チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります

平涼

第二十六話 奴隷少女

 俺達はあれからも冒険者として頑張り一カ月が過ぎた。

 Aランク冒険者になれるかもしれないが、やめておいた。

 Aランクは相当強そうな魔物だらけで、ゴーレムもAランクのクエストの中にあった。

 今の俺達ではギリギリ勝てるかぐらいだったのもあり止めておいた。

 ちなみに、Aランク冒険者になるとAから下のクエストを受けられなくなるのだ。

 それもある為、止めておくつもりだ。

 それにそろそろ俺達はこの街を出て行くつもりだ。

 お金も相当貯まり、俺が発注したクエストで親父達の情報もこない。

 馬車を用意して、旅の準備が終わり次第次の街に行くつもりだ。

 俺は親父達を見つけこれからの事を考えないといけないしな。

 俺達は旅の準備が出来るまで冒険者ギルドでクエストを受けいつものようにお金を稼いだ。

 「馬車は後どれぐらいで手に入りそうですか?」

 俺は宿に戻る途中セシリアさんに聞いた。

 馬車の買ったり売ったりと色々手続きが俺にはよく分からないので、セシリアさんに任せている。

 「そうだな。後二日後ってとこだな」

 「そうですか。なら馬車が手に入り次第この街を出ましょう」

 それに他の三人は頷き二日後にこの街を出発することが決定した。

 ~二日後~

 俺達は馬車を用意出来たのでこれまでお世話になった宿の主、ギルドの受付の人にお礼を言っていた。

 それから街を出ようとするとふと俺達の隣を馬車が通った。

 そこには、手に枷がはめられた人達が馬車に乗っている人もいれば、歩いて鎖と手枷を嵌めている人もいる。

 ......なんなんだ。これは。

 俺が不思議に思ってると、セシリアさんが説明してくれる。

 「あれは奴隷だな。馬車に乗っている所を見る限りでは、これから奴隷門を付けに奴隷商に行くのだろう」

 「奴隷門とは何ですか?」

 「奴隷門は奴隷の証で液体なんだ。それを体に掛けられると逃げ出すことも出来なくなる」

 何故奴隷門を今すぐに付けないのかそれは簡単だった。

 一度奴隷門の証である液体を外に持ち出し、奴隷になる人物にその液体を垂らそうとした時、鎖を引っ張りその液体を全部地面に落された事件があったらしい。

 この奴隷門の液体は非常に作るのが大変でお金もかかるので、きちんと奴隷商に行くまでに反抗されないように徹底的に痛めつけるらしい。

 なんてことなのだろうか。

 俺はこの世界もそういうことはないと思っていた。

 俺は日本出身だから、こういうのは無理だ。

 リリアもセシリアさんも歯を食いしばり、この現状を耐えているようだった。

 タマは見慣れているのかそちらの方を見ないようにしている。

 俺も見て見ぬふりをするのがいいだろう、と思いその馬車から目を背けようとするとすると、偶々目に入ってしまった人物がいる。

 黒髪ショートカットの女の子だ。

 この世界にも黒髪の女の子は普通にいる。

 けど、その子の目がどうしても俺の目から離れなかった。

 その子の目は何もかもを諦めているかのような目だった。

 ......ああ。そういうことか。

 俺は何であの子から目が離せなかったのかすぐに分かった。

 あの子は日本にいた時の俺と同じ目をしている。

 俺はあの子の事を助けて色々言ってやりたい。

 けど、これからやることは俺の自己満足であり、偽善者だ。

 そんな俺の勝手な行動で皆を巻き込んでもいいんだろうか。

 俺はこのパーティのリーダーなのにだ。

 俺がそんな事を思ってると、

 「お前の好きにしていいぞ」

 セシリアさんがそんな事を言ってくる。

 「私もあんなの見てられないのよ」

 リリアもそう言ってくる。

 タマは俺を見て頷いている。

 皆俺がやりたいことが分かっていたようだ。

 多分皆気持ちは同じだったのかもしれない。

 「これから皆にとても迷惑になることをする。いいか?」

 皆は笑顔で、

 「私は前にも言ったぞ。パーティは迷惑を掛け合うものだと」

 「先生だからしょうがないわ」

 「ご主人様の好きなようにして欲しいニャー」

 そう言ってくれた。

 だが、一つ聞かなきゃいけない。

 「なあ、タマ。奴隷に犯罪者とかはいるか?」

 「いないニャー。犯罪者だった人は奴隷じゃなくて、騎士に捕まり牢獄に入れられるからニャー」

 奴隷にもし犯罪者等がいるようならまだ考えないといけないがそうではないらしい。

 この世界の奴隷商は外道らしい。色んな場所から人攫いをしてそれを持ち帰る。

 だがこれを皆が何もしないのは周りに警護をしている冒険者か騎士の人達がいるそうだ。

 こんな行為は許される事じゃない。だが、奴隷は貴族等が買っている所が多いので誰も手出しが出来ないのだ。

 なら安心だ。

 それから、俺はこれからの事の計画を教えた。

