チート・ご都合主義いらないけどハーレムいります
第十四話 模擬戦
俺は今日も昨日の調子でやっていけると思ったのが間違いだったらしい。
今リリアは完全やる気ゼロ状態だろう。
その原因は俺でも多分分かる。
今日魔法の勉強が無いのだ。
今日は算数と剣術だ。
どうやらこいつは魔法以外一切やる気が見当たらない。
魔法の授業が無いのも、村長は別に魔法を教わらなくてもいいだろうという感じなのだ。
初めは魔法を教えるつもりも無かったらしい。
もう初級は全部出来るから、それよりも算数と護身用の技や、剣などを教えて欲しいということだった。
だが、魔法を教えて貰えないなら家庭教師はしたくないと珍しくリリアが我儘を言ったので仕方なくだったらしい。
孫に激甘な爺さんとしか思えない。
だが、魔術は一週間の内一日が休息日で、それ以外の日で、魔法があるのは四日しかない。
まあ、初めから魔法の授業を入れる気が無かったのにここまでしてくれていることは随分甘いと言える。
まあ、頑張ってやる気にさせるしかないか。
そんな感じで、今日も家庭教師の生活が始まった。
~算数~
前回思ったよりも進み、今は実際街等で買い物をする時の計算方法をやっている。
学習能力は凄いと思うし、やれば出来る子なのだ。ただやらないだけ。
後はやる気を出させるような授業をしないといけない。
これは、物で釣っていたらキリがない。
なので、算数の重要性を伝える授業をした。
「リンゴが一個一銀貨と銅貨二枚。ミカンが一個一銀貨五銅です。合わせて何銀、何銅ですか?」
日本でいう所の千二百円と千五百円だ。
これに対しリリアは即答だった。
「買わないわ。村でもっと安く買えるし」
......こいつは俺を馬鹿にしてるんだろうか。
いや。こいつマジで言ってるわ。
確かにその通りだ。俺もリンゴとミカンが一個そんなにするなら一生食わないでいい。
だけどな、
「これ算数の問題だから。例えばの話だから」
「そうだったわね。今算数の時間だもんね」
......こいつ殴ってもいいだろうか。女子じゃなかったら殴っている自信がある。
これが算数の授業じゃなかったら何の授業なんだろうな。
多分市場に関する授業でもこの子の頭の中でやっているんだろう。
俺は気を取り直して、
「とにかく、何銀、何銅?」
「二銀と七銅でしょ」
分かってんなら最初から答えろや!
そんなリリアがやる気がない中で何とか算数の授業は終わった。
これからやっていける自信が正直ない。
何とかしなきゃならない。マジで。
~剣の修行~
リリアは素振りをしていた。
だが、途中で何度か止めてしまう。
最初はめんどくさくてやる気がないだけかと思ったがそれも何だか違う気がする。
「なんで途中で止めるんだ?」
俺は気になった。もしかしたら女の子にはまだ、このメニューはきつかったかもしれない。
そんな心配をして聴くと、
「だって、汗だらけで剣振ったらなんかダサいじゃない」
「お前全国の女騎士に謝りやがれ!多分全国の女騎士の人は汗かきながらも頑張ってるよ!」
俺は速攻でツッコンでしまった。
俺ツッコミスキルを得る為に家庭教師してるわけじゃないんだけどな!
そこでリリアは言った。
「てかさ、剣を持ってても身体捕まえられたら剣使えないじゃない」
リリアには珍しく、一理ある事を言ってきた。
「確かにそれなら、剣じゃなくて腕を捕まえられたときの対処法をやるか」
それにリリアは不満らしく、
「別に大丈夫よ。私が何処かに行っても誰も私を捕まえないでしょ」
......こいつは何を言っているのだろうか。
 「阿保か。お前が何処かに行った瞬間色んな奴が捕まえに来るぞ」
こいつは別に自分の容姿に自信を持っていない事が分かった。その悪魔のような性格を知らない奴は誰でも捕まえに来る。
その答えにリリアは何故か呆然として呆けていたが、
「そういうことなら教えて貰うわ」
珍しく素直に聞いてくれた。
まだ、二日で珍しいって思えるぐらいしか言うこと聞いてもらえてないんだなと自分で思ってしまった。
リリアは途中まではやっていたが飽きてしまったらしい。
あざといモードに入り、
「先生。時間余っちゃったから魔法の勉強しましょうよ」
と俺の服を引っ張りながら言ってくる。
  だが、俺にはその手はきかない。
あざといなーと思うだけだ。
......別にちょっと心動かされたりしてないんだから!
