チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります

平涼

第三十三話 ぶち壊す

 俺は直ぐにセシリアさんとタマに伝えようと思い、部屋を開けた。

 「セシリアさん!タマ!大変......」

 俺はそれを言う前に固まってしまった。

 セシリアさんが着替え中でした。

 俺はセシリアさんの下着姿が美しくて、逃げる事を忘れていた。

 「お前はいつまでそこにいるんだ!」

 俺はセシリアに風魔法で吹き飛ばされた。はい。僕が悪いですね。

 ......セシリアさん。無詠唱出来るようになったんですね。

 俺はそう思いながらあまりの強い魔法に気絶するのだった。

 俺は目覚めてから、セシリアさん達にリリアの状況を報告し、手紙を見せた。

 「.......妙だな」

 セシリアさんは不思議そうな顔をする。

 「妙ってどういうことですか?」

 「私の思い過ごしならいいんだが、何故リリアはこんなにも優しい文章なんだ?普通本当にパーティーを抜けたいならもっと突き放した言い方でいいだろ。こんな言い方だったら私達が助けに行かない訳がない事ぐらい分かる筈だ」

 確かにその通りだ。

 俺は突然の事に予想以上に混乱していたらしい。

 「本当はパーティーを抜けたくないと?」

 「そうかもしれないし、私の思い過ごしかもしれないがな」

 俺は今まで黙っているタマにも聞いてみる。

 「タマはどう思う?」

 タマはうーんとしながら、

 「正直に言うと、半々ぐらいじゃないかと思うニャー」

 半々か。

 まぁ確かにそうだろう。

 これはもう殆ど俺達の妄想の様な話だ。

 リリアに確かめに行きたいが、これから行っても門前払いにあうだけだろう。

 なので俺達はリリアに何があったのかを水面下で探る事にした。

 だが、ここで問題が起きた。

 「つけられてるな」

 セシリアさんが呟く。

 やっぱりそうか。

 俺達が宿を出たぐらいの所で、誰かに見られている気はしたが気のせいかと思ったが違うらしい。

 「タマ。あいつら誰か分かるか?」

 「多分、リリアの貴族の連中だと思うニャー」

 確かに狙われるとしたらその人達だろうな。

 俺達が何かしでかさないか見張っているのかもしれない。

 これは何かあるって言っているようなものだ。

 「セシリアさん。タマ。これから1ヶ月の間、クエストを受けるのを中止してもいいですか?」

 セシリアさんとタマは頷いた。

 俺はそれからこれから俺が考えた作戦を伝えた。

 「セシリアさんとタマには申し訳無いですがいいですか?」

 「私は大丈夫だ」

 「私もセシリアとボードゲームでもしてるニャー」

 セシリアさんとタマは反対しない。

 ならこれから作戦開始だ。

 ~一ヶ月。リリア視点~

 私は物心付いた時からお爺ちゃんの家にいた。

 その時の私は親が亡くなり、おじいちゃんの家に来たという事だけは分かっていた。

 私は何を思ったのか、その時から明るく元気に振舞っていた。

 そうじゃないと、気に食わなかったら私が追い出されるとか思っていた。

 一度性格を偽れば、歯止めが効かなくなった。

 私は疲れるが誰にも嫌われず愛され続けるこの性格を続けていこうと思った。

 それが誰にも嫌われずに済むのだから。そう思っていた。

 だけどそれが間違いだと気付かせてくれたのが先生だった。

 先生は私の性格にも気付き、私が性格を偽るような女でありながらも優しく接してくれる人だった。

 だけど私はそんな先生と別れた。

 私がパーティーを抜けて、もう一ヶ月が経った。

 先生達は今何をしているだろうか。

 こう思うのも何回目だろうか。

 あの一ヶ月前に突然、私の前に自分の家の執事が現れた。

 私達は冒険者として有名になったらしい。

 それでこの執事の人は私達の事を気になって見に来た時に自分がお父さんの娘だって事をすぐに分かったらしい。

