異世界の領主も楽じゃない〜うちのメイドは毒舌だけど最強です〜
メイド時々悪魔
「はぁ、はぁ、はぁ、うぇ、死んじゃう、やばい、やばいやばい……」
体のありとあらゆる筋肉が悲鳴を上げている
呼吸をするたびに肺や心臓が握り潰されるような痛みが襲って来る
さかのぼること数時間前
「お二人にはゲームに備えて特訓をしていただきます」
「は、はい」
「おう」
「ハル様は魔力の基礎的な向上、シオンには体力の向上を」
こうして俺たちの特訓が始まった……
あのメイドから逃げたら今度こそ殺されそうで、嫌々ながらに屋敷の中を掃除しているけど、これが本当に体力向上に繋がるとは思えない……でも、逃げれない
「……いつまで続ければいいんだろ……」
一方、
「まず最初に魔法には属性と言われるものがあります」
「おぉー、なんかやっと異世界っぽい展開来たな」
「魔法には、火、水、風、土、白、黒、癒、の7種類あります」
「ちょっと待って、最初の4つは分かる、まぁ、3歩譲って白と黒も理解できるけど、癒って何?」
「癒は傷を癒す、簡単に言えば回復魔法です」
「おぉ、なるほど」
「生まれながらに私たちは必ず1つ得意な属性を持っています」
「じゃぁ、俺は?」
「ハル様は白魔法です」
「……1番分かりにくいの来たなぁ……」
「ものは試しです、特訓を始めましょうか」
「よし、どんと来い!」
「主人だからと言って手加減は致しませんよ」
リルが不敵な笑みを浮かべてこちらを見る
教えてもらう相手間違えたかも……
腹に力を込める、そして手を前に突き出し、込めた力を手に移動させるイメージをする
体の中で静かに揺れ動く炎のような魔力が腹に集まり、錬成した魔力が腹から突き出した手を何度も循環している
この特訓から何時間経ったんだろうか、ずっとこの姿勢でいるけど体は疲労も痛みも感じない、それどころかいつもより調子が良く感じる
「はい、そこまで」
リルが手を叩き、ハッとしたように集中が切れる
それと同時に体が重く、呼吸が荒くなる
全身に痛みが生じ、立つことさえ出来ない
どうにか膝を地に付ける形で持ちこたえている
「は、はぁ、はぁ、ぐっ、リ、ル、これは……」
心臓が握り潰される痛みで言葉が思うように発せない
肺が酸素を求めるたびにに苦しい
「やはり、まだまだですね」
「どう、いう……事……」
質問をする最中にあまりの痛みに気を失い気絶した
「……さま、ハル様、ハル様起きてください」
眼前に煌びやかで澄ました顔がこちらを覗き込んでいる
後頭部の柔らかい感触から膝枕されていると気付く
「ん、あれ、俺なんで寝てんだ?」
「魔力錬成の練習で魔力の負荷に耐える事が出来ず気絶しました」
「……面目ねぇな、俺」
「はい、面目もございませんね」
笑いながら、でもはっきりと否定された
長い金色の髪が揺れ動く度に柑橘系の甘い匂いがほのかにする、それが彼女の優しさを醸し出しているようだった
「ちょっとは擁護してくれよ」
「甘やかすのは得意では無いので」
「そうですね……よし、練習再開しようぜ」
「はい」
そうして1ヶ月はあっという間に過ぎていった……
体のありとあらゆる筋肉が悲鳴を上げている
呼吸をするたびに肺や心臓が握り潰されるような痛みが襲って来る
さかのぼること数時間前
「お二人にはゲームに備えて特訓をしていただきます」
「は、はい」
「おう」
「ハル様は魔力の基礎的な向上、シオンには体力の向上を」
こうして俺たちの特訓が始まった……
あのメイドから逃げたら今度こそ殺されそうで、嫌々ながらに屋敷の中を掃除しているけど、これが本当に体力向上に繋がるとは思えない……でも、逃げれない
「……いつまで続ければいいんだろ……」
一方、
「まず最初に魔法には属性と言われるものがあります」
「おぉー、なんかやっと異世界っぽい展開来たな」
「魔法には、火、水、風、土、白、黒、癒、の7種類あります」
「ちょっと待って、最初の4つは分かる、まぁ、3歩譲って白と黒も理解できるけど、癒って何?」
「癒は傷を癒す、簡単に言えば回復魔法です」
「おぉ、なるほど」
「生まれながらに私たちは必ず1つ得意な属性を持っています」
「じゃぁ、俺は?」
「ハル様は白魔法です」
「……1番分かりにくいの来たなぁ……」
「ものは試しです、特訓を始めましょうか」
「よし、どんと来い!」
「主人だからと言って手加減は致しませんよ」
リルが不敵な笑みを浮かべてこちらを見る
教えてもらう相手間違えたかも……
腹に力を込める、そして手を前に突き出し、込めた力を手に移動させるイメージをする
体の中で静かに揺れ動く炎のような魔力が腹に集まり、錬成した魔力が腹から突き出した手を何度も循環している
この特訓から何時間経ったんだろうか、ずっとこの姿勢でいるけど体は疲労も痛みも感じない、それどころかいつもより調子が良く感じる
「はい、そこまで」
リルが手を叩き、ハッとしたように集中が切れる
それと同時に体が重く、呼吸が荒くなる
全身に痛みが生じ、立つことさえ出来ない
どうにか膝を地に付ける形で持ちこたえている
「は、はぁ、はぁ、ぐっ、リ、ル、これは……」
心臓が握り潰される痛みで言葉が思うように発せない
肺が酸素を求めるたびにに苦しい
「やはり、まだまだですね」
「どう、いう……事……」
質問をする最中にあまりの痛みに気を失い気絶した
「……さま、ハル様、ハル様起きてください」
眼前に煌びやかで澄ました顔がこちらを覗き込んでいる
後頭部の柔らかい感触から膝枕されていると気付く
「ん、あれ、俺なんで寝てんだ?」
「魔力錬成の練習で魔力の負荷に耐える事が出来ず気絶しました」
「……面目ねぇな、俺」
「はい、面目もございませんね」
笑いながら、でもはっきりと否定された
長い金色の髪が揺れ動く度に柑橘系の甘い匂いがほのかにする、それが彼女の優しさを醸し出しているようだった
「ちょっとは擁護してくれよ」
「甘やかすのは得意では無いので」
「そうですね……よし、練習再開しようぜ」
「はい」
そうして1ヶ月はあっという間に過ぎていった……
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