異世界は神様とともに

うん小太郎

第一章 004 「冒険」

「ミーニス!今日から俺も仕事だぞ!冒険だ!」

 とてつもなく騒がしい声でミーニスは目を覚ます。ホープが今日から冒険者として働くので、テンションMAXでミーニスを起こしに来たのだ。

「おはよー、ホープ。今日は初仕事だね」

「おう!頑張って働くぞ!ところで、冒険者っつっても、何やるんだ?」

「やることは特に決まってないよ。無の神がバラまいている魔獣を倒したり、無の神の使者や信者を倒したり。闘うのはメインだけど、まえみたいにギルドとか、依頼を受けてるわけじゃないの」

 無の神がやったわけじゃないのに、信者までいるのか。怖いな。
それもと、悪の神の使者の手下なのか?
 ホープは疑問を解決するには、冒険者として情報を入手して、使者を倒すしかないと考えた。

「そっか。なら、がんばってそいつら倒そうな!」
 
 出発の準備をしていると、ミルバが慌てふためいてミーニスとホープのところへ走ってきた。

「大変よ!今日は冒険している場合ではないわ」

「ど、どうしたの?ミルバ?」

 ビックリしたようにミーニスは聞き返した

「タルボを連れて、城へ帰ることになったわ」

 ホープは一体なんの話だか全くもって検討がつかなかったが、ミーニスはとても驚いている様子だった。

「てことは、お城まで護衛しなくちゃならないじゃない。まだ、期間過ぎてないのに、どうして?」

「お城の近くで、無神の信者による襲撃を受けた人がいるの」

「それって、お城が危ないじゃない!早く行かないと……」

「あ、あの……お城とか、タルボとかって?」

 全く話についていけていないホープが話を進めていく二人に声をかけた

「あ、ごめんね。私達、向こうのお城に住んでたんだけど、弟のタルボがここで商売をしてるから、私達もここに来ているの。タルボは昔から体が弱いのに、魔獣を呼び寄せちゃう体質でね。護衛をしなきゃいけないの」

「そうだったんか。お城に住んでいるのも弟がいるのも意外だな。じゃあ、俺の初仕事はタルボの護衛だな」

 ホープは初仕事ができないと聞いてがっかりしたが、ミーニスの弟の護衛ときいて、さらにわくわくしている様子であった。

「ごめんね、こっちの事に巻き込んじゃって」

 ミーニスは、申し訳なさそうに深々と頭を下げる。
なんていい人なのだとホープは感激しつつ、少し笑ってミーニスに言った。
 
「謝る必要なんてないよ。倒れてるとこを助けてくれたし、これからも面倒見てくれるんだから。それに、これは俺のやりたいことでもあるんだよ」

「ホープのやりたい事?」

「そ。俺のやりたい事」

 ホープはどこか寂しげで、遠くに目を向けている。そんなホープをミーニスは見つめていた。
 この人は今まで何をしていたのだろうか。ミーニスがそんな風に考えていると、ミルバが二人に声をかけた。

「二人とも、時間がないわ。準備を済ませて出発しましょう」

「おう!緊急事態なのに、悪かったな」

 そう言ってホープはバックパックと不知火をもって出かける用意をした。
もしかしたら、この仕事は初めてにしては難しいかもしれない。
気を入れなければ。

   



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コメント

  • 福士蒼汰

    面白いですね♥

    1
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