異世界は神様とともに

うん小太郎

第一章 002 「武器」

 ――目が覚めると、そこはさっきまでミルバたちと話をしていた部屋だった。
あたりを見渡しても誰もいない。きっと一人だ。

(真実を知った気持ちはどうだ?この世界は気に入ったか?)

 突然、誰かの声がした。部屋には誰もいない。
なら、一体どこから?
首元を見ると、銀のコインを吊り下げたネックレスが光っていた。

(探しても無駄だ。テレパシーだ。心に直接話しかけてると言ったほうがわかりやすいか。お前はお前が話したい事を頭で想像すればこちらに声が届く)

(言ってる意味がわからんのだが。思えば伝わるんだな?)

(そういうことだ。まずは、誤っておこう。騙すつもりはなかった)

(今更何を言ってんだ。てか、あの時の喋り方もわざとかよ。)

(普通はあんな喋り方するやつはいないだろう)

(今はそんな話どうでもいいな。さっきの話は本当なのか?お前がこの世界を闇に沈めたのか?)

(正確には違う。儂は4人の神を封印しただけだ。闇に沈めたのは悪の神の使者だ。あいつはその濡れ衣を儂に着せてのうのうと暮らしてやがるぞ)

(あー、頭がごちゃごちゃだ。まず、何で4人の神をふ封印した?)

(悪の神の使者が神殺しをしようとしたから、守るために封印して一度姿形を無くさせたのだ。そしたらこのザマだ)

(悪の使者ってなにものだ?目的は?)

(知らん。力が欲しいだけだろう)

(んー、納得いかないが大体は理解した)

(このことは、誰にも言わないでくれ。誰かに言ったら、それを聞きつけてまた命を狙われかねん)

(わかったよ。てか、お前が神の使者じゃなくて、神本人とか驚いたぞ)

(すまんの、なんとなく嘘をついただけだよ、それから、これは儂からのプレゼントだ)

 カルトがそう言うと目の前にリュックサックが出現した。
なんだこれ?と聞こうとしたが、もうネックレスの光は消えていた。

「起きてたんだ!」

 急に声がしたのでビックリして扉の方を見ると、ミーニスが立っていた。

「あ、バックパックあるじゃん。どこにあったの?」

「これが、バックパックか。なんか、目が覚めたら置いてあったんだけど」

「不思議なこともあるもんだね」

 ミーニスはにっこり笑ってこちらを見ている。

「俺の事、怖くないのか?カルトの加護を持ってるんだぞ?」

「大丈夫だよ。だってホープ、悪そうな人に見えないもん」

 ミーニスは本当に優しい人なんだな。
ミーニスにみとれていると、扉からミルバが入って来た。

「少年。起きていたのか。記憶喪失なら何もできないだろう。どうだ、記憶が戻るまで面倒を見てやるぞ」

「え?いいんですか?」

「全然平気だよ!困った時はお互い様でしょ」

 ミーニスもオーケーをくれたので、しばらくお邪魔することになった。
 色々話をしてもらって。異世界での一日目が終了した。





 朝になってホープは目を覚ます
ふと、バックパックがきになって手を入れてみた。
 中には本が3冊、お金のようなもの、チケット、変な石が入っていた。

「おはようホープ。よく眠れた?」

 ミーニスが部屋に入って来た

「バッチリだよ」

「今日は忙しいからね。やることいっぱいあるよ」

「やることって?」

「役所に行って手続きしたりするんだよ」

 役所?この世界にも役所があるのだな。そういえばまだ、異世界らしい事はあんましてないな




 役所についたホープはあたりを見渡して興奮していた。

「あれってエルフだよな!?すげー!変なワニもいる!」

「役所では静かにしてくれ、少年。こっちが恥ずかしい」

ミルバははしゃぐホープを止めて、うけつけに向かわせた。

「すみません。この子の登録をしたいのですが。」

「かしこまりました。この紙にお名前など、詳細をご記入ください」

 渡された紙に必要事項を書き込む。
名前 ニトリ ホープ
性別 ♂
などと書いていった、

「なりたい職業ってあるけど何があるんだ?」

 職業という欄があったのでホープはミーニスたちに聞く

「えっと、商人、冒険者、事務とか、色々だよ。私とミルバは冒険者だよ」

「んじゃ冒険者になるわ」

 冒険者の意味はよくわからなかったが、異世界といったら冒険者だろうと思ったホープは冒険者と記入した。

「よし、登録完了。次は何すんだ?」

「冒険者だから、武器を作りに行かなくちゃ」

 言われるがままに、武器やと書かれたみせにはいるホープ。
ちなみに、不思議なことにこの世界は全て日本語だった。

「いらっしゃい。おう、お嬢ちゃん。修理かい?」

 中に入ると、ムキムキのお兄さんがいた。この店を営んでいる人らしい

「今日はこの子の武器を作りに来たのよ」

 ミーニスはムキムキ兄さん、略してムキ兄にホープを紹介した。

「武器ってどうやって作るんだ?」

「武器ってのはよ、お前が選ぶんだ。あの暗闇の中に入って、自分と心が合うとっておきの相棒を見極めるんだよ。だから、作ってやるのは素材だけだ」

「石を素材に使うんだけど、持ってる?」

 ホープはバックパックに入っていた変な石を取り出してみた

「これ、ですか?」

「それは、無の素材だな。どこで手に入れた?滅茶苦茶入手困難で高級品だぜ。無の神の核とも呼ばれてるぞ」

 この石、そんなにすごいのか。とホープは関心した。
ムキ兄は暗闇に石を放り込んだ。

「中に入ったら、集中しろよ。武器に呑まれないように、しっかり見極めろ」

「わかりました。やってみます」

 ホープは暗闇にはいった。
 暗いけど何かがある。大量の目がこっちを見ているようだった。

(お前は何を求める。誰のために、何のために武器を使う?名誉、富、力。お前は何のためにこの俺様を)

 武器が話しかけて来たように感じた。

(俺は、人を助けたい。誰も辛い思いはさせない。ミーニスもミルバも。皆を守るために武器を使う)

(男と見込んだ。お前に俺様を使う権利をやろう……)

「ただいま」

 暗闇からホープが出てきた。ミーニスとミルバが心配そうにこちらを見ている。

「武器、手に入りましたよ」

 そう言うと、ホープは手に持っている“武器”をみんなに見せた。

「なに、それ……」

「まともな武器の形をしていない、だと!?」

 ホープが持っていたのは赤い。赤黒いボールのような球体であった

「どうやって、使うの?」

 ミーニスが恐る恐るホープに聞いてみた
それに答えたのはホープではなく、ムキ兄だった。

「こいつぁ多分、サーダル武器だ。意思を持っている武器だ」
 
「この武器の名前は不知火。サーダル武器です。浮遊しているボールに見えますが、変形するんですよ」

 ホープが不知火に手をかざす。
すると、不知火と同じ色の炎が宿り武器が光り始めた。
 光は変形してホープの掌に握られた。刀の形となって。

「不知火の能力は権利者の思う通りの形に変形することです」

 ミーニスは確信した。

“この男なら、この世界を変えられる”

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