まぁ。それは置いといて。この子をほんとにどうしたらいいだろうか。
正直本当にこれはどうにかしないとやばい。
親父はどうやって俺のやる気を継続させることが出来たのだろうか。
まあ、俺が好きでやっている所もある。だからこいつが嫌いな事に集中出来るわけがないのも分かる。
俺は親父との練習を振り返りふと思いついた。
そこでふと思いついてしまった。
もしかしたらこれで二つのことが解決が出来るかもしれない。
一つ目はこいつは多分もう少ししたら無詠唱も取得したから森に入って魔物を倒しに行くと思う。
何でリリアが森に入ってゴブリンに襲われていたのかは分からない。だが多分魔法が使えるようになって試したくなったんだと思う。
もし今のまま森に向かったら俺と同じ目か、それ以上残酷な結果が出るかもしれない。
そんな事をさせないためにもこれは必要だと思う。
二つ目は授業に関する取り組みも治してくれるかもしれない。
もし、二つ目が無理でも一つ目だけでもクリア出来たらそれで十分だ。
だから、俺は提案した。
「そんなに魔法の練習したいなら、俺と模擬戦をするか?」
これにリリアは即答で、
「それ、いいわね。無詠唱の練習も出来るし。やりましょ」
俺は立ち上がり、庭にある木の枝を折り、
「よし。やるか」
それにリリアは信じられないという顔をして、
「あなた、正気?そんなんで私に勝てると思ってんの?」
「リリアなら、これぐらいで丁度いいよ。」
リリアは少し眉を吊り上げ、
「あんた、後で泣いて謝っても許さないからね」
「ああ。模擬戦を始める前に一応ルールを言うぞ。俺はこの枝だけ。リリアは何でもありだ。それと勝った方は負けた方の言うことを一つきくってのはどうだ?」
リリアは面白そうに笑顔で、
「いいわね。乗ったわ。その言葉絶対よ」
「お前こそ約束は守れよ。ああ。言い忘れたが、泣いて謝るのはお前の方だと思うぞ?」
その言葉が試合開始の合図だった。
彼女は余裕の表情で、無詠唱で火の中級魔法を放った。
だが、俺はあっさりと回避した。
それにリリアは驚いていたが気を改めてまた放ってきた。
俺が回避したのを偶々だと思ったのだろう。
だが、それは違う。回避できたのは、お前が余裕を持ち過ぎて戦っているからだ。
リリアは自分が中級魔法を放てることを誰にも喋っていないのだろう。だけどそんなに余裕があるならもしかして中級魔法も使えるんじゃないかと思うのは当然だ。
それに自分の方が格上だと思っている所もあるだろう。
ありとあらゆる最低の想像をしてそれを考えながら、戦わないと、もし最悪の展開になったとき何も出来ないぞ。
俺は心の中でリリアに叱る。だけど敢えて今は言わない。
今言っても俺の言う事は聞いてくれないだろう。
それに俺も親父と同じように後で教える。俺もそのスタイルで行こうと思う。
リリアはキレていた。
「何で攻撃してこないのよ!あんた真剣勝負なんだからちゃんとしなさいよ!」
「今のお前だったら攻撃するまでもない。それに俺はいつでも真剣だ」
リリアは血が出るんじゃないかと思うぐらい歯を食いしばり、更に攻撃してきた。
さっきリリアは何故攻撃しないのか、と聞いたがそれは薄々こいつも分かってきてると思う。
リリアはあざとい性格をしていた。
俺はあざとい性格の特徴を一つ知っている。
プライドが高いのだ。
今回はこいつのプライドをへし折るのが目的だ。それと出来れば上下関係を分からせる。
俺は上下関係に関してははっきり嫌いだ。
一つ年上だから偉そうにする奴とかほんと嫌い。
けどこういう場面では必要な事だと俺は分かった。
もし、俺が攻撃に出れば、多分余裕で勝てるかもしれない。けど、それじゃ駄目だ。
それでは、こいつのプライドは、折れないと思う。
偶々調子が悪かっただけ。と言われるだけだ。
だから敢えてこいつの攻撃を避けて、何も手は残されないところまでいく。そこでこの模擬戦は終わりだ。
俺はそれからも避けて、避けて避けまくる。
