チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります

平涼

第九十二話 アドルフ王

 今アドルフ王が住んでいると言われている城に突撃しているのは、俺、リリア、セシリア、マリー、シア、タマ、師匠、ミレイアさんだ。

 アランには剣聖の家として王とも多少関りがある筈だ。だから連れて行くのは止めておいた。

 そして俺達が城に突撃している理由。アドルフ王は今回の邪神との戦争の為に勢力を集めている。それも何万をも超える勢力を集めている。

 邪神の勢力は一万もいないらしい。それでも世界を乗っ取るだけの力を持つ勢力を集めているらしい。

 そんな相手にアドルフ王が何万もの勢力を集めるのは正解だともいえる。だけど今回に限っては正解じゃない。なんせ人族に裏切り者がいるという事をマリーから聞いている。そんな中何万もの勢力を集めてそこから裏切り者が出れば意味がない。

 だがそれを伝えようにも俺はただの一般市民だ。通じるわけも無い。だからこそ城に突撃して直談判しに来たのだ。

 アドルフ王のいる城は一つしか出入口がない。それはアドルフ王の要望で、何か用があるなら直談判しに来い。俺は逃げも隠れもしないという意思表示らしい。

 だけどそんな簡単に行くわけも無く、周りには兵士が集まっている。

 「お前ら!こんな事してどうなるか分かっているのか!死罪に値するぞ!」

 誰かがそんな事を言うが俺は知らない。

 襲い掛かってくる騎士達をリリア達が全て返り討ちにする。俺は今回は何もしない。これは彼女達だけでここいる人達でも余裕で倒せるという事を示す為だ。

 師匠とミレイアは俺達の保護者的形だ。リリアなどがやりすぎないように見張りだ。

 「そういえばタマ。お前猫神なのに数に数えられて無かったぞ」

 「安心して欲しいニャ。私を数に数えてない輩はリリア達が少しきつめに倒してくれるよう伝えてあるニャ」

 「可哀そうだから止めてやれよ」

 俺達は軽口を叩きながら進む。今は殆ど緊張感が無いと言ってもいい。それも俺には信頼出来る仲間がいるからだ。

 俺は修行の時に全員に一回は負けている。俺よりも強い相手を信頼できないわけがない。

 そんな形で順調に進む。

 するとまたしても俺達の前に騎士が立ち塞がる。

 「い、今ならまだ間に合うぞ!俺がアドルフ王に伝えてやる!だから立ち去れ!」

 ここまで進んだ事で騎士の方も若干怖じ気ついている。だけど俺の目の前にいるのは騎士の中でも一番上の位の人なのだろうな。

 俺はそう思いながら進むと、

 「後悔するなよ!」

 その騎士団長だろうか?その人は俺に突撃してきた。

 だが、俺の目の前にリリアが立ち、

 「誰に向かって剣を向けてんのよ!」

 その人の剣を躱して投げ飛ばして、火の超級を放ち気絶させた。

 「「「隊長!」」」

 すぐに騎士たちはその人の元に向かう。

 俺はこの修行の間に一つ学んだ。

 彼女達を怒らせたら危うく死ぬ。俺は改めてそれが分かった。

 何回死にそうな目にあったか分かったもんじゃなかった。そして決めた。彼女達は怒らせないようにしようと。

 俺が少しリリアの暴れん坊の凄さに若干引きながらもでかいドアがあった。

 師匠の方を見たら師匠の方も頷いている。

 ここがアドルフ王がいる所か。俺はそう思いドアを開けた。

 そこには一人の王であると俺でも分かる人物が椅子に座っていた。容姿は赤髪に赤目の青年だった。

 これが今の三代目アドルフ王か。周りには仕えている人達が立ってこちらを睨んでいる。

 「お前ら、こんな夜遅くに侵入して来てどうなるか分かっているんだろうな」

 座ってこちらを見ている王にビビっている気配など感じなかった。そして迫力もあった。これがアドルフ王か。凄いな。

 俺はそう思いながらも一歩前に出た。

 「今日ここに来たのはアドルフ王にお願いがあって来ました!」

 「無礼者!こんな侵入のような行為を」

 周りの連中から声が聞こえたがそれをアドルフ王が手で制す。

 「要件を言え。だがつまらん内容なら何があってもお前を処刑するぞ」

 そこには自分が死んでも必ず殺すと言ているようなものだろう。すると、

 「ちょっとあんた達!先生が要件あるって言ってるんだから黙って聞いてなさいよ!痛い!」

 そんな事を言い出したリリアをミレイアが拳骨して後ろに下がらせる。

 「痛いんですけど!」

 「黙って見ているんだ!」

 そんなやり取りを見て俺は改めて気を引き締め、言った。

 「今回は邪神との戦争についてお話があります!」

 そこで王の眉が少し動き、

 「聞こう」

 「今回の戦争でこの国から兵を出さないで頂きたい」

 それに周りは文句よりも唖然としている。こいつ何言ってんだとでも思われているのだろう。

 「理由を言え」

 よし。これできちんと話せる。

 「俺の確かな情報により人族に裏切り者がいます」

 それに周りの連中が顔を見合わせ何やら騒がしい。

 「静まれ」

 王のその言葉一つで全員が静まりかえった。

 「それで、その裏切り者がいるから兵を出さないでくれと。だがそれでどう戦うと言うのか」

 「俺達が戦います。俺達が集める人材に裏切り者はいません。ですので王はここで勝利の結果報告を待っていてください」

 その言葉にアドルフ王は微笑んだ。

 「お前がここに侵入したのは自分達の実力を示す為だな?それで正面から侵入か。考えたな。それならこの国の兵士より自分達の方が上で勝率も上がると言っているようなものだ」

