チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります

平涼

第五十八話 レイロードVSルドノフ再戦

 「頑張れよー!」

 「仕事休んで来てるんだ!負けるんじゃねえぞ!」

 そんな歓声が聞こえる。

 今回は特別に一般客も入ることが許されている。

 今年度の入学希望者を増やす為だろう。

 その為、会場は埋め尽くされその中心には俺と校長がいる。

 「ここで、戦うのもこれで最後ですかね」

 校長は、少し悲しそうな顔をする。

 「また、いつか戦えますよ」

 「貴方と戦う前に、私と賭けをしませんか?」

 校長は、真剣な表情で俺を見据えている。

 「なんですか?」

 「もしこの戦いで、私が勝ったなら、ここで教師として働いて下さい」

 ......は?一体何を言っているのだろうか。

 それは、俺の夢を諦めろと言っているようなものだ。

 「俺が勝ったら?」

 だけど、まだ俺の勝った方を聞いていない。

 「君は、これからどうするつもりですか?」

 「ムー大陸にある、闘技場と剣を作ってくれる人を探しに」

 俺は現在十四歳になり、今は卒業の記念に校長と戦うことになっている。

 なので、この学校を去った後俺は強者だけが集まるという闘技場に向かおうと思っている。

 剣に関しては、この6年間で自分に合うものが無かった。

 「やはり、そうですよね。だったら私がムー大陸にいる剣を作ってくれる職人を教えてあげるのと、ムー大陸に一瞬でいけることが出来る人を紹介しましょう」

 そんなとんでもないことを言ってきた。

 俺は正直に言えば、剣を作ってくれる人に全く心当たりが無かった。

 なのでこれは俺にとってもいい事だと思う。

 「いいですよ。その賭けを忘れないで下さいね」

 俺はそう言い、剣を構える。

 ルドノフさんも、今回は初めから剣を構える。

 この人は俺と同じく魔法剣士だという事が、あの後判明した。

 要するに、あの時の勝負では魔法しか本気をだせていなかったってことだ。

 「それでは、今から卒業生レイロード君と校長ルドノフ先生による勝負を開始します!では、試合開始!」

 その合図と共に、俺と校長の試合が始まった。

 俺の師匠的存在であるオリドさんの教えで、俺は最初から魔法を纏わない。

 状況によって決める。

 俺は火の超級魔法フレイムランスを五十本周りにだす。

 これは、師匠のアドバイスから編み出した。

 師匠に片手で魔法を放てば剣の威力が弱まるという事なので、どうにかしようと考えた。

 そこで、ふと思いついた。

 俺が使っている雷魔法でライトニングは、手元から出ていない。

 だとすれば、他の魔法もイメージで、周りから出すことが出来るんじゃないかと。

 俺の実験は見事に成功した。

 見事に、周りに魔法をイメージする事で、発動する事が出来、今では自在にコントロールする事が出来る。

 「いきます」

 俺はそう宣言し、校長に五十本のフレイムランスの槍を降らせる。

 だが、校長も俺と修行している最中に強くなっていった。

 それを全て魔法を使わずに躱していく。

 「流石ですね。本当によくここまで出来るようになったものですよ」

 校長は、感心しながら言う。

 「頑張りましたから」

 俺はそう言い、次は風魔法の超級の雨を降らせる。


 だが、次は土魔法の上級で周りを囲まれる。

 そして、校長は、俺に突進してきた。

 俺はそれを剣で受け止める。

 だが、校長の攻撃はこれで終わらない。

 上空から、フレイムランスの一つを上空から降らせる。

 俺はそれを躱しながら、校長の剣も受け止める。

 だが、これでは、反撃が出来ない。

 俺は、瞬時に火魔法を纏い校長の剣を弾く。

 反撃返しだ。


 俺は剣を振りながら、上から土魔法の中級を上から落とす。

 校長もそれを躱しながら、俺の剣を受け止める。

 どうするか。これじゃあまた、反撃されて終わりだ。

 俺は火魔法を解き、すぐに風魔法を纏い、一度撤退する。

 校長はすぐに追撃するが、それはさせない。

 俺は、横からライトニングを三連発放つ。

 校長は少しダメージを受けたが、降参する程ではない。

 校長は俺に接近するが、それは愚策だ。

 そこには、俺が撤退する時に作った、雷魔法の罠がある。

 校長はそのまま罠にはまり、雷魔法の罠を食らうかと思った。

 だが、それがすぐに水に変わる。

 ......やられた。

 これは、俺と校長で、修行の時に考えた、分身だ。

 だけど、これはまだ完成できていなかった筈だが、校長は密かに練習して完成させたのだろう。

 周りを見ると、校長の姿は見えない。

 上か。

