チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります

平涼

第三十九話 入学式

 俺を叩いた張本人は、少し考えてようやく分かった。

 あの街ストラードの奴隷だった黒髪の女の子だ。

 「久しぶりね。まさかこんな所で会えるなんてね」

 黒髪の女の子はそう言うのだが、先程叩いた事もあって結構周りから見られている。

 こんな恥ずかしい目にあって、叩かれたからには何かやり返したい。

 「誰でしょうか?私は知りませんが」

 知らないふりをしてやった。

 その瞬間黒髪の女の子は不敵な笑みが消え去り顔を真っ赤にしながら慌てて言った。

 「すすすすいません。知り合いに似てたもんで!」

 その慌てようが面白くて笑いが堪えきれなく笑ってしまった。

 ......あ。やばい。

 そう思った時には、遅かった。

 黒髪の子は顔を真っ赤にして、

 「やっぱりあんたじゃない!」

 今度は顔面をぶん殴れてしまった。

 それからなんとか怒っている黒髪の子を宥め改めて聞いた。

 「どうして、お前こんな所にいるんだ?」

 「強くなる為に」

 そういえばそうだった。

 この子は奴隷商人達にも負けないくらい強くなりたかったんだ。

 「けど、お金高かったんじゃないか?」

 「それは、私を助けてくれた人が、払ってくれたわ。だからこの学校で強くならなきゃならないの」

 黒髪の子は決意のこもった目で言った。

 この子も前に進んでいるんだな。

 そう改めて思った。

 俺と黒髪の子は一緒に教室に向かうことにした。

 向かう途中改めて自己紹介した。

 「俺の名前レイロードでレイでいいよ。お前はなんて言うの?」

 「マリーよ。ていうかあんたって何歳なの?」

 「今日で八歳になる」

 「年下じゃない!?」

 マリーは驚いた顔をした。

 「そういやマリーって、何歳なんだ?」

 「十二歳よ」

 「めっちゃ年上じゃないか」

 確かに、身長はマリーがちょうど百五十センチぐらいで少し俺よりも高いが、まさかそんなにも違うとはな。

 「あんたってその強さでまだその歳なのね」

 マリーは、こちらをじーと見ながら、しみじみ言う。

 「それよりも教室何処か見ないとな」

 そう促し教室の名前を見る。

 この世界でも、学校の仕組みはそんな違いはない。

 A~Eクラスまであって、その何処かのクラスにランダムに入れられるらしい。

 俺はクラスの名前を見てみると意外と早く見つけられた。

 「レイは、何処のクラスだったの?」

 「Aクラスだったよ。そっちは?」

 「奇遇ね。私もAクラス」

 俺は改めて、クラスを見るとマリーの名前もあった。

 「じゃあ一緒に行くか」

 マリーは頷き一緒にクラスに入った。

 そこには色んな人物がいる。

 護衛を付けた貴族の様な連中や、ギャルの様な金髪やピンクの髪をしている奴らもいた。

 このクラスはもしかしてハズレか?

 そう思わずにはいられない。

 よくある話だ。

 問題児をバラバラに置くのではなく一箇所にまとめて置いておくという処置だ。

 ならば何故俺とマリーがこのクラスなのかは疑問だがこれは俺の妄想だから気にすることもないだろう。

 はっきり言えば偶然という考えもあるしな。

 そう結論付け席に適当に座る。

 席は早いもの順で座るらしい。

 隣にマリーが座ってお互い雑談をしながら先生が来るのを待った。

 先生は若い女の先生だった。

 「初めまして、皆さん。このクラスの担任のナタリアです。これからよろしくお願いします」

 担任の挨拶から俺達は互いに自己紹介をして言った。

 それから入学式を体育館で行う為移動するらしい。

 俺とマリーは皆が行った後に最後に行こうとした所で、

 「ちょっとレイロード君にはお話があるので残ってもらっていいですか?すぐ終わるので」

 ナタリア先生はそう言った。

 「マリー。すぐ終わるから先に行ってて」

 マリーは頷き教室を出た。

 「それで、僕個人になんの用ですか?」

 「入学式が終わったら校長室に来てくれと校長が仰っていました」

 「はぁ、分かりました。何の用事も無ければ、行きますので」

 俺はそう先生に言い、マリーの元に戻った。

 校長からの呼び出しと言えばあの答案用紙だろうな。これで俺が気になっていることがあっているのかが分かる。

 「ごめん。遅くなって」

 そんな遅くなっていないかもしれないがこれは一応言っておく。

 「別にそんな遅れてないでしょ。それよりも何だったの?」

 「いや。ほんとにただの雑談だったよ」

 俺達はそれから皆がいる体育館に行った。

 そこからは何事もなく入学式が行われた。

 話が長い為改めてこの学校について復習する。

 魔法学校。

 その学校は、魔法学科一つの学科の学校だ。

 六年間勉強をし卒業を貰える。

 三年の頃には一つの魔法について学ぶ事も出来る。

 この学校を卒業をすると大抵の人は魔法に関連する職業に就職出来ると言われている。

 そしてこの学校にいる特別生。

 特別生は学校側から逆に入ってくれと推薦を貰うことで学費免除を得ることが出来る。

 そんな生徒が今丁度壇上に三人ほどいる。

 眼鏡をかけきっちりとした性格っぽい人。

 何処かの護衛隊長でもやっていそうな赤髪ポニーテールの女の人。

 そしてその中でも一際目立つ存在が丁度マイクを持ち挨拶を行った。

 その人は美しい水色のロングの髪綺麗な顔立ちをした人だった。

 「皆さん。入学おめでとうございます。これから皆さんには学校で困難や苦難が待ち構えているかもしれません。しかしそこで挫折せず乗り越える事によって開かれる扉があると思います。それを成し遂げる人材がここには沢山いることを祈っています。特別生代表アスタナシアより」

 その瞬間、盛大な拍手が広がった。何処かのアイドルかよ。

 アスタナシアさんは一礼し後にいる二人を連れて去っていった。

 あの人綺麗なだけじゃなく強いな。感だけど。

 俺はそう思いこれからの学園生活が面白くなる事を祈る。

 入学式が終わりマリーにはは教室に戻った所で少し用事があると伝え校長室に向かった。

 校長室をノックすると、

 「入って下さい」

 「失礼します」

 そう言い校長室へ入った。

 そこにはエルフの青年がいた。

 やはり、あれは変身魔法だったか。

 「驚いたり、怖がったりしないんですね」

 「エルフと冒険者をやっていたので。それに俺はエルフの呪いを信じてませんから」

 呪いについて知っているとは言わない。セシリアがそれを言ったらお偉いさんに消されるとか言ってたからな。

 「クックックックッ。本当に君は面白いな。これからの学校がどうなっていくのか本当に楽しみだよ」

 この人は俺をどんな存在と思ってるんだろうか。

 「俺はそんな凄い人物じゃありませんよ」

 そんなに期待されても困るので否定する。

 「本人がそう言うのならそういう事にしておきましょう」

 校長はニヤニヤしながら言ってくる。

 「今回呼んだのはそれだけですか?」

 「少し雑談しようと思ったのもあるんですが、今回は君に提案があって呼んだんです」

 「提案ですか?」

 「はい。それは......」

 そこに、話された内容は信じられるものではなかった。

「チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く