 その言葉に後ろにいる皆から尊敬の眼が向けられる。

 王の周りからもそこまで考えたのかという目で見られる。

 正直に言えば、単純に俺達の方が強いからいらないって示すだけのつもりだったがこれはこれでいいだろう。

 「流石ですねアドルフ王。その通りです」

 「中々面白い奴だな。だが貴様の方は何人兵がいるのだ?」

 「さあ。それを教えてもしもこの中に裏切り者がいたら困るので教えることは出来ません」

 「.....頭もキレるようだな。分かった。こちらからは兵を出さないでおこう」

 周りは文句がありそうだが、王の決定には逆らえないようだ。


 これで俺の目的の一つが達成できた。俺がここに来たのにはもう一つお願いがあったのだ。

 皆はもう目的も達成出来たので、後ろに引き返そうとするが、

 「すいません。アドルフ王。もう一つあるんですが」

 それに仲間が皆驚いた表情でこちらを見た。それもそうだろう。俺はこれは誰にも言ってない。

そしてアドルフ王は嫌そうな顔をしながらも聞いてくれるようだ。

 「なんだ?」

 「もしも邪神を倒せたときの報酬が欲しいんですよ」

 後ろにいる皆は何が起きているのか分からないでいた。

 「なんだ?名誉か?地位か?金か?邪神を倒したならそれ相応の報酬を支払おう」

 確かにどれも最強になったら欲しいものだ。だけどそんな事じゃない。

 「もし俺が勝ったら、エルフの事についてこの二人に謝罪してください。そしてエルフの噂はデマだときちんと伝えてください」

 「......おい。レイ。それはどういう」

 後ろからセシリアが戸惑いながらも聞いてきたがそれよりもアドルフ王が立ち上がった。

 ミレイアさんは何やら分かったようだ。

 「もしやお前は勇者パーティの奴じゃないのか?」

 王は今までの表情とは違い驚きながらミレイアさんを見た。

 「ああ。そうだよ」

 それにミレアさんは素っ気なく返事した。そしてセシリアも観て、

 「......確かにあれは最悪だった。俺も親父もどうにかしようと思ったがそれに関しては何もすることが出来なかった。すまなかった」

 王はセシリアとミレイアさんに謝罪した。だけど俺はそんな事がして欲しいんじゃない。

 「王は悪くないんでしたら謝らないでいいですよ。それよりもこれに勝ったならばエルフの復興に関して全力で対処してください」

 「分かった」

 それに王は真剣な表情で答えてくれたので、俺は満足して家に帰ることになった。帰り際にセシリアが俺の隣に来て、

 「......レイ、あれはどういう事なんだ?」

 「どうって言われても、俺のささやかな誕生日プレゼントだ。誕生日気付いてあげられなくてごめんな」

 俺は他の人達の誕生日は知っていたのだが、セシリアだけは知らなかった。そしてミレイアさんに聞いたのだ。

 すると、昨日だったと判明した。ミレイアさんも俺に聞かれるまで忘れていたらしい。

 そしてどうやらミレイアさんに聞いたのがセシリアにも分かったらしい。

 「......ありがとう。レイ」

 少し泣きそうな表情でそんな事を言われると困る。

 「俺は笑顔になってもらう為にやったんですよ?」

 「ありがとう。レイ」


 最高の笑顔でそう言うのだった。

 俺は知っていた。セシリアが夜にこっそりミレイアさんとどうやったらエルフが復興出来るのか話し合っていたのを。だからこそ俺は今回王の所に行くと決まった時、言う事を決めたのだ。

 セシリアは今まで辛い目にあってきたんんだ。良い事があってもいいだろう。

 「私彼女増やしても良いとは言ったけど、目の前でイチャイチャされると腹立つのよね」

 「「同じく」」

 リリアの意見にマリーとシアが反応して俺は後ろから寒気がしたのだった。

 そしてその日の夜。

 俺の部屋のドアがノックされた。

 「どうぞ」

 俺の部屋に入ってきたのはセシリアなのだが、


 「何ですか、その恰好」

 そこには露出しすぎているドレスを着たセシリアがいた。

 「これは、リリアがこれを着たら大丈夫と言うのでな」

 俺は今までセシリアとやったことは無かった。そうなんだが。

 これはやばい。


 何がやばいって?俺の我慢が出来なさそうのがやばい。

 いや。無理。

 俺は瞬時にセシリアを抱きかかえベットに連れて行った。

 セシリアは驚いた表情をしたが、すぐに笑顔になり、

 「優しくな」

 「はい」

 最高の夜を過ごし、俺の最後の戦いの日が始まるのだった。

 俺、戦争前に何やってんだろ。

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