 俺は前にもあった為すぐに上にいると分かった。

 確かにそこには校長の姿があるが、やばいとすぐに分かり何かしようと思ったが、

 「これで終わりにします」

 校長は、そう言い、圧縮させたファイアーボールを放った。

 だが、前回と違うのは、規模と三連発ということだ。

 さて、どうするか。

 「「お兄ちゃん頑張れ!」」

 そんな時、二人の妹の声がする。

 二人は、この学校に入って、今じゃ学校のアイドル的存在だ。

 「あんた、娘と息子の前で負けたら駄目よ!」

 そんな応援をするのは、マリーだ。

 俺には、子供が出来た。

 マリーには、男の子の息子で、ジルドだ。

 シアには、娘が宿り、名前はレイシアだ。

 もう二人共出産しており、今ではもう二歳だ。

 「お父さん。娘が応援してますよ」

 シアがそんな事を言って、レイシアを持ち上げる。

 「おとうさん。がんばってね」

 そんな声が聞こえた。

 シアは、子供が生まれてから、俺の事をお父さんというようになった。

 ちょっと恥ずかしいが、嬉しい限りだ。

 そんな家族の応援で、やる気が出ないわけがない。

 特にレイシアだ。

 レイシアはとても可愛く、シアと同じ水色の髪だ。

 そして明るく元気いっぱいだ。

 ジルドは、意外と静かな子だが、今はきちんと俺を見て目をキラキラさせている。

 そうだよな。

 息子と娘の前で負けるなんてかっこ悪すぎるよな。

 それに負けたら、ここで教師をしなきゃならない。

 それも楽しそうだが、それは最強になってから考える。

 俺は火魔法を限界まで身体に纏う。

 そして、ファイアーボールに突っ込む。

 師匠のオリドさんに魔法を斬る方法を教えて貰った。

 それは、その魔法の魔力を断ち切るほどの剣を振ればいいらしい。

 簡単に言われたが、それが相当難しく、習得するのに四年はかかった。

 だが、四年も費やした意味はあるはず。

 それを今から示すときだ。

 まずは、一つ目。

 俺は全力で剣を振り、真っ二つにする。

 だが、二個目は一個めより大きい。

 だから剣に火魔法を纏わせ、全力で振る。

 最後に三個めだ。

 ここで、新技だ。

 今まで、二種類の魔法を使うことが出来なかった。

 だけど、それが出来るようになった。

 俺は火魔法を纏ったまま、足に風魔法を放つ。

 その威力を上乗せさせ、三つ目も斬った。

 「「おおおおおお!」」

 周りから歓声が聞こえるが、まだ終わってない。

 ここまでは、以前と変わってないと言える。

 だからこそ、新技だ。

 俺は、そのまま突っ込む。

 校長は、俺よりも上で剣を構えている。

 下から上の人を倒すのは至難だ。

 上から剣を振った方が力も上乗せされる。

 だからこそあれを使う。

 俺は下から突っ込み、剣を振るう。

 「これじゃあ勝てませんよ!」

 校長はそう言って、俺を斬りつけた。

 と思うだろうが、それは俺の分身だ。

 「そんな!」

 校長も分からなかっただろう。

 俺も密かに練習していたんだ。

 しかもそれは水魔法での分身。

 それを斬ったら、水が飛び散る。

 水は、校長に降りかかり、水浸しだ。

 これで動きも制限される。

 それに加え、俺は分身の後ろに隠れていたが、倒されるのと同時に校長より上にいる。

 俺はそのまま上から校長に剣を振るう。

 上から剣を振れないのならば、それが出来る環境を作るまでだ。

 「うおおおおおお!」

 俺は、全力で剣を振りまくる。

 そのまま地面に一直線だ。

 「がは!」

 校長は、剣を受け止めるのに精一杯だ。

 地面の受け身を取ることは出来なかった。

 それを見逃さない。

 俺は、校長の首元に剣を差し出した。

 「参りました」

 校長のその言葉で俺の試合は終わった。

 「......最後の卒業勝負はレイロード君の勝ちです!皆さん大きな拍手を!」

 最初の合図から、ずっと勝負に呆気にとられていたナタリア先生は全然実況をしていなかった。

 まあ、そんな事が気にならないぐらい嬉しい気持ちでいっぱいだ。

 校長は、地面に倒れながら言った。

 「あなたと教師として、話してみたかったんですけどね」

 拍手や歓声が聞こえる中でも校長の声ははっきり聞こえた。

 だけど、校長は独り言のつもりだったんだろう。

 「校長、賭け忘れないでくださいね」

 俺は、敢えて聞こえていない振りをした。

 「頑張ったね」

 最近は、この声が普通に聞こえるようになった。

 師匠との戦闘の際に聞こえた声は空耳ではなかった。

 こいつが誰なのか分からないが、近いうちに会える気がした。

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