突然不死身という最強の能力に目覚めちゃいました
生徒会長と洗脳
玲と凛が一通りの作品を見終わり元いた部屋へと戻ってくるとそこには、しばらく前に部室から出ていった乃明と沙月の姿があった。
「あ!玲くん倉庫の中見て来たんだ、どうだった私達の作品」
玲が自分達の作品を見て来たと分かるなり乃明が感想を求めて来た。
「いろいろな表現の仕方の作品があって面白かったですよ」
玲はそれに対し思ったことをそのまま伝えると、乃明の表情が一気に明るくなった。
「本当、やったあの神谷玲に褒められるなんて私もう一生分の運ちゃん使い果たしちゃったかもしんない」
乃明は冗談交じりに満面の笑みでグネグネと体を左右に揺すっている。一方、乃明の隣ではモジモジと何か言いたそうに沙月がさっきからずっと突っ立ている。
玲は彼女に声をかけようと心見るが、さっきまで自分のことを毛嫌いしていたこともあってなかなか声をかけづらい。
「神谷様、さっきは良く知りもしないで失礼なこと言って本当にすみませんでした」
玲がグダグダと考えているうちに覚悟が決まったようで沙月の方から玲に声をかけて来た。
それを聞いて玲も一安心する。乃明が失敗していたらどうしようかと考えていたが、そんなことはなくどうやら沙月の玲に対する印象は良い方向へと変わったみたいだ。
「そんな、頭を上げてください確かに俺が問題を起こしたことは事実ですし先輩が謝る事なんてないですから」
「めっそうもない、全て私が悪いんです何もなしに許されてもこの罪悪感が残ってしまいます。どうか私に罰を・・・」
!?何言ってんのこの人?やっぱさっきの「神谷様」っていうの聞き間違えじゃなかったんだ。さっきまでこんなんじゃないまともな人間だったのに何でいきなりこうも変人になっちゃうんかな。いったいあの人はこの短期間に何をしたんだ。
玲は咄嗟にこの変革の原因であるだろう人物に視線を向けた。
確かに彼女は部屋を出るまでは何処にでもいるような、いたって普通の女子高生だった。しかし戻って来た彼女は神谷神理教(仮)の崇拝者のようになっている。つまり彼女は部室から出たわずかな時間の間に乃明によって神谷神理教(仮)の信者へと洗脳されてしまったのだ。
「どうしたの?ちゃんとさっちゃんは説得したよ♪これで満場一致で玲くんもこの部の一員だね」
玲からの視線に気付いた乃明はまるで良い仕事をしたかの様に満面の笑みだ。しかし玲の送った視線はあくまで感謝ではなく「何やっちゃってんの」という意味の怒りにも似た視線だ。そんなことにも気づけない乃明にたいしついため息が出てしまう。
「乃明先輩何やってるんですか、やって良いことと悪いことがあることがあるでしょ」
玲からの思わぬ返答に乃明は首を傾げ「何のこと?」と言わんばかりに頭にハテナマークを出現させる。
もしかしてこの人自分がやったことに気づいてないんじゃないか。だとしたら今のうちに何とかしないとエライことになっちまう。
玲はこれから起こる災害を未然に防ぐため先手を打つ。
「先輩ちょっと、話があるんで来てもらって良いですか?」
「え、良いけど・・・」
玲の少し重い口ぶりに流石の乃明も何かを感じ取ったのかそれまでの笑顔が不自然な笑顔へと変わっていく。
乃明の了承が出たところで2人は部室から廊下へと場所を変えた。廊下は7階と言うだけあって人はほとんどいないがそれでも2、3人の生徒が視界に入る。
「先輩今生徒会室って空いてますか?」
「空いてるけど・・・使う?」
あまり周りに話を聞かれるのも嫌だったのでとりあえず玲は乃明を連れ他の人間がいない生徒会室へ移動した。
前は玲が座ったソファーに乃明を座らせ玲は机を挟み真正面の椅子に座り、話を切り出した。
「乃明先輩、天野先輩にいったいどんな話をしたんですか?」
先手を打つと決めたものの相手の情報が一切ないためどうにもできない。玲は仕方なく張本人にから情報を得ることにした。
「どんな話って別に普通の話だよ。ただ玲くんの絵見て「この絵いいよね〜」ってしばらく話してだだけだけど」
乃明のいたって普通な回答に玲は困惑されてしまう。
どういうことだ?ただ話しただけで人間ああも変になるわけないよな。でも乃明先輩が嘘をついてる様にも見えないんだよな。いったいあの短い時間に天野先輩の身に何が起きたんだ?
