異世界は神様とともに
第一章 006 「魔力と決意」
「では、始めるとするか」
ホープを再び“無”へと連れてきたカルトはホープにそう告げた。
相変わらず何もない所だが、ホープにとってなぜか居心地のよいところであった。
「始めるっつっても、何するんだ?」
“無”に連れてこられてから説明をされてないため、何をするのかがわからないホープは始めようにも始められない。
「まずは儂の手を握って魔力を放出してくれ。お前の魔力量が知りたい」
「魔力って。俺、魔法使えんのか?」
「使えるかどうかはお前次第だ。それに、魔力量と魔法が使えるかどうかは別問題だ」
「魔力を放出って。そんなやり方知らねぇよ?」
ここに来てから、魔法というものと関わったのはバックパックと蛇車だけのホープは、自分の中に魔力が存在するのかどうかすらわからなかった。
「簡単だ。想像するんだよ。不知火を呼び出したときと同じだ」
「わっかんねぇ。とりあえず、手を握ればいいのか?」
ホープはカルトの方に近づき、手をとった。カルトの見た目は20代後半くらいだったが、手だけは農家のおじさんのようにしわくちゃだった。
「目を閉じて神経を手に集中させるのだ」
言われたとおりに目を閉じ、手に集中する――
自分の中で何かが動くのが感じる。
血液のように体を循環している。
これが魔力なのか?
その何かを手に集中させる。
何かが身体から溢れ出していく
あぁ、これが、魔力だ…………
――ホープは周りが異様に騒がしくなったのを感じた。
「絶対に儂が良いと言うまで目を開けるなよ!」
カルトがそう叫んだ。何があったのだろう。慌てている様子のカルトにホープは不安になる
「よし、いいぞ」
少したって、カルトから目を開ける許可が降りた。
ホープは目を開けた。先程と同じようにカルトはホープの手を握っていた。
「どうだったんだ?俺の魔力は」
「朗報と悲報、どちらから聞きたい?」
カルトは苦笑いしながらホープに問いかける。その問いかけにホープは動揺するが、即答であった。
「朗報で」
「じゃあ、朗報からいくぞ。お前の魔力量は異常だ。莫大な魔力を持っている。多分、儂よりあるだろう」
「すげぇ!俺の魔力、そんなに多いのか。で、悲報は?」
「お前は魔力を制御できない。それ故に、お前は魔法がほとんど使えない」
……ホープはカルトが言っている言葉の意味を理解できなかった。
「莫大な魔力は持っているが、使えない?どういう事だ?どうして?」
「この世界の人達は皆、魔力が無い状態で産まれてくる。成長する事で魔力を手にすることで、簡単な魔法から少しずつ使えるようにして、魔法に対する耐性をつけているのだよ」
「魔法が無い状態からいきなり莫大な魔力を手にした俺は、魔力への耐性がないから、使いこなせないか」
カルトが話を終える前に話を理解したホープは自分の口で最後の結論を言った。
「だ、だが、1つだけお前にピッタリの魔法がある!」
がっかりするホープにカルトが慌てて声をかけた。そして自分の懐から1冊の本を出した。
「結界魔法の1つに、まだ名前の知られていない魔法がある。光の壁を操る魔法だ。自由自在に変形する」
「その魔法は俺にも使えるのか?」
少しの希望が見えたホープは恐る恐る聞いた。
「この魔法は膨大な魔力を消費するんだ。だから魔法への耐性なんてなくても魔力を垂れ流すだけで使える。この魔法の名前さえわかれば、お前は使いこなせるだろう」
「名前を見つける?どうやって?」
「武器と同じく、お前が聞くのだよ。この本を渡しておこう。読めないだろうが、その本に魔法が封印されている」
カルトは、ホープならすぐにこの魔法を使いこなせるだろうと信じていた。根拠なんて何もないが、彼の目を見るだけでそんな気がしたのだ。
「わかった。ありがとう」
その本をもらい、ページをペラペラとめくってみる。だが、本は白紙であった。
魔法の名前か。それがわかるまで、不知火と一緒に頑張るしかない。
この世界を救い出すにはこの魔法も必要だが、ミーニスやミルバ、タルボを守るのだから、時間をかけていられない。
ホープは自分の頬を強く叩き、深呼吸をして、決意を固めた。
「カルト。俺に、剣術を教えてくれ」
