Smile again ~また逢えるなら、その笑顔をもう一度~
久しぶりの笑顔
二千×八年 三月下旬 高校二年生
ようやく公園に着いたと思うと、俺は目の前の「モノ」に狼狽した。
振り向きざまに見せる、その懐かしい笑顔を見た途端に、俺は驚愕とする。
本来なら、そこにはいないはずの笑顔だったからだ。
その笑顔を見た瞬間、俺の中で二つの感情が生まれた。「嬉しさ」と「恐怖」だ。
想いを断ち切る事なんて、とうの昔に出来たと思っていた。だが、実際はどうもそうではないらしい。
何故だろう。一度は「大切なモノ」であったこの笑顔が、今では「記憶から消し去りたいモノ」にまで成り下がってしまった理由は。
数年ぶりに感じる、体の中を巡る血が歓喜で沸き上がるような感覚と共に、同じく数年ぶりに感じる恐怖に、額には汗が滲み始めた。
その温かくも冷たい笑みは、段々と自分に歩み寄ってくる。
恐ろしさこそあったものの、恐怖で足が動かない。
やがて、そんな俺の目の前に、笑顔が止まる。
笑顔が一言、囁くような小声で告げた。
温かくも、冷たい笑顔で。
――久しぶり、と。
ようやく公園に着いたと思うと、俺は目の前の「モノ」に狼狽した。
振り向きざまに見せる、その懐かしい笑顔を見た途端に、俺は驚愕とする。
本来なら、そこにはいないはずの笑顔だったからだ。
その笑顔を見た瞬間、俺の中で二つの感情が生まれた。「嬉しさ」と「恐怖」だ。
想いを断ち切る事なんて、とうの昔に出来たと思っていた。だが、実際はどうもそうではないらしい。
何故だろう。一度は「大切なモノ」であったこの笑顔が、今では「記憶から消し去りたいモノ」にまで成り下がってしまった理由は。
数年ぶりに感じる、体の中を巡る血が歓喜で沸き上がるような感覚と共に、同じく数年ぶりに感じる恐怖に、額には汗が滲み始めた。
その温かくも冷たい笑みは、段々と自分に歩み寄ってくる。
恐ろしさこそあったものの、恐怖で足が動かない。
やがて、そんな俺の目の前に、笑顔が止まる。
笑顔が一言、囁くような小声で告げた。
温かくも、冷たい笑顔で。
――久しぶり、と。
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