 「その後の事はどうするんだ?」

 「それはあの人達自身に決めて貰おうと思います」

 「そうか」

 俺とセシリアさんの会話が終わり、計画は実行された。

 まず、俺が不意打ちで奴隷達を警護していた人を魔法で襲う。

 「なんだ!」

 流石は警備をしていた人だろう。俺の不意打ちもあっさり見破られ魔法を剣を受け止められた。

 だが、それは想定済みだ。

 俺はすぐにリリアとセシリアに中級魔法を打たせるよう指示をしていた為放たれ、護衛の人は避けきれず、当たって気絶した。

 今の声に反応したのだろう。

 奴隷の馬車に入っていた護衛も駆け付けた。

 「どうした!?」

 ここまでは計画通りだ。

 俺とリリア、セシリアさんは護衛の相手をする。

 その間、馬車の中から奴隷についてる枷の鍵を見つけ、外すのがタマの役目だ。

 だが、これは所詮計画だ。全て上手く行くわけがない。

 「鍵がないニャー。多分護衛の奴らが持ってるニャー」

 タマはそう言う。

 これでもう計画通りにはいかない。後は臨機応変に対応するしかない。

 俺は他の奴らが助けに来ないように、すぐにこいつらを片付けないといけない。

 俺は親父に習いずっと練習を欠かさなかった技を使う。

 剣を投げると見せかけ、上に投げ、相手が動揺してる間にナイフを足に刺した。

 「うああああ!」

 男は叫んでいる間に火の中級魔法を使い気絶させる。

 あと一人。

 もう一人の護衛は仲間がやられたことにより戦意喪失していた。

 「......何が目的だ。俺達に何でこんな事するんだよ」

 「それはこっちのセリフだ」

 俺は怒りを抑えながら言う。

 「何で、悪い事もしてない奴らを奴隷にするんだ」

 「そりゃあ、お金になるからに決まってんだろ!お前俺達にこんな事をしてどうなるか分かってるのか!? これからお前達は奴隷商人の人達から、目を付けられるんだぞ!」

 男はそんな怖がって言ってるのか、脅しているかよく分からないことを言った。

 「それはこっちが助かる。俺はこんな目をしてる人を見つけたらまた助けると思うからな。あっちから襲ってくるならこっちから襲いに行く手間が省ける」

 話は終わりだ。

 俺は最後の護衛の人を気絶させた。

 この馬車の中には奴隷商の人間はいない。全員護衛しかいなかった。

 最後の護衛が奴隷達の枷の鍵を持っていた。

 鍵を手に入れ、奴隷達の手枷を外してやる。

 「俺にはここまでの手助けしかできない。これからは自分達の力で頑張って生きてくれ」

 俺がそう言うと皆は喜びに涙を流しているものもいた。

 それから、皆は俺達にお礼を言いながら、何処かにに去って行った。

 だが俺が先程見かけた黒髪の女の子がいた。

 「お前は逃げないのか?」

 「......別に逃げてもどうせ追手が来て捕まえられる。皆分かってない。あいつらは絶対にしつこく捕まえに来るのよ。そして更に痛い目に合わされる。それならもうここにいた方があんまり痛い目に合わずに済むからいるのよ」

 黒髪の女の子はそう言う。

 こいつは本当に俺の前世に似ているなと思う。

 俺も立場が逆なら期待してまた捕まるぐらいなら、ここに居ようと思うかもしれない。

 だけど、教えてあげたい。

 「まだ、お前は捕まるか決まってないぞ?」

 女の子はその言葉に鼻で笑った。

 「あんたみたいな強い奴に私の事なんか分かるわけないでしょ」

 リリアはその物言いに、怒ったらしく、

 「あんたね。助けて貰っといて....」

 俺はそのリリアの言葉を手で遮る。

 「俺は強くないよ。もし俺が強いと思えるなら君でもその力を手に入れられるはずだよ」

 「そんなわけない!あんたみたいな才能の塊の人間に分かるわけないのよ!弱い人の気持ちが!」

 女の子は強く否定した。

 「俺はこれまで才能なんて何一つなかった。けど、それでも努力した。努力だけで人は強くなれる。それは俺の命にかけて保証する」

 女の子は不安そうに聞いてくる。

 「.......私でもあいつらに復讐出来るぐらい強くなれる?」

 「当たり前だ。俺で強くなれたんだ。お前が強くなれないわけがない。だけど、強くなる為にはここからまずは逃げろ。じゃないと復讐も何もないだろう?」

 女の子も決意は決まったらしい。

 「分かった。私ここから逃げて、あいつらに復讐出来るように強くなる」

 「それがいいだろう。だから絶対に捕まらないで、出会ったら俺と勝負でもしてみよう」

 「分かった。あんたより強くなってボコボコにしてあげるわ」

 助けた恩人をボコボコにすると言うのは初めて聞いたぞ。

 女の子は最後に笑顔で言い逃げて行った。

 俺達もそろそろ出ないといけない。

 「よし。行こう」

 俺達はこの事件の後、街ストラードを出て新たな旅を始めるのだった。

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