すると、もうリリアには攻撃手段は残されてないのだろう。段々と同じ技ばかりを使ってくる。
そろそろか。
俺はこの五歳になるまでにまた新たな事を覚えた。
それは殺気だ。
俺はこの力は使うことは魔物しか使わないだろうと思っていた。
これはゴブリン戦の頃から相手を怯ませるために必要な事だと思っていた。
だけどこれは魔物にしか使わないと思ってた。まさか最初に使うのが人間の女の子になるとは自分でも思わなかった。
今回この殺気を使いあの時リリアもゴブリンの殺気の籠った目は覚えている筈だ。これを使い、自分はまだゴブリンにも勝てないんだと思わせる。
やっぱり、何でも覚えておくものだ。いつ何時使うか分からないからな。
俺はいっきに加速して迫った。その時殺気を出すのも忘れない。
リリアは少し怖気づきながらも魔法を俺に放ってくる。
だが安直で分かりやすい。
俺はいっきにリリアに迫りギリギリまで殺気を出したまま首元に枝を突き付けた。
リリアは顔に冷や汗をかきながら、
「......参りました」
そう言い地面にへたり込んだ。
「私の負けよ。.......何でも言いなさいよ」
そう言い、リリアは手で顔を隠し泣いた。
俺はやりすぎたとは思ってない。だから謝ることより言うことがある。
「負けて悔しかったか?」
リリアは頷く。
「もう負けたくないだろ?」
頷く。
「その気持ちがあるなら俺と頑張らないか?」
リリアは未だ少し目に涙を溜めながら、俺を驚いて見ていた。
「......見捨て...ないの?私...あんたの授業も...ろくに...聞かないでふざけてたのよ?]
  俺は笑顔で、
「見捨てるわけないだろ。俺はお前の先生だからな」
するとリリアは俺に抱き着き謝罪しながら泣き出した。
俺はどうするべきか迷い、人生の初の頭なでなでをするのだった。
今リリアは完全やる気ゼロ状態だろう。
その原因は俺でも多分分かる。
今日魔法の勉強が無いのだ。
今日は算数と剣術だ。
どうやらこいつは魔法以外一切やる気が見当たらない。
魔法の授業が無いのも、村長は別に魔法を教わらなくてもいいだろうという感じなのだ。
初めは魔法を教えるつもりも無かったらしい。
もう初級は全部出来るから、それよりも算数と護身用の技や、剣などを教えて欲しいということだった。
だが、魔法を教えて貰えないなら家庭教師はしたくないと珍しくリリアが我儘を言ったので仕方なくだったらしい。
孫に激甘な爺さんとしか思えない。
だが、魔術は一週間の内一日が休息日で、それ以外の日で、魔法があるのは四日しかない。
まあ、初めから魔法の授業を入れる気が無かったのにここまでしてくれていることは随分甘いと言える。
まあ、頑張ってやる気にさせるしかないか。
そんな感じで、今日も家庭教師の生活が始まった。
~算数~
前回思ったよりも進み、今は実際街等で買い物をする時の計算方法をやっている。
学習能力は凄いと思うし、やれば出来る子なのだ。ただやらないだけ。
後はやる気を出させるような授業をしないといけない。
これは、物で釣っていたらキリがない。
なので、算数の重要性を伝える授業をした。
「リンゴが一個一銀貨と銅貨二枚。ミカンが一個一銀貨五銅です。合わせて何銀、何銅ですか?」
日本でいう所の千二百円と千五百円だ。
これに対しリリアは即答だった。
「買わないわ。村でもっと安く買えるし」
......こいつは俺を馬鹿にしてるんだろうか。
いや。こいつマジで言ってるわ。
確かにその通りだ。俺もリンゴとミカンが一個そんなにするなら一生食わないでいい。
だけどな、
「これ算数の問題だから。例えばの話だから」
「そうだったわね。今算数の時間だもんね」
......こいつ殴ってもいいだろうか。女子じゃなかったら殴っている自信がある。
これが算数の授業じゃなかったら何の授業なんだろうな。
多分市場に関する授業でもこの子の頭の中でやっているんだろう。
俺は気を取り直して、
「とにかく、何銀、何銅?」
「二銀と七銅でしょ」
分かってんなら最初から答えろや!
