英雄様の非日常《エクストラオーディナリー》 旧)異世界から帰ってきた英雄

大橋 祐

第22話 月巫女

(無事に入れたよー)

「えっと何が起きたんですか?」

 愛月は状況を全く把握できていなかった。

(私が貴女の中に入ったんだよ)

「?」

(憑依みたいなものと考えてね)

 それでもよくわからない。

(攻撃きてるよ?)

防御風ディフェンスウィンド

 再び龍の腕を弾く。
 痺れを切らした龍は空へと舞い上がった。

「帰ったの?」

(うんにゃ。まだだよ)

 空中で攻撃姿勢をとった龍。
 愛月が見たことのあるモーション。

「まずいよ! あれ!」

(あかってるよ。ホラ私の力を使ってさ)

月の守護ムーンガード

 まだ、明るい時間帯のはずだが赤い空に赤銅色の月が浮かび上がっていた。

 そしてドラゴンのブレスが放射された時、そのブレスは瞬く間に消えた。

「え、何がどうなって」

『GYAAAAA AAAA』

 咆哮が轟く。

(ちょっと良い?)

「何?」

(私の力じゃ、あの龍倒せないんだ。テヘッ☆)

「は?」 

 さらにブレスが放たれるが、瞬時に霧散してしまう。

(だからさーかなりやばいんだよ)

「なんで? このまま耐久し続けて、疲労しきったところで畳み掛けるんじゃないの?」

(私のこの守護の持続時間が残り、五分です)

「つまり」

(ジリ貧で死にます)

「どーしよ!? 私の魔法は龍の身体には刺さらないし」


 流石にこれだけブレスを放ってもなんともならない事に気がついた龍は、愛月に急降下してきた。

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標的確認照準固定ターゲット・ロックオン

「穿て!『一点集中超高火力破壊光線ピンポイントレーザー』」

 その細い光は、すべてを破壊する。

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 愛月の目の前を一瞬。
 一瞬だけ白い線が通りすぎた。
 その線が迫り来る龍に着弾し、龍は爆散した。

「な、何が起こったの!?」

(私の力じゃないよ!)

 驚いている愛月達に蒼月が頭をかきながら現れた。
 人間の姿で。

「お兄ちゃん!?」

 いち早くその姿を確認した愛月が叫ぶ。

「大丈夫だったか? 遅れて悪かった」

「大丈夫だったよ。ちょっと怖かったけど」

 それは嘘だ。この三日くらいの内に二回も死を覚悟したのだ。だが、そのことは言わない。

「それより」

 と、蒼月が愛月を凝視する。

「ど、ど、どうしたの?」

「愛月。なんでお前、

 神の力なんて使ってんだ?」


アツキ「いやー、サクラもそろそろ満開になりますね」 

作者「僕、ツイッターなるものを始めました。アカウントは@Ohashi_Yuu_azです。フォローお願いします。

アツキ「んじゃ、次回は異世界編のエピローグだ。よろしくな」

作者「フォローおなしゃっす」

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