チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります

平涼

第五十一話 挫折と後悔

 俺が、目を覚ますと、何処かすぐに分かった。

 自分の部屋のベットだ。

 「大丈夫!?」

 俺の横にはマリーとシアがいた。

 「俺は大丈夫」

 マリーが心配してくれてくれるが俺はそれどころじゃない。

 「戦争は?」

 「無事勝ちましたよ」

 シアが答えてくれる。

 そうか。戦争に勝てて、嬉しいはずなのに全く嬉しくない。

 「それで、俺なんでここにいるの?」

 「オリドって人が、ここまで連れてきたのよ。後伝言を受け取ったわ」

 「伝言?」

 「自分の気持ちに整理が出来たら、村に来てくれって。恩人の息子には全て話してあげるからって」

 オリドさん。謎が多い人物だ。

 あの人が、本当にオーウェルなら、なんで生きているのか、色んな事を聞きたい。

 「ちょっと行ってくるよ」

 俺は、そう言って立ち上がろうとした。

 だが、二人に止められてしまった。

 「ちゃんと聞いてた?気持ちに整理がついたら来いって言ったのよ」

 俺はちゃんとついている。

 「ちゃんとついているよ」

 「じゃあ、その顔はなんなのよ」

 マリーに言われ、鏡を見た。

 そこには、絶望しているような顔をしている自分の姿が映っていた。

 「ははは」

 何故か笑いが出てくる。

 何だろうか。この顔は。前世の俺の顔とそっくりだ。

 俺は、夢だと信じたいが、聞いた。

 「お父さんと母さんは?」

 俺が、それを聞いた瞬間目を逸らした。

 やっぱりそうなんだよな。

 「死んでしまいました。今はこの家の庭に墓を作りました」

 シアが答えてくれた。

 やっぱりそうなんだ。

 あの人達は、死んでしまったんだ。

 何でだろう。

 分かっていた事なのに俺は涙が止まらない。

 「ごめん......今日は帰ってもらっていいか」

 俺は、心配して来てくれた二人に帰ってもらった。

 何て奴だろうか。

 けど、俺にはこれから家族に謝らなければならない。

 俺は、重い足をどうにかしながら下に降りた。

 そこにはココ、ロロ、アネットがいた。

 「ごめん。俺のせいで親父達が死んでしまった」

 俺は、何の言い訳もせず謝った。

 「別にお兄ちゃんのせいじゃ......」

 ココが言うよりも前にロロが口を挟んだ。

 「どうして.....お父さんとお母さんは死なないといけなかったんですか?」

 ロロが目に涙を浮かべ聞いてきた。

 俺はそれに答えることが出来ない。

 「どうして.....いつも優しいお父さんと......お母さんが.....」

 ロロが泣き出した。

 親父と母さんを一番好きだったのはロロだ。

 いつも母さんか親父の後を追いかけて過ごしてきた。

 それなのに俺のせいだ。

 それから、ココもアネットも我慢出来ずに泣き出してしまった。

 俺は、土下座をして謝る事しか出来なかった。

 ココとロロは泣き疲れて寝てしまった。

 「レイ君は疲れていると思いますので部屋で寝てください」

 アネットがそう言う。

 だが、俺は部屋に戻る途中もロロのお母さん、お父さんと言う寝言がずっと頭の中に残っていた。

 俺は、部屋に戻っても、何もやる気が出てこなかった。

 俺のせいだ。

 それしか考えられなかった。

 俺がもっと強ければ、大切な人を守れたはずだ。

 もし、俺があの時新しい技を使っていたら何とか出来たんじゃないのか、俺は後悔しか思い浮かばない。

 「ごめん.....ごめん......ごめんなさい」

 俺は、口にして謝りながら泣いてしまう。

 誰に謝っているのか分からない。

 だけど、謝らなければ気が済まなかった。

 俺は、もう何も考えたくなくて、寝た。

 ~三日後~

 俺は、眠れなくなってしまった。

 寝ると、何度も、何度も魔王に親が殺された所が再現される。

 そして、起きると涙が出てきてしまう。


 飯もろくに食えなかった。

 食べると、俺だけがこんなおいしい物を食べていいのかという気持ちになり全て吐いた。

 こんな俺が、まだ自我を保っていられるのはタマのおかげだろう。

 タマは、何も言わないがずっと俺のそばにいてくれている。

 いつも暇だと駄々をこねるこいつが、今は何も言わずずっと俺のそばにいてくれる。

 俺は、それだけが、心の救いだった。

 こんなにもこいつに感謝する日が来るとは思わなかった。

 こんな俺がずっとこの部屋で休んでいる間も色んな人がお見舞いに来てくれた。

 マリー、シア、アラン、校長やナタリア先生までもが来てくれた。

 皆、俺に部屋から出るように言ってくる。

 だが、俺は出る気にはなれなかった。

 アランは、この戦争で何十万人の人が死んで、辛いのはお前だけじゃないと言う。

 だからなんだと思う。

 皆も頑張っているから、俺にも頑張れだって。

 他の奴らと、俺は違う。

 俺の親は、俺のせいで死んだんだ。

 俺がこの世界に転生なんかしてこなかったら、良かったんだ。

 俺が、最強なんて目指さなければ、俺達は今頃幸せに暮らしていただろう。

 けど、本当は分かっている。

 俺が頑張ったから、リリア、セシリア、タマ、マリー、シアにも出会うことが出来たってことは。

 だけど、ならどうすれば良かったんだよ。

 俺が、そう思った時だ。

 ドアから誰か入ってきた。

 その人物は、マリーだった。

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