異世界に転生したら人化できるカマキリでした!?

しそ昆布

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「あなたたち、ちゃんと倒しなさいよ。」

そうシノが言うとハースは

「え?僕たちだけで倒すんですか?」

「当たり前じゃない。私はそう言ったはずよ?」

「でも、手伝ってくれるんですよね?」

「事情がかわったじゃない。まさかあなたはこんな可愛い子を背負って地竜を倒せって言うの?」

「そうですけど…。でも、ピンチになったら助けてくれますよね?」

「まぁ、死にそうになったら助けるわ」

(なんか話してるなぁ。ん?地竜?ドラゴンを倒しに行くのか!?僕もついて行くんだよな?)

「僕も行くの…?」
(あ、僕って言っちゃった。変に思われてないかな?)

「(僕…?まぁいいかしら。)
ええ、そうよ。安心しなさい。あなたは私が守るから。」

「ん…わかった…。
(うわー、一瞬戸惑ったよーこれやっちまったやつだよー。もうボクっ娘でいこう。ノリで生きて行こう。)」

「僕も…倒すの…する…。
(経験値とかもらえそうだし、ドラゴンってことはスキル持ってそうだし?何よりシノさんにいいところ見せれるかも!)」

「え?倒すのって地竜よ?竜よ?あなたにはまだ早いと思うわ。だから私と二人で見てましょ?」

シノはそう言い、ファントムの手を取り手を繋ぎながら歩きました。

(て、て!手を繋いでる!!可愛い女の子ってそれだけで警戒されないんだな。女の子になって正解だったな。
ここはシノさんを惚れさせるためにがんばるぞ!)

ファントムは、シノのなにげない行動でやる気に満ち溢れてしまいました。そして、

「倒す…。
(絶対に僕が倒してシノさんにいいところみせる!)」

しかし、自分が手を繋いだことでファントムをやる気にさせたとは知らないシノは呆れた顔で、

「仕方ないわね…できる範囲で頑張りなさい。」

尻拭いは頑張るか。と決意しているシノをよそにファントムは、

「ん!
(やったー!許可もらった!僕とシノさんを危険に合わせない程度で頑張るか。)」

と、ファントムは思いましたが、

(別にあの男たちはいらないかな…
特にあのハースって人、イケメンだし嫌い。)

などというように、男には何も思っていませんでした。
きっとファントムは、彼らが負けて殺されたとしても何も思わないんでしょうね。
やはり、魔物化したことと真央だったころの感情的な記憶がないことが関係しているのでしょうね。

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