チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります

平涼

第七十三話 鍛治職人

 どうするか。いつ天龍達の死体が何処に行ったのか分からない為取り返すことも難しい。これでは素材はもっていくことは出来ないな。

 仕方なく、何も持ってないがそのまま鍛治職人がいる場所に向かった。その場所はあらかじめ聞いていた為、場所は把握済みだ。

 だがそこはどう見ても鍛治屋のようではなく、普通の一軒屋だった。

 「ここぼろくない?」

 「俺もそう思ったけど、本人の前で絶対言うなよ」

 俺はつい言ってしまいそうなリリアに釘を刺しておく。

 俺はドアをノックすると、ドワーフのような髭を生やした三十代の男性が出てきた。

 「あの剣を作って」

 「帰れ」

 俺が最後まで言う前にその人はドアを閉めた。

 ......まさかここまで拒否られるとは思わなかった。

 どうするか。俺の考えでは拒否られるが粘って最終的には作ってもらうつもりだったんだが。

 「ちょっと先生どいて」

 そこでリリアがドアの前に立った。俺は嫌な予感しかない。

 「なあリリアお前何をする」

 俺が最後まで言う前にリリアはドアを風魔法で吹き飛ばした。

 「ちょっと先生が要件があるって言ってるんだから、最後まで聞きなさいよ!」

 ......リリアはいつからこんな不良娘になったのだろうか。

 セシリアさんはそんなリリアを見て溜息をついているだけだった。慣れているのかもしれない。

 「お前ら!ドアを壊して弁償しろよ!」

 その人は驚きながらもリリアに対して吠える。

 「あんたが要件も最後まで聞かずにドアを閉めるからでしょ!」

 リリアが更に言い返すが俺はこれでは絶対に剣を作ってもらえる気がしない。

 「あの剣を作って欲しいんですけど」

 俺は一応改めて言った。

 「俺は剣はもう作らん」

 その人はそう言ってそっぽを向いた。

 困ったな。どうするか。

 「それは駄目よ」

 何故かリリアが俺よりも先に反対した。

 「は?俺は剣はもう作らないと決めたんだ」

 「だからそれは駄目よ。先生が必要なんだから」

 リリアは俺を何処の王様かなんかと勘違いしているのだろうか。俺にそんな権利は無いんだが。

 ドワーフの人は身体を震わせて、もの凄く怒っている。

 「お前は何様だ!作らんと言ったら作らん!」

 「分からない人ね。あなたは剣を作るしかないの!」

 「何でお前に決められねえといけないんだよ!」

 そんな言い争いが二人で繰り広げられる。ちょっと面白いので止めないでいた。

 「じゃあ、なんで駄目なのか教えなさいよ」

 何回か言い争って、リリアがきちんと理由を聞こうとした。初めからそれを聞けば良かったんじゃないかとは言わないであげた。

 「剣は争いしか生まねえからだよ。俺は何度も平和を願って剣を作ってきた。親父もそうだった。だけど邪神や魔王との戦争もおわりゃしない。もう剣を作ってもあんな奴ら倒せないんだろうと分かったんだ。勇者だって覇王は倒せたらしいが、邪神は無理だったしな」

 そういうことか。剣を作ればそれで争いが起きる。それがこの人にとっては嫌なのかもしれない。

 そんなに嫌なら他の所に行こうと提案しようと思ったら、リリアがまたしても先に言った。

 「ならこれを最後にしなさい。先生が終わらせてくれる筈よ。先生は最強になるんだから邪神や魔王なんて剣さえ作ってくれたら簡単よ」

 とんでもない事を言い出した。まあ確かに最強になりたいと思っているんですけど.....。

 「ふ。こんな奴が倒せるわけないだろ」

 ドワーフの人は鼻で笑いながら言った。それにすこしイラッとする。誰かにそんなこと言われると腹が立つんだよな。

 「出来ますよ」

 俺は自信満々に言ってやった。

 「無理だ」

 「出来ます!出来なかったら土下座でも何でもしてやる!」

 俺は覚悟を決めて言ってやった。

 「正気か?」

 「正気です」

 その言葉にドワーフの人は考えているようだ。そして溜息をついた。

 「分かった。作ってやる」

 そう言ってくれた。

 「ありがとうございます。改めてレイロードです」

 俺はそう言って手を出した。

 「俺はドワーフのウレイだ」

 そう言って、俺の手を握って握手してくれた。

 もし最強になっても戦争が終わらなかったらこの人に殺されるとかないよな?俺はそんな恐ろしい事を考えてしまう。

 それから色々と打ち合わせをして、一ヵ月後にまた来ることにした。

 一ヵ月後というので、俺は一度家に帰ろうと思う。

 それをリリア達に伝えると了承してくれた。

 なので俺は家に戻る前に獣人の森に行って、ミラさんにお礼を言うことにした。

 「そういえばあん時ウレイさんを説得してくれてありがとな」

 俺は獣人の森に行くときにリリアに改めてお礼を言った。

 「気にしないでいいわよ」

 そう言ってくれる。リリアはやっぱり優しいな。

 俺がそう思っていると後ろからタマとセシリアの声が聞こえる。

 「セシリアもあれぐらいの事しないとだめニャ」

 「そうは言ってもだな。私はあまり人と喋るのが得意ではないんだが」

 「もっとぐいぐいいかないとリリアに負けちゃうニャ」

 そんな会話が聞こえる。変な事を教え込むなよ。俺はタマに心の中でそう言った。

 それから獣人の森についた。だがここに入ると、獣人にもの凄く睨まれる為あんまり行きたくない。

 なのでタマに頼みミラさんが忙しくないのなら呼んできて欲しいと伝えて貰いに行ってもらった。

 ~ミラ視点~

 何ででしょうか。あのドラゴンとの戦闘以来ずっとレイロードさんの姿が思い出してしまう。

 私を庇って前に立ったレイロードさんの姿が.......。

 どうしましょう。ずっとこんな感じで今日はずっと家のベットから離れられません。

 私そういえば最初会ったときレイロードさんの手を払いのけてしまった。あれは怒ってないんでしょうか?

