チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります

平涼

第六十五話 龍人襲来

 こいつらはやばい。

 俺では三人相手では絶対に勝てないと思わせるだけのオーラがある。

 「あなた方。いきなり何ですか!」

 ミラさんは勝負を邪魔されて怒っているのか、こいつらのオーラが分かってない。

 「獣人か。獣人には興味はない。我らが知りたいのは巫女を殺した人物のみだ」

 それに対して、真ん中の一人が冷静に答える。

 だが、会場は大パニックだ。

 叫び逃げ出すものだらけだ。

 「無駄だ」

 会場から逃げだそうとする連中が止まった。

 「何してるんだ!」

 会場からそんな声が続出する。

 「きゃああああああ」

 会場からそんな叫び声が聞こえ、皆戻っていく。

 何が起きたんだ。

 会場の入り口には龍人と思わしき人が立っていた。

 だがそこで驚くべきことに、何人もの人が死んでいる。

 「何をした?」

 俺がそう聞くと、龍人は大きな声で叫んだ。

 「今この会場は龍人によって封鎖されている!逃げようとした奴は全員殺す!」

 そうか。先程の事で前の人が会場から出てしまったんだ。

 「お前達は何がしたいんだ?」

 俺はなるべくこいつらを怒らせないように聞く。

 こいつらはすぐにでもここにいる奴らを殺す事が出来る。

 「巫女を殺した人族を殺す。ここならば沢山の人がいると聞いたのでな。誰か情報を持っているだろう」

 そう言って、周囲を見渡す。

 会場の皆は顔を見合わせているが、誰も名乗り出るものはいない。

 そこで、急にミラさんが龍人に向かって突撃した。

 「勝負の邪魔をしといて、更には脅迫ですか!」

 そう言って槍を龍人に刺す。

 だがそいつは簡単に避ける。

 「ミラさん!駄目です!」

 こいつらは桁が違う。

 「私は猫神様の為にもこいつらを殺して会場を開放します!」

 そう言って、真ん中の龍人に槍を刺すが、全て避けられる。

 「いい槍使いだが、我に勝てる程ではないな」

 そう言って、ミラさんに剣を振るう。

 ミラさんは龍人の剣が速すぎて対処しきれていない。

 そして、ミラさんの手から槍が落とされた。

 「死ね」

 その一言と共に剣をミラさんに振るうが当てるわけにはいかない。

 俺が火魔法を纏い剣を受け止める。

 そして何とか跳ね返した。

 「ほう。我の攻撃を受け止めるだけでなく、跳ね返すとは中々やるな」

 龍人はそう言って、一度二人の龍人がいる所まで下がった。

 「お前達は誰だ?」

 俺はもう殆ど分かっているが一応聞いた。

 「地龍オウリュウ」

 「海龍セイリュウ」

 「天龍ウルガムナ」

 やはりそうだったか。

 三大最強の龍人族の三人である。

 その容姿は三人殆ど一緒だが、見分けがつく。

 真ん中の地龍は茶髪で、身体の所々に茶色の鱗がある。

 右にいる海龍は青髪であり、青色の鱗がある。

 左の天龍は白髪で鱗が白だ。

 さて、どうするか。

 折角のミラさんとの勝負を邪魔されて、最悪だ。

 だが、俺一人でこいつら全員をやれるか?

 邪神がいる中で、この三体が魔大陸に降臨し続けている理由は、三人が全員揃えば邪神と同等であるからだ。

 だからと言って、一人が弱いわけではない。

 一人でも十分強すぎて俺が勝てるかどうかも分からないレベルだ。

 「宛が外れたな」

 地龍がそう呟く。

 もしかしてこのまま帰ってくれるのか?

 「ならば人族は皆殺しだ」

 そう呟いた。

 ですよね。

 そう都合よく帰ってくれるわけがない。

 俺はまず入り口にいる龍人を倒そうか迷ったが、外も包囲されているから意味がない。

 それ以前にこの三体がそれを許してくれるはずがないんだよな。

 ミラさんに頼むにしても、ミラさんは先程からずっと俺を見て動こうとしていないんだが。

 それにミラさんもあの入り口にいる龍人を倒すのは難しいかもしれない。

 あいつも相当強そうな所から、地龍達の次ぐらいに強いんだろうな。

 俺がどうするか考える時間をくれるこいつらではない。

 「お前は面倒だ。俺達で先に殺す」

 そう言って、三人で俺に攻めかかって来た。

 そうだよな。

 ここは俺の思い通りのご都合主義の世界じゃない。

 一体ずつ攻めてくることなんてないのだ。

 俺はどうにかするしかない。

 そう思って剣でまず地龍の攻撃をいなし、次の海龍の攻撃をいなそうと思ったが攻撃はこなかった。

 その理由はすぐに分かった。

 フードを被った二人が俺を助けてくれた。

 「誰だ!?」

 海龍が吠える。

 「最悪よ。折角戦えると思ってたのに」

 「ほんとに最悪だ」

 そう言って二人はフードをとった。

 .......嘘だろ。

 「.......リリア、セシリア」

 そこにいたのは、以前とは別人のようなスタイルのいいリリア、以前と変わらないセシリアがいた。

 リリアは本当に変わっているが、髪の色で分かった。

 「先生。話は後でね」

 リリアがそう言って、前を見据える。

 リリアとセシリアが持っていた剣は今の一撃で粉々になってしまった。

 「ふん。剣も粉々になった分際で我らに歯向かうのか」

 地龍が余裕そうに言う。

 「まあ、これ適当に一番安かった剣なんだけどね」

 そう言って、鼻で笑う。

 その鼻で笑ったのが腹が立ったのか地龍の表情が少し怒りの表情に変わる。

 「だから剣を買っておいてよかっただろ」

 セシリアはリリアに言う。

 「まあ、確かに必要だったわね」

 リリアはバツが悪そうな顔をした。

 だが、二人はそう言い合いながらも龍人から目は離さない。

 俺は二人と並んだ。

 「それでどうやって戦う?」

 「そりゃあ一対一でやるでしょう」

 まあ普通に考えればそうだが、

 「大丈夫なのか?」

 「私達はこれまで修行してきたから大丈夫よ」

 それにセシリアも頷く。

 だが、地龍は怒りの顔を隠そうともせず吠える。

 「お前らは一人ずつならば、我に勝てるとでも思っているのか?」

 「当たり前じゃない」

 リリアが即答する。

 「お前は我が相手をする。その身の程知らずの口を塞いでやる」

 地龍は他の二人の方を見ると頷いている。

 「場所を移すぞ」

 地龍がそう言って、リリアもついて行った。

 「天龍お前はどうする?」

 海龍が天龍に尋ねる。

 「俺はこの男とやる」

 「分かった」

 海龍は頷いてセシリアを見る。

 「お前の相手は俺だ」

 そう言って場所を移そうとする。

 「セシリアさん。負けないでくださいね」

 「当たり前だ。すぐに駆け付ける」

 そう言ってセシリアさんも行って、俺と天龍だけになる。

 「お前は本当にあの二人が勝てると思っているのか?」

 天龍が俺を試すような眼を向けて尋ねる。

 その答えはもう出てる。

 「さあな。俺は今のリリア達の実力を知ってるわけじゃない。だから信じるだけだ」

 俺は剣を構える。

 「その考えは甘い」

 そう言って、天龍が俺に突撃する。

 確かに甘いかもしれない。

 「甘いなら、俺がお前を倒して加勢する」

 俺と天龍の衝突と共に、戦いのコングが鳴るのだった。

 三大最強との戦いが今始まる。

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