「あれ、玲くんどうしたの生徒会に何か用でも?」
玲が1人頭を悩ませていると入り口の扉が開き翼が入って来た。
この人なら何か知っているかも・・・。
玲は自分で考えていても拉致があかないと踏ん切りをつけ、彼女のことに対してめっぽう詳しいであろう翼に頼ってみる。
「すみません、お邪魔してます。それよりちょっと先輩に聞きたいことがあるんですけど・・・・・」
玲は乃明に聴こえないよう小声で今までのことについて翼にはなし、そしてその解決策を尋ねた。
「そういうことね。乃明もう部活戻っていいよあとは私が話するから」
翼は話を聞き終えると乃明を部活に戻し玲の抱える問題について知っていることを話してくれた。
「さっき乃明はしばらく話してただけって言ったんだよね、でもそれは多分乃明の勘違い。本当は一方的に語ってただけで話し合いにはなってなかったんじゃないかな」
「それで天野先輩は自分も俺の絵が好きだと催眠状態になったってことですか?」
「まぁ、だいたいそんな感じかな。でも催眠と言うよりは洗脳。あの子生徒会長やってるだけあってそれなりに口が上手いのよ」
「じゃあそれを止めるには・・・」
話を聞く限りこの乃明による被害を防ぐには彼女にそれなりのセーブを掛けてもらう、もしくは神谷玲について話すのを辞めてもらうしかない。だが後者は流石に残酷だ、誰だって好きな物の話をしたいし語り合いたいはずだ。それを禁止するなんて誰であろうとやってはいけないとだろう。
「乃明にちゃんとした会話を覚えてもらうしかないね。まぁ普段はそれが出来てるからそんなに難しいことじゃないんだけど、君の絵のことになるとどうも熱くなっちゃうみたいだからね」
翼も同じことを思ったのか2人は同じ結論にたどり着いた。
「でもどうするんですか?普通の会話を覚えてもらうって言ってもイマイチ何すればいいのか分かんないんですけど」
「君が「俺の絵についてもう熱く語らないでくれ」って言えば一発だと思うけど」
翼は他人事だと思って簡単に言うがそれは玲にとってそれなりのリスクがある、さらにそれを言われた方の乃明にも相当なダメージが出るかもしれない。
「平然とそんなこと言わないでくださいよそれ俺にとって結構ハードル高いんですよ」
「そう?入学早々先輩に楯突いた君なら簡単にやると思ったんだけど」
「それはあの先輩が煽って来たから・・・。でも俺は悪意を持たない人に対して攻撃するようなことはしたくないんです」
「ごめん、今のは私が悪かった、君のことを少し誤解していたみたいだ。でも君が出来ないとなると誰に頼もうか」
誤解って俺をいったい何だと思ってたんだよ。でも代役か俺あんま人望ないからな。
「すみません、俺ちょっと頼めそうな人いないんで任せちゃってもいいですかね」
あんまり人に任せっきりにはしたくはないが玲がここでできることはほとんど無い。
「そうだな、日野とかどうだろう?停学を免除する代わりってことで」
日野か・・・そう言えばあいつまだ停学中だったんだな。でもそんな簡単に免除なんてできるのだろうか?
