チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります

平涼

第五十四話 オリドさんの過去

 あれから、家族には丁度着替えていた所だったということになった。

 まあアネットは何となく分かっていてそうだが。

 今、俺は修行では無くタマと一緒に馬車に揺られながら、ある所に向かっている。

 そう。オリドさんの所だ。

 気持ちに整理がついたら来いと言われたので、今日タマと行っているのだ。

 マリーとシアと一緒に行こうかと思ったが、何だか恥ずかしいのでやめておいた。

 「そう言えば、お前マリー達になんて言ったんだ?」

 「何の事ニャー?」

 タマは不思議そうに言う。

 「リリアとかの事をマリーに言ったんだろ?」

 タマは、やっと納得がいった顔をした。

 「あれかニャ。秘密ニャー」

 言わないのかよ。

 てっきり言ってくれるのかと思ったがやっぱり内緒らしい。

 けど、タマには感謝している。

 「ありがとな」

 「私は何もしてないニャー」

 何だ。タマがかっこよく見えるのは気のせいだろうか。

 「それよりもお腹すいたニャ。感謝してるなら何か食わせてニャー」

 .......どうやら俺の目の錯覚だったらしい。

 それから俺とタマで話しながら森へと入り、村が見えた。

 「すいません。以前来たレイロード何ですけど、オリドさんに来いと言われたので来たんですが」

 門番の人がいたので、そう言った。

 「付いて来い」

 門番の人がそう言って歩き出したので、ついて行くとオリドさんの家に連れて行かれた。

 オリドさんの家に着くと、門番の人は去って行った。

 そんなかっこよく連れて行ってくれなくても、オリドさんの家なら前に行ったことがあるから分かるのにとは、口が裂けても言えない。

 俺とタマはオリドさんの家に入ると、オリドさんが居間に座っていた。

 「意外と早かったのう」

 そこには俺達が村に来た時と変わらないオリドさんがいた。

 「皆が励ましてくれたお陰ですよ」

 「それでも早いのう。私が落ち込んだ時は、一年ぐらい立ち直れんかったもんじゃ」

 この人も色々経験してきたのだろう。勇者だった頃に。

 俺はほぼ確信している。あの強さは勇者で間違いないと。

 「それで話してくれるんですよね?あなた自身の事」

 俺がそう言うと、オリドさんの雰囲気が変わった。

 「そうだな。だがその前に、この村で色々世話になったあんたの親父達を助けてやれなくてすまなかった」

 オリドさんは、頭を下げて謝ってきた。

 「何でオリドさんが謝るんですか。悪いのは刺した魔王と何も出来なかった俺です」

 「まあ。俺がもっと早く来てればと思ってしまうんだよな」

 その気持ちはよくわかる気がする。

 「それよりも俺の過去の話だよな。意外と簡単な話だ」

 そう言い、オリドさんが話してくれた内容は俺を驚かせるには十分だった。

 やはり、オリドさんは勇者だった。

 オリドさんは、ザラクを倒した後パーティーの皆でアドルフ王国で楽しく暮らしていたらしい。

 だが、エルフの呪いについて皆に広まってしまう。

 そこでパーティーメンバーだったエルフは皆の前から消えると告げた。

 だが、他の皆は全員反対した。

 何処かに行くなら、自分達も行くと言った。

 だが、仲間のエルフは皆にそこまで迷惑をかけられないとの事で、一人で消えてしまった。

 そこで先程オリドさんが言った通り、一年間落ち込んでしまったらしい。

 勇者になっても何も出来なかった自分を。

 そしてやっとの事で立ち直ったオリドさんだが、数年後あることに気付かされたらしい。

 他のメンバーは少しずつ老けてしまっているが自分だけが何も変わってない事に。

 勇者が、呪いを受けた理由。

 他の人達がかかってないことから、エルフだけにかける呪いが前衛にいた自分もかかってしまったということだ。

 それが分かったオリドさんは、仲の良かったアドルフ王に相談したらしい。

 アドルフ王には、この国にいたら危ないと言われたらしい。

 これから色んな人に白い目で見られることは確実だろうとの事。

 なので、一つ提案されたらしい。

 この国にいる奴隷を連れて何処かで過ごしてみたらと。

 アドルフ王もこの国にいる奴隷をどうにかしたかったらしい。

 勇者はその提案に了承した。

 それからは既に奴隷門を付けられている人は、アドルフ王が買い、奴隷門を付けられていない人は勇者が助け出し、全員を連れてこの森に村を作ることにしたらしい。

 普通はこの森には魔物がいる為、ここを通る人は少ないと言われたからだそうだ。

 初めは、村を作る事も大変だったが、アドルフ王が、援助してくれた事もあって何とか村を作りこの村で、ずっと生活していたというものだった。

 「そんな事があったんですね。後一つ聞いていいですか?」

 「なんだ?」

 「魔王との戦いの時に、精霊がどうとか言ってませんでしたか?」

 「ああ。あれか。俺は精霊の加護をうけていたんだよ」

 「うけていた?」

 「ああ。精霊の加護は、その精霊に認められた者にしか現れないだ。それで俺は認められたんだが、精霊は俺が戦いを辞めてから、また違う人を探すと言って、精霊の加護を少しだけ与えて、何処かに行ってしまったんだ」

 そんな話は初耳だらけだが、俺は一つ気になった。

 「オリドさんの精霊も未来予知なんですか?」

 オリドさんは首を横に振る。

 「俺のは、身体強化の加護だよ。精霊にも色々種類があるらしいからな」

 やはりそうだったのか。

 オリドさんの戦う姿を見て、未来予知をしているようには見えなかったんだよな。

 「まあ。これが俺の全てだよ。また何かあったら来い。少しだけなら、手助けしてやれるかもしれないからな」

 「何であなたはそんなにもよくしてくれようとするんですか?」

 「だから、お前さんの親父達には、本当に世話になったんだ」

 「それだけですか?」

 俺はそれだけじゃない気がする。

 「......正直に言うと、お前さんに期待してるからだよ」

 「俺に期待?」

 「邪神を倒して、平和にしてくれそうな気がしたんでな。手助けしてやろうと思ったんだよ」

 そう言うことだったのか。

 だけど俺にそんな期待をしないでもらいたい。

 今は、まだ弱い。

 これから強くなるから、後々期待してほしいものだ。

 だからこそ今手助けしてもらおう。

 「あの今からお願い聞いてもらってもいいですか?」

 「なんだ?」

 「俺と勝負してください」

 俺は、今後の為にそう提案するのだった。

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