チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります

平涼

第四十七話 それぞれの思い・神のお告げ

 「どうしたんだ?」

 俺は、マリーとシアに聞いた。

 「話があるの」

 マリーが、そう言うので、三つ椅子を土魔法で、作り椅子に座らせた。

 少し、無言の間があったが、シアが意を決して喋った。

 「私とマリーは戦争に参加します」

 ......は?

 俺は、一瞬何を言ったのか分からなかった。

 「どうして?」

 俺は、今相当テンパってるだろう。

 「三カ月だけど、私はこの学校に世話になった」

 それにシアも頷く。

 「けど、命をかけてまでやる事じゃないだろう」

 俺は、そんだけで、戦争に参加するとは思えない。

 「それに、私は今の生活が楽しくてしょうがない」

 「私も今の生活がとても楽しいです」

 「「だから今の生活を失いたくない」」

 二人は、自分の気持ちをはっきり伝えた。

 これは、納得させるのは、俺には無理だ。

 なんせ、俺も今の生活の為に頑張るんだから。

 「俺も参加するから、皆で勝とう」

 それに皆頷いてくれた。

 そして、俺は密かに戦争が終わって無事に帰ってきたら二人に、

 ~マリー視点~

 私は、初めから戦争に参加するつもりだった。

 これまでの三カ月の学校生活は、私にとって一番楽しくてしょうがなかった。

 シアも同じ気持ちだった。

 だからこそ、私達は戦争に参加するだろうレイの家に行った。

 アネットさんに家にいれてもらったが、そこでは、今まで見たことが無かった、レイのお父さんとお母さんが喧嘩していた。

 私は、気になりながらも、レイの部屋にシアと向かった。

 初めは、レイも反対したが、私達の気持ちを聞いて、一緒に戦おうって言ってくれた。

 だからこそ私は決意する。

 この戦争が、終わったら私はレイに、

 ~アスタナシア視点~

 私には、秘密がある。

 けど、これは今言うべきことじゃない。

 レイにも気持ちを言うべきではない。

 だけど、それは無理だ。

 私は、レイの事が大好きです。

 もう、これを隠すのは、難しいと思います。

 だからこそマリーとも話しました。

 そこで、一つの結論に至りました。

 それは、戦争から無事に帰った後に伝えると決めた。

 だから、私も決意した。

 この戦争から無事に帰ってきて、私は二人に秘密を話す。

 そして、私はレイに、

 ~全員視点~

 告白する。

 皆、受け入れてくれて、これまでの生活が崩れないことを密かに、三人は願うのだった。

 ~レイロード視点~

 俺達は、明日校長に参加することを言いに行くということでこの話は終わった。

 すると、マリーから親父達が喧嘩している事を聞いた。

 なので、俺は、マリー達を連れて、下に降りた。

 すると、親父が疲れ切った表情をしていた。

 親父は、俺の存在に気付いたようだ。

 「ああ。レイか。丁度良かった。アンナをどうにかしてくれ」

 俺に助けを求めてきた。

 「何があったの?」

 俺は、まず事情を聴くことにした。

 事情を簡単にまとめると、こんな感じだった。

 親父達も、今回の戦争の話を聞き、親父は出ると言ったそうだ。

 すると、母も行くと言い出したらしい。

 以前、親父が一度お金を稼ぐ為、クエストに行った時、重傷で帰ってきたことがあったらしい。

 それからは、母さんも親父について行くようになったらしい。

 それで、今回もついて行くと言っているらしい。

 今回は、本当に危険だし、親父は前線だ。

 そこについて来るのは、流石に危険だからダメと言う親父。

 絶対について行くいう母さん。

 「俺もお父さんの意見に賛成だな」

 俺は、そう言った。

 なんせ、本当に危険だ。

 親父は、冒険者としての、実力があるからいいからまだ反対はしないが。

 「レイは知らないから分からないと思うけど、私も火魔法と風魔法を上級まで使えるようになったのよ」

 「だから、それでも厳しいんだ」

 親父は反対する。

 俺もそれでも反対だ。

 「レイも参加するんでしょ?」

 母さんは、俺に唐突に聞いてきた。

 「俺は参加するよ。母さん達には何処かに逃げて欲しいけど」

 俺は、母さんにそういうが、母さんは首を横に振る。

 「なおさら行くわ」

 親父は、俺にどうにかしてくれという目で見てくる。

 俺にどうしろと。

 そこで、タマが唐突に言った。

 「アンナ。正直に気持ちを伝えた方がいいと思うニャー」

 気持ち?

 俺は、タマが言う言葉が理解できなかった。

 母さんは、タマを驚いた顔をしてみて笑った。

 タマは頷いている。

 「やっぱり、猫神には分かるのね」

 母さんは、そう言って、俺達を見た。

 「もう、私が知らない所で、大切な人が、傷ついたり、何処かに行ったりしてほしくないの」

 俺と親父は、その言葉に驚愕した。

 母さんが、そこまで思っているとは思っていなかった。

 「俺は、母さんを連れて行っていいと思う」

 だからこそ賛成した。

 俺が、逆の立場だったら嫌だろうし。

 親父は、ため息をつきながらも、

 「分かった。その代わり、俺から離れるなよ」

 母さんは頷いた。

 その光景を他の人達は、温かい目で見ていた。

 一件落着して、マリー達も帰り、俺も自分の部屋へと向かった。

 さて、俺の三つ目の選択肢は失ってしまった。

 アネット達も、ここに残るそうだ。

 ならば、俺はこの戦争に勝つ為にやれることを全てやろう。

 そう思い、寝るのだった。


 俺は、また白い空間にいた。

 これで三度目か。

 俺の目の前には、神イルイラがいた。

 俺は、イルイラに会ったら、ずっと言おうと思っていたことを言った。

 「あの森の時はありがとな」

 「ああ。それは別に気にしなくていいよ。今回は長話をしに来たわけじゃないんだ」

 前回の二回は、毎回長話をしていたのにどういうことだろうか。

 「君は、戦争に参加するんだろ?」

 「ああ。そうだが」

 突然どうしたのだろうか。

 「君に一つだけ神のお告げを言おう」

 「お告げ?」

 お告げって、確か、ためになるものだよな。

 「昨日の敵は、味方だ」

 「どういう意味だ?」

 「この言葉をなぞなぞか何かだと思ってくれたまへ」

 俺は、その言葉を聞き、意識は、薄れていった。

 神は、レイがいなくなった時呟く。

 「君が、この困難を乗り越える事を心から祈っているよ」

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