「いいと思いますけどそんなこと出来るんですか?」
「出来るよ、基本的に生徒に与える罰則は生徒会が権限を持っているからね。流石に退学は上に話を通さなきゃ出来ないけどね。あとこのことは他言無用だから」
うっわ、生徒会怖!逆らったら学校にいられないじゃん。これからは発言に気をつけよ。
玲は思わぬ形で生徒会のもつ権力を知ってしまった。
「じゃあ乃明先輩の件については一先ず任せて良いですか」
「じゃあ日野には私が話をしておくから」
「お願いいたします。なんかあったら言ってください俺に出来ることならやりますんで」
「その時はよろしく頼むよ」
「じゃあ俺帰ります。いろいろありがとうございました」
玲は生徒会室を出て美術部に軽く挨拶をして学校を後にした。
「あ!玲くん倉庫の中見て来たんだ、どうだった私達の作品」
玲が自分達の作品を見て来たと分かるなり乃明が感想を求めて来た。
「いろいろな表現の仕方の作品があって面白かったですよ」
玲はそれに対し思ったことをそのまま伝えると、乃明の表情が一気に明るくなった。
「本当、やったあの神谷玲に褒められるなんて私もう一生分の運ちゃん使い果たしちゃったかもしんない」
乃明は冗談交じりに満面の笑みでグネグネと体を左右に揺すっている。一方、乃明の隣ではモジモジと何か言いたそうに沙月がさっきからずっと突っ立ている。
玲は彼女に声をかけようと心見るが、さっきまで自分のことを毛嫌いしていたこともあってなかなか声をかけづらい。
「神谷様、さっきは良く知りもしないで失礼なこと言って本当にすみませんでした」
玲がグダグダと考えているうちに覚悟が決まったようで沙月の方から玲に声をかけて来た。
それを聞いて玲も一安心する。乃明が失敗していたらどうしようかと考えていたが、そんなことはなくどうやら沙月の玲に対する印象は良い方向へと変わったみたいだ。
「そんな、頭を上げてください確かに俺が問題を起こしたことは事実ですし先輩が謝る事なんてないですから」
「めっそうもない、全て私が悪いんです何もなしに許されてもこの罪悪感が残ってしまいます。どうか私に罰を・・・」
!?何言ってんのこの人?やっぱさっきの「神谷様」っていうの聞き間違えじゃなかったんだ。さっきまでこんなんじゃないまともな人間だったのに何でいきなりこうも変人になっちゃうんかな。いったいあの人はこの短期間に何をしたんだ。
玲は咄嗟にこの変革の原因であるだろう人物に視線を向けた。
確かに彼女は部屋を出るまでは何処にでもいるような、いたって普通の女子高生だった。しかし戻って来た彼女は神谷神理教(仮)の崇拝者のようになっている。つまり彼女は部室から出たわずかな時間の間に乃明によって神谷神理教(仮)の信者へと洗脳されてしまったのだ。
「どうしたの?ちゃんとさっちゃんは説得したよ♪これで満場一致で玲くんもこの部の一員だね」
玲からの視線に気付いた乃明はまるで良い仕事をしたかの様に満面の笑みだ。しかし玲の送った視線はあくまで感謝ではなく「何やっちゃってんの」という意味の怒りにも似た視線だ。そんなことにも気づけない乃明にたいしついため息が出てしまう。
「乃明先輩何やってるんですか、やって良いことと悪いことがあることがあるでしょ」
玲からの思わぬ返答に乃明は首を傾げ「何のこと?」と言わんばかりに頭にハテナマークを出現させる。
もしかしてこの人自分がやったことに気づいてないんじゃないか。だとしたら今のうちに何とかしないとエライことになっちまう。
玲はこれから起こる災害を未然に防ぐため先手を打つ。
「先輩ちょっと、話があるんで来てもらって良いですか?」
「え、良いけど・・・」
玲の少し重い口ぶりに流石の乃明も何かを感じ取ったのかそれまでの笑顔が不自然な笑顔へと変わっていく。
乃明の了承が出たところで2人は部室から廊下へと場所を変えた。廊下は7階と言うだけあって人はほとんどいないがそれでも2、3人の生徒が視界に入る。
「先輩今生徒会室って空いてますか?」
「空いてるけど・・・使う?」
あまり周りに話を聞かれるのも嫌だったのでとりあえず玲は乃明を連れ他の人間がいない生徒会室へ移動した。
前は玲が座ったソファーに乃明を座らせ玲は机を挟み真正面の椅子に座り、話を切り出した。
「乃明先輩、天野先輩にいったいどんな話をしたんですか?」
先手を打つと決めたものの相手の情報が一切ないためどうにもできない。玲は仕方なく張本人にから情報を得ることにした。
「どんな話って別に普通の話だよ。ただ玲くんの絵見て「この絵いいよね〜」ってしばらく話してだだけだけど」
乃明のいたって普通な回答に玲は困惑されてしまう。
どういうことだ?ただ話しただけで人間ああも変になるわけないよな。でも乃明先輩が嘘をついてる様にも見えないんだよな。いったいあの短い時間に天野先輩の身に何が起きたんだ?