ホープを再び“無”へと連れてきたカルトはホープにそう告げた。
相変わらず何もない所だが、ホープにとってなぜか居心地のよいところであった。
「始めるっつっても、何するんだ?」
“無”に連れてこられてから説明をされてないため、何をするのかがわからないホープは始めようにも始められない。
「まずは儂の手を握って魔力を放出してくれ。お前の魔力量が知りたい」
「魔力って。俺、魔法使えんのか?」
「使えるかどうかはお前次第だ。それに、魔力量と魔法が使えるかどうかは別問題だ」
「魔力を放出って。そんなやり方知らねぇよ?」
ここに来てから、魔法というものと関わったのはバックパックと蛇車だけのホープは、自分の中に魔力が存在するのかどうかすらわからなかった。
「簡単だ。想像するんだよ。不知火を呼び出したときと同じだ」
「わっかんねぇ。とりあえず、手を握ればいいのか?」
ホープはカルトの方に近づき、手をとった。カルトの見た目は20代後半くらいだったが、手だけは農家のおじさんのようにしわくちゃだった。
「目を閉じて神経を手に集中させるのだ」
言われたとおりに目を閉じ、手に集中する――
自分の中で何かが動くのが感じる。
血液のように体を循環している。
これが魔力なのか?
その何かを手に集中させる。
何かが身体から溢れ出していく
あぁ、これが、魔力だ…………
――ホープは周りが異様に騒がしくなったのを感じた。
「絶対に儂が良いと言うまで目を開けるなよ!」
カルトがそう叫んだ。何があったのだろう。慌てている様子のカルトにホープは不安になる
「よし、いいぞ」
少したって、カルトから目を開ける許可が降りた。
ホープは目を開けた。先程と同じようにカルトはホープの手を握っていた。
「どうだったんだ?俺の魔力は」
「朗報と悲報、どちらから聞きたい?」
カルトは苦笑いしながらホープに問いかける。その問いかけにホープは動揺するが、即答であった。
「朗報で」
「じゃあ、朗報からいくぞ。お前の魔力量は異常だ。莫大な魔力を持っている。多分、儂よりあるだろう」
「すげぇ!俺の魔力、そんなに多いのか。で、悲報は?」
「お前は魔力を制御できない。それ故に、お前は魔法がほとんど使えない」
……ホープはカルトが言っている言葉の意味を理解できなかった。
「莫大な魔力は持っているが、使えない?どういう事だ?どうして?」
「この世界の人達は皆、魔力が無い状態で産まれてくる。成長する事で魔力を手にすることで、簡単な魔法から少しずつ使えるようにして、魔法に対する耐性をつけているのだよ」
「魔法が無い状態からいきなり莫大な魔力を手にした俺は、魔力への耐性がないから、使いこなせないか」
カルトが話を終える前に話を理解したホープは自分の口で最後の結論を言った。
「だ、だが、1つだけお前にピッタリの魔法がある!」
がっかりするホープにカルトが慌てて声をかけた。そして自分の懐から1冊の本を出した。
「結界魔法の1つに、まだ名前の知られていない魔法がある。光の壁を操る魔法だ。自由自在に変形する」
「その魔法は俺にも使えるのか?」
少しの希望が見えたホープは恐る恐る聞いた。
「この魔法は膨大な魔力を消費するんだ。だから魔法への耐性なんてなくても魔力を垂れ流すだけで使える。この魔法の名前さえわかれば、お前は使いこなせるだろう」
「名前を見つける?どうやって?」
「武器と同じく、お前が聞くのだよ。この本を渡しておこう。読めないだろうが、その本に魔法が封印されている」
カルトは、ホープならすぐにこの魔法を使いこなせるだろうと信じていた。根拠なんて何もないが、彼の目を見るだけでそんな気がしたのだ。
「わかった。ありがとう」
その本をもらい、ページをペラペラとめくってみる。だが、本は白紙であった。
魔法の名前か。それがわかるまで、不知火と一緒に頑張るしかない。
この世界を救い出すにはこの魔法も必要だが、ミーニスやミルバ、タルボを守るのだから、時間をかけていられない。
ホープは自分の頬を強く叩き、深呼吸をして、決意を固めた。
「カルト。俺に、剣術を教えてくれ」
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