復讐の命 リキ
2/執行/
「じゃあ、依頼…まず一つ、今から渡すのは、そこに写っている淫らな男の暗殺という依頼…もう一つは本当に大層なお仕事…」
恐らく街の外に出て猛獣討伐とかだろ、それぐらいなら俺にとっては朝飯前…本当にその言葉通りだな…。
「猛獣の抹殺…」
ほらな、たかがそれぐらいだ、まだ楽な依頼だな。
「なんだけど、これ…見て…」
言われるがまま、ラゼリーのお胸ポッケから、一枚の依頼紙が取り出される。決してお胸を見ていた訳ではない、ラゼリーの手を見ていたんだ。
「…まじか?」
コクッとラゼリーは身体を緊張したように震わせている。なぜなら猛獣も猛獣、この街に知らない者なんている筈がない、まして見違える訳でもない、この街の最高位にして裏では極悪非道の王だ。
「こいつは俺一人でやれねえな…一つ目は今日やるとして、二つ目は少し考えさせろ」
了と言い、前金として2000col受け取った。非常にお安い…
「じゃあ、今日の夜型依頼の報告と返事を待ってる。11まで…来なければ一つ目の依頼は失敗として二個目は取り消し…」
「これは、俺の思い違いかもしれないが、一つ目の依頼、そう楽じゃない気がするぞ」
ラゼリーはそれに気付いたことに少し興味を示した。
「正解、その者の周りには従者が必ず二人いる…だから後手に回って奇襲をかけるのは無理」
危ねえな!そんな情報が無かったら今頃突撃してたぞマジで…
「出来ればそのような情報は早くに伝えてほしいものだな…」
そのようなことを皮肉げに言うと、ラゼリーは不思議な顔を浮かべた。
「なぜ?聞かれていないことは普通言わない」
ダメだ、こいつは人の善意というものを知らない、果たしてこれでどうやって依頼を持ってこれるのだろうか…?
「仕方が無い、少し思考してから行く、じゃあ、晩に会おう」
なぜかもう行くの?っという目で見られたがもうこの際無視した。
(…最悪のストーリーになるなよ…)
それはリキにとって何よりもの願いだった。
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