「あれ、玲くんどうしたの生徒会に何か用でも?」
玲が1人頭を悩ませていると入り口の扉が開き翼が入って来た。
この人なら何か知っているかも・・・。
玲は自分で考えていても拉致があかないと踏ん切りをつけ、彼女のことに対してめっぽう詳しいであろう翼に頼ってみる。
「すみません、お邪魔してます。それよりちょっと先輩に聞きたいことがあるんですけど・・・・・」
玲は乃明に聴こえないよう小声で今までのことについて翼にはなし、そしてその解決策を尋ねた。
「そういうことね。乃明もう部活戻っていいよあとは私が話するから」
翼は話を聞き終えると乃明を部活に戻し玲の抱える問題について知っていることを話してくれた。
「さっき乃明はしばらく話してただけって言ったんだよね、でもそれは多分乃明の勘違い。本当は一方的に語ってただけで話し合いにはなってなかったんじゃないかな」
「それで天野先輩は自分も俺の絵が好きだと催眠状態になったってことですか?」
「まぁ、だいたいそんな感じかな。でも催眠と言うよりは洗脳。あの子生徒会長やってるだけあってそれなりに口が上手いのよ」
「じゃあそれを止めるには・・・」
話を聞く限りこの乃明による被害を防ぐには彼女にそれなりのセーブを掛けてもらう、もしくは神谷玲について話すのを辞めてもらうしかない。だが後者は流石に残酷だ、誰だって好きな物の話をしたいし語り合いたいはずだ。それを禁止するなんて誰であろうとやってはいけないとだろう。
「乃明にちゃんとした会話を覚えてもらうしかないね。まぁ普段はそれが出来てるからそんなに難しいことじゃないんだけど、君の絵のことになるとどうも熱くなっちゃうみたいだからね」
翼も同じことを思ったのか2人は同じ結論にたどり着いた。
「でもどうするんですか?普通の会話を覚えてもらうって言ってもイマイチ何すればいいのか分かんないんですけど」
「君が「俺の絵についてもう熱く語らないでくれ」って言えば一発だと思うけど」
翼は他人事だと思って簡単に言うがそれは玲にとってそれなりのリスクがある、さらにそれを言われた方の乃明にも相当なダメージが出るかもしれない。
「平然とそんなこと言わないでくださいよそれ俺にとって結構ハードル高いんですよ」
「そう?入学早々先輩に楯突いた君なら簡単にやると思ったんだけど」
「それはあの先輩が煽って来たから・・・。でも俺は悪意を持たない人に対して攻撃するようなことはしたくないんです」
「ごめん、今のは私が悪かった、君のことを少し誤解していたみたいだ。でも君が出来ないとなると誰に頼もうか」
誤解って俺をいったい何だと思ってたんだよ。でも代役か俺あんま人望ないからな。
「すみません、俺ちょっと頼めそうな人いないんで任せちゃってもいいですかね」
あんまり人に任せっきりにはしたくはないが玲がここでできることはほとんど無い。
「そうだな、日野とかどうだろう?停学を免除する代わりってことで」
日野か・・・そう言えばあいつまだ停学中だったんだな。でもそんな簡単に免除なんてできるのだろうか?
「いいと思いますけどそんなこと出来るんですか?」
「出来るよ、基本的に生徒に与える罰則は生徒会が権限を持っているからね。流石に退学は上に話を通さなきゃ出来ないけどね。あとこのことは他言無用だから」
うっわ、生徒会怖!逆らったら学校にいられないじゃん。これからは発言に気をつけよ。
玲は思わぬ形で生徒会のもつ権力を知ってしまった。
「じゃあ乃明先輩の件については一先ず任せて良いですか」
「じゃあ日野には私が話をしておくから」
「お願いいたします。なんかあったら言ってください俺に出来ることならやりますんで」
「その時はよろしく頼むよ」
「じゃあ俺帰ります。いろいろありがとうございました」
玲は生徒会室を出て美術部に軽く挨拶をして学校を後にした。
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