雨の日の出会いの大正

ひよぴ

緊張

パチャッパチャッ、、、
「最悪だ雨に降られるなんてどっか雨宿りできる場所」


喫茶店のカランッというドアの音が目の前から聞こえてきた。
「…あそこでいいや!」

カランッ
「すみません。ビショビショで1人なんですけ…ど…」

「はい。大丈夫ですよ。お一人様ですね。」
奏多は停止をしてしまった。
そんな奏多の目の前には、牡丹の花柄の袴姿でそれに負けないくらいの綺麗な栗色の髪色、一つにまとめた髪
整った顔にうっすら化粧をしており口にはほんのり赤い紅色をつけていた女性がいた。

「あの…大丈夫ですか?」奏多はその清らかな声にハッと意識が戻った。
「あっすっすみません。」彼女はにっこり微笑み席へと案内してくれた、奏多の前を歩く女性からはほんのりとコーヒーの匂いと女性らしい匂いがした。それに奏多はおもわずドキッとしてしまった。


奏多は落ち着き店内を一周見回した。
店内はさほど広くなく落ち着いた空間。居心地がいい所だ。奏多はコーヒーを頼んだ。

しばらくするとコーヒーがきた。
運んできた彼女はさっきと同じ人だ。
ドキドキしながら構えていた、細くて手入れがされている手だった。さらにドキドキした。話しかけようと思ったがいきなり話しかけたら変なやつと思われるから奏多は話しかけるのをやめた。


そろそろ喫茶店を出る事にした。
「おっ美味しかったです。まっまた来ます、、」
緊張して言うと、クスッと笑い「ありがとうございます。また是非。」
奏多はこれまでにない喜びを感じた。彼女がドアを開けてくれようとした時、自分の靴につまずいた。
奏多は彼女を受け止めた、彼女が顔を上げると思っていたより顔が近くて奏多はまた停止してしまった。
綺麗な顔がより近くにあると緊張してしまった。奏多は我にかえり彼女から離れた。
「すみません!ありがとうございます」彼女も少し頬を染めていた。
その顔を見たら心臓がこれまでにないほど高鳴りだした。
すぐさまその喫茶店出た。雨は小降りになっていた。奏多は猛ダッシュで家へと帰った。
「あっ名前…聞くの忘れたぁぁぁ!」奏多の声はその町に響いた。

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品