 そこで一度自分の家に戻った。

 私に家に戻るとお父さんの弟の次男の人に貴族の男と結婚してくれないかと言われた。

 要するに政略結婚だ。それによって貴族は段々と成り上がる仕組みだということだけ覚えている。

 初めはきちんとお断りした。

 だが、あの次男の執事は私を脅した。

 もし、戻ってこないのならば、お金でアランを雇い、お前らを襲わせると。

 初めはアランがそんな事をする筈がないと思った。

 だが、あいつは戦闘狂だ。

 もし、私達と戦え、更にお金が貰えるとなるとどうなるだろうか。

 私はそれを思った時、もう答えは一つしか残されていなかった。

 そして、私は自分の家に帰った。

 今、私は結婚式用にドレスを着替えさせられている。

 「リリアお嬢様。大変良くお似合いです!」

 何も知らない、メイドの人ははしゃぎながら言う。

 私もこれが望んでいるものならば、はしゃいでいるかもしれない。

 相手の方は普通にイケメンで、優しい方らしい。

 だけど今の私はそんな人にも魅力を感じられない。

 もっと凄い人物を知っているから。

 「そう言えば、今回の聖職者の方はなんと、一ヶ月で聖職者になった、超エリートらしいですよ!」

 このメイドは私にも気さくに話しかけてくれる。

 この人の存在が私の救いでもある。

 「そうなのね。楽しみ」

 私はまた偽りの性格を演じることになった。

 流石に貴族になるのに、あんな性格だと駄目だと自分で思った。

 私はネックレスを付けて、メイドと一緒に結婚会場へと向かった。ねっく

 私の横には今回私の夫となる人物がいる。

 「これからもよろしくお願いします。リリアさん」

 何も知らないこの男はそういう風に言う。

 「はい。これからもよろしくお願いしますね」

 私もそう言うしかなかった。

 それから結婚式が始まった。

 先生達が助けに来るかもと心配していたけど、1ヶ月前にこの国を出たのを見張っていた人達に聞いた。

 やっぱり先生には自分の道を突き進んで欲しいと思う。

 はあ。私はいつからあんな生意気だった年下の事を先生と呼ぶようになって好きになったのかしら。

 今では先生の事ばかり考えてしまう。

 自分でも分かっていた。

 多分先生と模擬戦で戦ってからだと思う。

 初め私は先生の事を気に食わない子供だと思っていた。

 こんな奴には面接なんて受かりっこないとも思った。

 けど、先生は受かってしまった。

 だが、私はそれがどうしても気に食わなかった。

 こんな年下の子供に教えて貰うなんて屈辱でしかなかった。

 魔法に関してはその時から凄い人だったけども。

 だから授業も適当に受けて直ぐに辞めるだろうと思った。

 けど先生は辞めなかった。

 何度も、私にわかりやすく、興味を持たせる様な授業をしようと頑張っていた。

 流石に私もあの時はきちんとやろうかなとは思った。

 けど、やはり自分のプライドが邪魔をする。何度も適当に答えてしまう。

 そんな時、模擬戦があった。

 初め私はこんな奴に負ける筈がないと思った。

 賭けでも、魔法だけを教えて貰う様にしてもらうよう考えていた。

 だけど模擬戦が始まった時、私は完全敗北した。

 私は悔しくてたまらなかった。

 多分、先生は私の家庭教師を辞めたいと言うと思った。こんな性格偽るような生意気な私なんかに教えたいと思うはずが無いのだ。

 だけど、先生は私を見捨てる事をしなかった。

 その言葉を投げ掛けられた時、私は今までの自分が恥ずかしくなり、真剣に頑張ろうと思えた。

 その時から段々先生は、私の尊敬出来る人でもあり好きな人でもあった。

 だから自主練をしている時に私も一緒にやりたかったけど、私にはそんな資格はなかった。

 散々先生を馬鹿にしておいて、そんな事が言えるわけがなかった。だから見るだけにしようと思ってた。

 けど優しかった先生はそこでも私に優しかった。

