世界がゲーム仕様になりました

矢崎未峻

決めた

 フラグ立てたつもりじゃなかったんですけど!?
 仮にフラグを立ててたとしても回収までが早すぎるだろ!俺まだ白亜の登場から一言も発してないよ?

「えーっと、ごめん。状況の説明お願いしてもいいかな?」

「このおれが君たち3人を解放するように言ったのだ。安心しろ、この男がパーティを抜けると宣言した。じき無事に解放される」

「は?解放?何言ってるの?意味がわからな・・・結衣?」

 え、何?なんで途中で話やめたの?なんで白亜の名前呼んだの?

「ごめん、加耶ちゃん。ちょっと黙っててくれないかな?」

「・・・は、はい」

「ありがとう。四谷君も黙っててね?」

「お、おうともさ」

 雅人!?今の雰囲気でその返事して大丈夫!?
 あ、良かった生きてる。

「黒鉄君」

「ん?」

「パーティ抜けるって言ったの?」

「言ったな」

 表には出すな。表面上はあくまで冷静にだ!心の中は荒れ模様だがな!!
 怒られるぞ、これは間違いなく怒られる。
 よし、よし。心の準備はできた。さあこい!
 ちなみに俺が「言ったな」と言ってからここまで0.5秒だ。

「ふ、フハハハハ!この通り!この男はパーティを抜けると宣言した!君たちはかいほ「うるさい!黙って!」

 ・・・決めた。もう、白亜を本気で怒らすのはやめよう。
 今日これからの出来事を刻み込んで、誓いにしよう。

「どうしてパーティ抜けるなんて言ったの?」

「そこの人、俺の話聞かないし面倒になったから。パーティ抜ければそれで解決かなって」

「本気で抜ける気だったの?それともこの場限りの嘘?」

 これは、嘘って言った方が安全だけど嘘だってバレた時が怖い。どうする?
 ・・・考えた結果、素直に言うことにした。

「本気だった。その場限りの嘘だと同じように言ってくるやつが絶対また来るから、本気で抜けて根本的なとこを解決しようとした」

「ダメ。どこにもいかないで」

「そう言われてもな。自分で蒔いた種なんだから自分でどうにかしないと迷惑かけるだけだろ?」

「そんなの知らない」

 おい、なんだそりゃ。
 本気で困ったな。これじゃ俺は身動き取れないじゃないか。

「どうすりゃいいんだか・・・」

「パーティ抜けなきゃ良いんだよ」

「だから、それじゃ迷惑かけるだろ」

「そんなの知らない」

「またそれか」

 何言っても同じやり取りが繰り返されるだけだなこりゃ。
 となれば、説得すべきはこっちじゃなくてあっちか。

「なあ、あんた。この状況みてもまだ俺が脅してるように見えるか?」

「事前に打ち合わせておけば同じ状況になるだろうからな。信用なんてするか」

 ダメかー。あー、なんか良い方法ないかな?
 俺がパーティ抜ければ一番手っ取り早いんだけどなー。・・・あ、そうか。
 うん、これなら多分いける。

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