【DEEP・BLOOD】

六道 屍

第20話

ローグライクの為に……

私は帰ってきた!!!



        合同探索



 「さて、稼働テストといくか。」

 隊長さんが構える。

 軽く半身になりつつ僅かに腰を落とす。右腕は腰辺りで身体に対して水平方向、左腕は拳が胸より少し上、身体に対して垂直方向に構えて待ちの姿勢だ。

 そして、何処か楽しそうにニヤリと笑う。


 ✯✯✯✯


 隊長さんの腕造りを終え、探索を開始した。話し合い取り敢えずは、学院本棟を再度調べる事にした。

 隊長さん達も学院内に誰も居ない事に違和感を感じていたそうだ。

 俺達と隊長さん達で調べた範囲は、ほぼ学院全域に及んでいた。そして、もしそれなりの人数を収容するなら、と意見を出し合った。結果、イズミさんが、そういえばこの学院には地下があります、と言い突撃する事になった。

 そして今、俺達は学院本棟の一階玄関口に居る。

 妹が本日2度目のカリチ○マガード。俺の服の裾をギュゥぅぅっと握ってプルプルしている。

 何とそこには“骨格標本”がいた。但し、全身が何と言うか燻銀な色合いだ。

(………色、渋いな。)

 妹が即座に撃沈し俺とイズミさんで防御。隊長さんが前に出た。

 「俺だけで十分だ。問題無いな?」

 まぁ、感じる気配から“人体模型”と変わらないからな。

 「後ろは俺がみる。腕を試してみてくれ。違和感があれは調整の必要がある。」

 一流で在れば在る程僅かな違和感が致命傷に繋がる。そこは妥協しない。

 「端からそのつもりだ。任してくれ。」

 そう言いながら構え、ニヤリと笑う。何だか楽しそうだ。此処に来るまでも右腕を試していた。

 グローブを穿き、ナイフ捌きを試し、意味無く壁を小突き、煙草をスパー、腕グルグル、と兎に角忙しなかった。

 待ちの姿勢で、来いよ、と挑発する。

 通じたのかカタカタと動き腕を突き出しながら突貫する。骨の癖に意外と速い。まぁ、スラゾン並。

 隊長さんは、突き出された腕を左腕で叩き落とし、右腕で顔面パンチ。

 鈍い爆散音と共に頭蓋骨が無くなる。そのまま身体も倒れて散った。動かない。どうやら死んだ様だ…………、骨だけど…。

 まさしく瞬殺だった。惚れ惚れする一撃だ、見習おう。

 「腕はどうだ?」

 「問題無し。違和感も無し。5割位出したが余裕だな。これなら全力も問題無さそうだ。」

 手をグーパーしながら言う。

 「スキンは脆いから割り切ってくれ。違和感が無いならそのまま使えば良い。頑丈さは保証する。」

 スキンは伸縮性と弾力性を優先の為、頑強性はどうしようもない。諦めて欲しい。

 「気にしねぇよ。全力出す度に腕が無くなるより遥かにマシだ。左と両足も頼みたいくらいだ。」

 確かに分かる。全力戦闘に回数制限付くとか面倒だからな。

 「出来なくは無いから考えておく。今は経過観察が必要だ。どんな弊害があるか分からんからな。」

 取り敢えず、やるなら骨格と表皮が良いだろうか? 両手足だけだとバランス崩れるしな。

 「おう、頼むわ。」

 探索を再開する。妹は涙目だ。手を繋いで歩く。


 ✯✯✯✯


 地下への入り口が見つからず散々探した。

 そして日が暮れる頃妹が気付いた。

 クイッと裾を引かれ妹を見る。妹は外を指差していた。指先を追うと昔は使われたっぽい焼却炉らしき物が立っていた。見た目はキュポラ※      だ。

 「隊長さん、イズミさん、あれ見てくれ。可能性あると思うか?」

 そう言って知らせる。有り得そうだ。鉄の扉、分厚い壁、煙突、偽装するならもってこいだ。

 「あるな。行ってみるか。」

 イズミさんも有り得るという。満場一致なので急いで向かう。

 然程時間を掛けず、焼却炉前に着く。早速扉を開けようとするが僅かに開くだけで開かなかった。鍵穴は無いので、恐らく中から閉じられている。

 「俺が調べてみる。」

 《残響エコー

 調べて見ると簡易な閂と鎖と南京錠で閉じられていた。どうするか…。

 取り敢えず伝えておく。2人共考え込む。

 妹に袖を引かれる。そして携帯画面を見せた。

 「私が閂と鎖と錠前を凍らせる。お兄が切る。それで開く。」

 俺は頷き、実行する。妹が凍らせてる間に説明しておく。

 「何で切るつもりだ? ナイフ意外にあるのか?」

 黑鎌を取り出す。そして妹と交代する。

 《高次演算虚構イデア

 そして縦に一閃。

 「どうだ?」

 扉の前から退き俺が収納する間に、イズミさんが扉ひらく。

 「見つけた。」

 そこには、引き上げるタイプの扉があった。





 ※キュポラとは…。
  旧世代の溶鉱炉です
             by.優

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