そんなリリアがやる気がない中で何とか算数の授業は終わった。
これからやっていける自信が正直ない。
何とかしなきゃならない。マジで。
~剣の修行~
リリアは素振りをしていた。
だが、途中で何度か止めてしまう。
最初はめんどくさくてやる気がないだけかと思ったがそれも何だか違う気がする。
「なんで途中で止めるんだ?」
俺は気になった。もしかしたら女の子にはまだ、このメニューはきつかったかもしれない。
そんな心配をして聴くと、
「だって、汗だらけで剣振ったらなんかダサいじゃない」
「お前全国の女騎士に謝りやがれ!多分全国の女騎士の人は汗かきながらも頑張ってるよ!」
俺は速攻でツッコンでしまった。
俺ツッコミスキルを得る為に家庭教師してるわけじゃないんだけどな!
そこでリリアは言った。
「てかさ、剣を持ってても身体捕まえられたら剣使えないじゃない」
リリアには珍しく、一理ある事を言ってきた。
「確かにそれなら、剣じゃなくて腕を捕まえられたときの対処法をやるか」
それにリリアは不満らしく、
「別に大丈夫よ。私が何処かに行っても誰も私を捕まえないでしょ」
......こいつは何を言っているのだろうか。
 「阿保か。お前が何処かに行った瞬間色んな奴が捕まえに来るぞ」
こいつは別に自分の容姿に自信を持っていない事が分かった。その悪魔のような性格を知らない奴は誰でも捕まえに来る。
その答えにリリアは何故か呆然として呆けていたが、
「そういうことなら教えて貰うわ」
珍しく素直に聞いてくれた。
まだ、二日で珍しいって思えるぐらいしか言うこと聞いてもらえてないんだなと自分で思ってしまった。
リリアは途中まではやっていたが飽きてしまったらしい。
あざといモードに入り、
「先生。時間余っちゃったから魔法の勉強しましょうよ」
と俺の服を引っ張りながら言ってくる。
  だが、俺にはその手はきかない。
あざといなーと思うだけだ。
......別にちょっと心動かされたりしてないんだから!
まぁ。それは置いといて。この子をほんとにどうしたらいいだろうか。
正直本当にこれはどうにかしないとやばい。
親父はどうやって俺のやる気を継続させることが出来たのだろうか。
まあ、俺が好きでやっている所もある。だからこいつが嫌いな事に集中出来るわけがないのも分かる。
俺は親父との練習を振り返りふと思いついた。
そこでふと思いついてしまった。
もしかしたらこれで二つのことが解決が出来るかもしれない。
一つ目はこいつは多分もう少ししたら無詠唱も取得したから森に入って魔物を倒しに行くと思う。
何でリリアが森に入ってゴブリンに襲われていたのかは分からない。だが多分魔法が使えるようになって試したくなったんだと思う。
もし今のまま森に向かったら俺と同じ目か、それ以上残酷な結果が出るかもしれない。
そんな事をさせないためにもこれは必要だと思う。
二つ目は授業に関する取り組みも治してくれるかもしれない。
もし、二つ目が無理でも一つ目だけでもクリア出来たらそれで十分だ。
だから、俺は提案した。
「そんなに魔法の練習したいなら、俺と模擬戦をするか?」
これにリリアは即答で、
「それ、いいわね。無詠唱の練習も出来るし。やりましょ」
俺は立ち上がり、庭にある木の枝を折り、
「よし。やるか」
それにリリアは信じられないという顔をして、
「あなた、正気?そんなんで私に勝てると思ってんの?」
「リリアなら、これぐらいで丁度いいよ。」
リリアは少し眉を吊り上げ、
「あんた、後で泣いて謝っても許さないからね」
「ああ。模擬戦を始める前に一応ルールを言うぞ。俺はこの枝だけ。リリアは何でもありだ。それと勝った方は負けた方の言うことを一つきくってのはどうだ?」
リリアは面白そうに笑顔で、
「いいわね。乗ったわ。その言葉絶対よ」
「お前こそ約束は守れよ。ああ。言い忘れたが、泣いて謝るのはお前の方だと思うぞ?」
その言葉が試合開始の合図だった。
