仮面ライダーに憧れて

ノベルバユーザー157740

今も自分は愚かな人間です

幼い頃はテレビで見る仮面ライダーが悪の怪人を倒すカッコイイ姿に憧れた。

けど成長とともに現実の世界に仮面ライダーはいなくて、自分はなれないんだと知っていった。

もし仮になれたとしても正義の味方側ではなく、登場してすぐ倒される存在。

ショッカーの中でも最初の方で倒される役ね...

成長とともに身につけたのは、その場しのぎのウソで誤魔化して強いものにはすぐ巻かれる小ズルい脇役。

30人のクラスの中で順位をつけるとしたら25番くらいってとこ。

だけど妄想と現実逃避だけは得意で、本当の俺はもっと出来るはず。

頑張るのは本当にやりたい事を見つけた時!

そんな言い訳してるだけのダメな奴。

それでも強いものへの憧れだけは消えなくて
けど何をしたらいいのかも見つけられず

中学に上がっても出来ることと言えばちょっと悪ぶってみる程度だけど、ヤンチャにもなり切れず隠れて1人でタバコを吸う真似事が限界だった。

ある日ふいに学校をサボって畑と田んぼに囲まれた自宅のある駅から1時間以上離れた、当時の俺には大都会に見えた市内に行ってみたんだ

でも高いビルや地元で見るヤンチャそうな人達のレベルも全てが違って見えすぎて普通に街中を歩くことすら出来なくて、近くにあった大きな公園の隅っこで隠れてタバコに火をつけるのがやっとだった。

しばらくボーッとこのまま何もせずに家に帰るか、どうしようかなんて考えていたら少し離れたところから声が聞こえはじめた。

だんだんと声の質が荒々しくなっていって、誰かが喧嘩してるんだって思った。

もし見つかったら巻き込まれるかもって怖かったけど、それでも気になってそーっと覗いてみると映画や雑誌で見るような不良の見本みたいな高校生らしい2人組に見た目は中1の俺と変わらないくらいの坊主頭の小柄な子が絡まれてた

ここで正義の味方ならカッコよく助けに行けたんだろうけど、俺にはそんな力も勇気もなく、ただただそれを見つからないように覗くだけだった

カツアゲ

初めて見たけどそういう事なんだろうなって

でも一方的にカツアゲされる姿とは違って坊主頭も口で負けてなくてひるむ様子がなかった

それでも体格差は大きくてあんなんじゃすぐに泣かされてしまうんだろうなって思ったら胸ぐらを掴まれた瞬間相手の1人はお腹を抱えて、まさに膝から崩れおち

もう1人も呆気に取られている中で膝に蹴りを食らってギャーギャー言いながら倒れた

見たことに理解が追いつかないと言えばいいのか本当ただただ驚いてた





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