 先生と一緒に過ごした日々は本当に楽しくてこれからも家庭教師としてこれからも続いてくれたら嬉しいと思っていた。

 そんな事は不可能だという事が分かった。だって先生は学校に行きたいと言っていた。だからこそ私も学校に行きたいとその時だけは素直になれた。

 本当に学校が、これからの人生が楽しみだった。

 けどそんな時村が襲われた。

 村の襲撃が私のせいだと分かり、私は先生と一緒に居てはいけないのではないかと思えた。

 それに先生の事を好きになっていたらこれから先生にも迷惑をかけるんじゃ無いかと思えた。

 だから私はあの時、先生の事をきっぱり諦めるつもりだった。

 けど、先生とフラウスの決闘を見た。

 先生は自分の限界を越え、フラウスを倒してしまった。

 私はそんな先生の姿にまた惚れてしまった。

 その時、私は思った。

 私は多分何度諦めても、この人の事をまた好きになってしまう、そう思えた。

 それからは楽しい日々が続いた。

 先生、私、セシリア、タマの皆で過ごした日々はかけがえのないものだった。

 けどそれは諦めるしかない。

 もう先生の事も諦め、この人とやっていこうと決めた。

 そこで聖職者の最後の言葉だ。

 「如何なる時も、互いを愛し、支えあっていけると誓えますか?」

 聖職者は男の方を見て言う。

 「誓えます」

 次に、聖職者の方は私の方を見て言った。

 「貴方は誓えますか?」

 その問に私が答えようとした時、聖職者の言葉が続いた。

 「それとも、また今までの様な冒険者としての生活をしたいですか?」

 私はその言葉にハッとして、聖職者の方をよく見た。

 他の人には分からないかもしれない。

 けど私にはわかる。

 私の目の前にいる聖職者は、黒髪だけど私の大好きな先生だと。

 ~レイロード視点~

 俺は一ヶ月前、計画を考えた。

 それは、まず見張られているあいつらをどうにかしなければいけなかった。

 なので、一度国を出た。

 国を出れば流石に見張りの人も追いかけてこないので、ここで作戦会議だ。

 セシリアさんとタマには申し訳無いがこの荒野に残ってもらい、俺はタマに昔の自分、
赤江樹の姿に変身魔法をかけて貰った。

 変身魔法をかけて貰った俺は、その格好で聖職者になる為の勉強を始めた。

 聖職者とは、結婚式の祝辞を述べる事などをしている人だ。

 計画は、俺が死ぬ気で勉強をし聖職者になり、リリアの気持ちを確かめるというものだ。

 この計画は見事成功し、俺はリリアの結婚式の聖職者になれた。

 流石にあの聖職者の勉強は死ぬかと思った。だからここまでしたんだからリリアの気持ちを聞かなければならない。

 リリアは俯いていた。

 だが、周りも何やら騒がしくなってきた。

 だが俺にはリリアが俺達といたいと言っていると過言ではない、ネクレスがあった。

 あれは間違いなく俺があげたものだ。

 なので、俺は言ってやった。

 「貴方はレイロードとその仲間と一緒に冒険をまたしたいんじゃないんですか?」

 リリアは初め呆然としていたが、俺がレイだと気付いたらしい。

 リリアは目を合わせずに言う。

 「......しょうがないんです。私が貴族になれば全て丸く収まるんです」

 ......違う。

 俺が聞きたいのはそんな事じゃない。

 「俺はお前の気持ちが知りたいんだ!お前は俺達と行きたいのか!行きたくないのか!どっちだ! ?」

 リリアは俺が怒った事に多少驚いた。

 けど、笑顔で、

 「.......私はあなた方と冒険をしてもいいんでしょうか?」

 「レイロードなら許してくれますよ」

 「.......これからも迷惑....掛けるかもしれないのよ?.....それに...悪口言われたら.....暴力振るう女よ?」

 リリアは目に涙を浮かべながら言った。

 「俺達が望んでるのはそんなリリアだ」

 俺はそんなリリアに笑顔ではっきりと言ってやる。