 「ミラ。今暇ニャ?」

 「今ちょっと忙しいです」

 私がそう思いながら声がした方を向くと猫神様がいた。

 「猫神様!?」

 「ご主人様が会いたいって言ってるニャ。暇じゃないなら別にいいニャ」

 「暇です!暇ですから少し待ってください!」

 私は急いで準備をして、髪を整える。

 「何で会うだけなのに髪を整えるニャ?」

 私にも分かりません。

 それから準備が終わり猫神様について行くと、レイロードさんがいました。それに後ろにはあの時私が闘技場まで連れて行ったエルフの人もいますね。だが何か後ろから殺気を放っている人がいるんですが大丈夫でしょうか。

 私はそう思いながらもレイロードさんの前まで行った。

 ~レイロード視点~

 どうやらミラさんは丁度暇だったんだろう。こちらに来てくれた。

 「すいません。呼び出してしまって」

 「いえ。大丈夫です」

 何故かミラさんの顔が赤い。走ってきたのだろうか。

 「それはそうと俺はもうこの国を出ようと思ったのでお別れとお礼をと思って」

 「お礼?」

 「相談乗ってくれたじゃないですか」

 「ああ。あれですか。別に気にしなくて大丈夫ですよ。ドラゴンの時にも助けてもらいましたし」

 そんな感じで話していると、段々と後ろから悪寒が来るからそろそろ帰ろう。

 「先生、まだ?」

 ほらやばい。もう悪寒しか来ない。

 「それじゃミラさん。俺達はそろそろ行きますので」

 俺がそう言って立ち去ろうとすると、服が引っ張られた。

 「「ああ!」」

 俺はミラさんに引っ張られ頬にキスされ、

 「もし彼女さんに満足できなかったらいつでも召喚魔法で呼んでくださいニャ」

 ミラさんが耳元で衝撃発言をしてきた。

 俺はその場に呆然としていると、耳をリリアとセシリアに引っ張られる。

 「痛い痛い!」

 俺は耳を引っ張られながら、連れて行こうとされる。

 「それじゃミラさん。さようなら!」

 俺は耳の痛みを我慢してお別れを言うと、ミラさんも手を振って見送ってくれた。

 それからリリアとセシリアは当分口をきいてくれなかった。

 俺は悪くない。

 俺は自分に言い訳しながらも、ミラさんをまた今度召喚しようかなとか思ってしまった。

 それから何とか二人の機嫌を取り戻し俺達はエリック博士からもらった魔法陣で家の玄関に帰ってきた。もう夜だ。

 「ただいま」

 俺がそう言うと、レイシアがまだ起きているようで出迎えてくれた。

 「おかえりなさい」

 相変わらず元気で、俺を出迎えてくれた。

 「この子は?」

 「俺の娘なんだ」

 その言葉にリリアとセシリアは衝撃を受けているようだ。それもそうだろう。まさか娘がいるとは思わなかったのだろう。

 「他の彼女も中々やってくれるじゃない」

 リリアは何故か燃えているようだ。

 そんな感じで俺達は家に帰ってきた。

 俺はマリーとシアに二人を紹介して、まだぎこちないが何とか上手く出来るよう俺もフォローしようと思う。

 「先生。ちょっと女子会をやるから」

 それに女性陣は同意見なのか他の部屋に行った。だがこれは俺にとって好都合だ。

 ココとロロも寝て、子供達も寝ている今がチャンスだ。

 俺とタマはまだ起きているであろうリビングにいるアネットの元に来た。

 「アネット。少し話があるんだけど」

 それに何をしていたのか分からないがアネットがこちらを振り向いた。

 「どうしたのレイ君?」

 俺は今見てはっきり分かった。タマの変身魔法を自分に使ったり、見てきたから校長の変身魔法を見破れたが、アネットは今まで一緒にいた為疑問に思わなかった。

 だけど、これは偽物だ。

 俺は今思い返してみたら、アネットの猫耳を触ったことが無い。というより今思えば変身魔法がばれないように誰にも触らせなかったのかもしれない。

    それに考えてみれば、ムー大陸は人族が殆どの国だ。そんな所に獣人がいることもおかしい。

 「なあ。アネットはリリアのお母さんだろ?」

 これにタマとアネットは驚愕していた。

 俺は回りくどい事は嫌いだ。聞くならストレートにだ。

 今日、リリアを見たときも衝撃を受けていたしな。

 「.......どうしたんですか?急に」

 アネットは動揺しながらも隠すつもりだ。

 俺がタマをここに連れてきたことを分かってないようだ。

 「なあタマ、アネットは変身魔法を使っているか?」

 俺はこいつもグルだと思っている。もし分かっているなら、俺に言うはずだ。

 タマは召喚魔法で召喚している為、俺に嘘はつけない。

 「.......そうニャ」

 タマは頷いた。それにアネットはため息をついた。

 「そういえばタマちゃんはレイ君の召喚魔法で召喚したんですよね」

 そう言って、アネットは真剣な目を向けて、変身魔法を解いた。そこにはリリアと同じ髪型の別人がいた。

 「どうして分かったの?」

 「秘密だ」

 俺はアネットに改めて事情を聴くのだった。

 ~ミラ視点~

 私はどうしてあんなにも恥ずかしい事を。

 「ああああああああああ!」

 ミラは一人布団に包まって自分がしたことを後悔しているのだった。

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