彼女は余裕の表情で、無詠唱で火の中級魔法を放った。
だが、俺はあっさりと回避した。
それにリリアは驚いていたが気を改めてまた放ってきた。
俺が回避したのを偶々だと思ったのだろう。
だが、それは違う。回避できたのは、お前が余裕を持ち過ぎて戦っているからだ。
リリアは自分が中級魔法を放てることを誰にも喋っていないのだろう。だけどそんなに余裕があるならもしかして中級魔法も使えるんじゃないかと思うのは当然だ。
それに自分の方が格上だと思っている所もあるだろう。
ありとあらゆる最低の想像をしてそれを考えながら、戦わないと、もし最悪の展開になったとき何も出来ないぞ。
俺は心の中でリリアに叱る。だけど敢えて今は言わない。
今言っても俺の言う事は聞いてくれないだろう。
それに俺も親父と同じように後で教える。俺もそのスタイルで行こうと思う。
リリアはキレていた。
「何で攻撃してこないのよ!あんた真剣勝負なんだからちゃんとしなさいよ!」
「今のお前だったら攻撃するまでもない。それに俺はいつでも真剣だ」
リリアは血が出るんじゃないかと思うぐらい歯を食いしばり、更に攻撃してきた。
さっきリリアは何故攻撃しないのか、と聞いたがそれは薄々こいつも分かってきてると思う。
リリアはあざとい性格をしていた。
俺はあざとい性格の特徴を一つ知っている。
プライドが高いのだ。
今回はこいつのプライドをへし折るのが目的だ。それと出来れば上下関係を分からせる。
俺は上下関係に関してははっきり嫌いだ。
一つ年上だから偉そうにする奴とかほんと嫌い。
けどこういう場面では必要な事だと俺は分かった。
もし、俺が攻撃に出れば、多分余裕で勝てるかもしれない。けど、それじゃ駄目だ。
それでは、こいつのプライドは、折れないと思う。
偶々調子が悪かっただけ。と言われるだけだ。
だから敢えてこいつの攻撃を避けて、何も手は残されないところまでいく。そこでこの模擬戦は終わりだ。
俺はそれからも避けて、避けて避けまくる。
すると、もうリリアには攻撃手段は残されてないのだろう。段々と同じ技ばかりを使ってくる。
そろそろか。
俺はこの五歳になるまでにまた新たな事を覚えた。
それは殺気だ。
俺はこの力は使うことは魔物しか使わないだろうと思っていた。
これはゴブリン戦の頃から相手を怯ませるために必要な事だと思っていた。
だけどこれは魔物にしか使わないと思ってた。まさか最初に使うのが人間の女の子になるとは自分でも思わなかった。
今回この殺気を使いあの時リリアもゴブリンの殺気の籠った目は覚えている筈だ。これを使い、自分はまだゴブリンにも勝てないんだと思わせる。
やっぱり、何でも覚えておくものだ。いつ何時使うか分からないからな。
俺はいっきに加速して迫った。その時殺気を出すのも忘れない。
リリアは少し怖気づきながらも魔法を俺に放ってくる。
だが安直で分かりやすい。
俺はいっきにリリアに迫りギリギリまで殺気を出したまま首元に枝を突き付けた。
リリアは顔に冷や汗をかきながら、
「......参りました」
そう言い地面にへたり込んだ。
「私の負けよ。.......何でも言いなさいよ」
そう言い、リリアは手で顔を隠し泣いた。
俺はやりすぎたとは思ってない。だから謝ることより言うことがある。
「負けて悔しかったか?」
リリアは頷く。
「もう負けたくないだろ?」
頷く。
「その気持ちがあるなら俺と頑張らないか?」
リリアは未だ少し目に涙を溜めながら、俺を驚いて見ていた。
「......見捨て...ないの?私...あんたの授業も...ろくに...聞かないでふざけてたのよ?]
  俺は笑顔で、
「見捨てるわけないだろ。俺はお前の先生だからな」
するとリリアは俺に抱き着き謝罪しながら泣き出した。
俺はどうするべきか迷い、人生の初の頭なでなでをするのだった。
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