 「.....私を連れ去ってくれませんか?」

 それが聞きたかった。

 俺はリリアの本心を聞けた事に安心し、今日の為に作っていた物を出した。

 「おい!貴様、何者だ?これから俺達と一緒に来てもらうぞ!」

 騎士達は俺を連れ去って行こうとする。

 それよりも前に俺は雷魔法を溜めた閃光弾を地面に放った。

 これ作るのが何気に一番大変だったのに一瞬でなくなったよ。

 「.......くっ!」

 騎士達は初めて食らう攻撃に対処出来ず、目に食らってしまった。

 俺はリリアをお姫様抱っこして結婚会場を抜け出した。

 何でこんなテンプレ展開になってしまったんだろう。

 「リリア。二度とこんな事するなよ」

 リリアは頷いた。

 「どうしたの?その恰好?」

 「タマに変身魔法をかけて貰ったんだよ」

 俺はそう言いながら、セシリアさん達が待っている国の出た所に向かう。

 急にリリアが塞ぎ込んだ。

 「私逃げてきたけど、そしたら、アランが来るって。やっぱり戻った方が.....」

 今更そんな事を言う。

 「それは大丈夫だ。俺はちゃんと事情を知ってるから」

 俺はあれからアランにもリリアがいなくなったことを報告した。

 その時、リリアが結婚する時の護衛をする事を聞いた。

 「俺はあの時の勝負の賭けを使って、アランには邪魔しないように言ったから」

 「私の為にそんな.....」

 リリアは信じられない顔をする。

 リリア、責任を感じているのかもしれない。

 けど今回は俺がリリアを助けたいから助けただけだ。

 「......私先生の邪魔にしかなってない」

 リリアは塞ぎ込みながら言う。

 いつものリリアは何処に行ったんだろうか。

 なんだかイライラしてくる。

 「リリア。俺誕生日プレゼント貰ってないよな?」

 「......え?」

 「俺はまだ貰ってない。だからあの時、お前が言ったプレゼントを貰う」

 リリアは一瞬呆けて、

 「それって......」

 .......やらかしてしまった。

 うじうじされるものだから、腹が立ってつい本音が漏れた。

 もうこの際だ。

 「だから、お前が欲しいんだよ。嫌ならしかたないけど......」

 俺は段々声が小さくなってしまう。

 しょうがないじゃないか。俺はプレイボーイじゃないから、そんな簡単には言えない。

 「.......プレゼントならしょうがないわね」

 リリアは顔を真っ赤にし、顔を逸らしながら言う。

 「嫌なら嫌とはっきり言って欲しいんだけど」

 そんなしかない風に言われると、罪悪感があるんですけど。何だか仕方なく付き合ってるような感じが凄い。

 リリアは俺を睨みつけ、

 「良いって言ってるでしょ!」

 俺の耳元で叫んだ。

 「それってオッケーって事?」

 俺が確認のために聞く。

 リリアは顔を赤くしながらも頷いた。

 俺も顔が真っ赤かもしれない。

 俺達はそんな中、セシリアさん達の元に戻った。

 リリアは俺から降りて、

 「皆ごめんなさい」

 リリアは皆に謝った。

 「気にするな」

 セシリアさんは笑顔で許してくれる。

 「仕方ないニャー」

 タマも許してくれた。

 「先生。ちょっとセシリアと話すわ」

 そう言って、二人で見えない所に行った。

 「なんなんだろうな」

 「そんな大したことじゃないと思うけどニャー」

 俺とタマで雑談をしてるとリリア達が帰ってきた。

 「私とセシリアは一緒にパーティを抜けるわ」

 そんな事を唐突に言ってきた。

 何処が大したことないのか教えて欲しい。

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コメント

  • べりあすた

    ネクレスってなんなん?

    2
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