チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります

平涼

第七十一話 レイロード・天龍の本気

 天龍の龍化は一変強そうに見えないが、あきらかに強い。まずあれでは逆鱗があいつには無いと思っていいだろう。それに加え、今龍化したということは今までは殆どは魔人の血の方で戦っていたことになる。それにドラゴンの血も加えられるとは考えたくもない話だ。

 だけどやるしかない。それに早めに決着をつける。これは長時間使うと感電死する恐れがある。以前特訓で死にかけたことがあったしな。

 「一つ言わせてもらう」

 「どうしたんだ?」

 改まって何だろうか。

 「お前は運がいい。俺は他の龍より強い」

 自分で言うということは、相当なものだろう。

 「そうか。それはお前に勝ったら最高に嬉しいんだろうな」

 「行くぞ」

 そう言って、天龍は俺に攻めてこようとしたが、それをさせるわけにはいかない。

 俺は電光石火のように速く走り、天龍の背後を取る。

 剣を振るうが、ギリギリの所で止められる。

 「そこまで速くなるのか」

 そんな事を言いながらも天龍の顔は嬉しそうだ。

 俺も嬉しい。こんな強い奴と戦う事が出来るんだからな。

 俺はすぐにその場を退き、またしても背後を取る。

 今度は天龍も対応する。

 だけどそれをしてもらっては困る。

 俺は更にスピードを上げ天龍を斬る。

 だが、それは腕をかすっただけだった。

 「先程までのは本気じゃなかったのか?」

 「いや。自分でもおかしなぐらい調子が良くなってきている」

 どうしたのだろうか。体が思うように動きすぎる。

 「それはあなたが今まで殺してはいけない人達と戦っていたからよ」

 そんな声が聞こえた。俺はそれに納得してしまった。俺は何処かで殺してはいけない人達との戦いで無意識に手を抜いていたかもしれない。

 まあ。本気を出しても師匠には勝てないだろうが。

 「これから更にスピードを上げるぞ」

 俺は更にスピードを上げ、どんどん天龍に傷をつけていく。

 「調子に乗るな!」

 天龍は俺が斬った瞬間を狙い腕を掴んできた。

 やばい。

 俺はそう思ったがどうする事も出来ずに、振り回され壁に吹っ飛ばされた。

 「くっ!」

 俺は何とか自分の後ろに風魔法を放ち、叩きつけられずに済んだ。

 だが、こいつの馬鹿力は何なんだ。持たれた腕は青くなっている。次にあれに捕まれたら終わりだ。

 それにこの雷纏いは欠点がもう一個ある。それはスピードが上がる代わりにパワーが落ちる。

 パワーが落ちる為、あいつの攻撃を跳ね返す事は出来ないだろう。

 だからこそ、あいつが俺のスピードに慣れる前に決着を着けなければならない。

 俺は更にスピードを上げる。

 そして天龍の腕を相当深く斬る事は出来た。

 俺はそれを見て一度退くか迷ったが退いた。

 なんせ俺の腹から少しだけ血が出ている。

 あのスピードについて反撃までしたのかよ。

 「次で終わらせる」

 天龍はブレスを放つ準備をする。

 俺はもうこれに対応して反撃するしかない。

 だが今の俺に出来るのか?そんな疑問が浮かんでくる。

 「レイ......負けたら.....許さんからな」

 俺はその声が聞こえる方を見ると、セシリアさんがミラさんに肩を貸してもらいながらフラフラしながら来ていた。

 そこにリリアを担いだ、エルフの人も来た。

 「まさか!やられたのか!」

 天龍は驚愕の表情をしている。

 俺も驚きすぎて言葉が出ない。信じてはいたが本当に勝てるとはそこまで思っていなかった。

 ......あいつら。頑張ったんだな。

 俺は自然とその姿に元気が貰えた。

 そうだよな。俺に追いつく為に頑張ってきたリリア達の為に俺も頑張るんだ。

 「セシリアさん。俺は負けません」

 俺はそう言って、天龍を改めてみる。

 「これで終わらせるから覚悟しろ」

 「俺もこれで終わらせる」

 俺は最大限まで雷を纏う。これで後で体が動かなくなるだろうが知った事じゃない。

 そして天龍はブレスを俺に放ってきた。それは白く輝いているブレスだがまともに食らえば死ぬことは一目瞭然だ。

 だが、避ける術はない。ならば真っ向勝負だ。

 俺はそのブレスに突っ込んだ。

 「うおおおおおおおおおお!」

 俺はそのブレスを受け止める。

 だが、このままじゃやられる。けどやられてたまるか!

 俺はそれに加え火魔法を体に纏った。

 「くそおおおお!負けてたまるか!!!!」

 俺はそのブレスを何とか受け止めきることが出来た。

 「見事だ」

 天龍はその場を動かず、俺に斬られた。

 天龍はその場に倒れた。

 「何で最後避けなかった?」

 天龍は血を吐きながらも答えてくれた。

 「俺の最強の攻撃を避けたんだ。そこで俺の負けだ」

 こいつは今やらていなかったら、相当強くなって俺じゃ倒せなかった気がする。

 「お前に......頼みがある.....」

 天龍は血を吐き今にも瀕死の状態になりながら言う。

 「頼みって?」

 「俺達の仲間を殺した人族を殺してくれ」

 それを俺に頼むということは俺は天龍に認められたのかもしれない。だけど、

 「すまないが俺は復讐はしないと決めたんだ。もし俺の最強の道にそいつが出てくるなら俺が必ず倒す。それだけだ」

 俺はあれから親父達の復讐の為に魔王を倒す事はやめた。そんな事を親父達が望んでいるじゃない。親父達は幸せに生きろと言った。決して俺達の為に復讐をしてくれなんて言わない。

 だからこそ決めてる。魔王が俺が幸せに生きることを邪魔するなら倒すと。俺の幸せは最強になることだし、いずれ戦うだろうが。

 「......そうか。ならお前が倒してくれることを願っている」

 そう言って、天龍は倒れた。

 それと同時に俺も糸が切れたように倒れてしまったのだった。

 その光景を一匹のコウモリのような魔物が見ていたことは誰も気付かなかった。

 ~■■■■視点~

 「まさか殆ど狩れずにやられるとは、龍人もこの程度か。だがあれには役に立つはずだ」

 そうして翼を広げた。

 「何処に行くんだ?」

 「ちょっと用事を済ませてくる」

 そう言って、一人の男が動き出した。

 ~オリド視点~

 まさか、リリアに力を殆ど持っていかれるとは思わんかった。

 私の血を受け継いでいたから力を貸せるとは思ったが成功して良かった。これでわしはもう見届ける事しか出来ない。

 「これからが本番じゃレイ君。君の力でこの世界の運命が決まるぞ。だからこそ君に任せる」

 独り言のようにそう願うのだった。

 

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