスが。







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