ふたつの世界で展界異世界生活

水島コウヤ

展界&異世界で再び

【展界】
隼人「えっミア、もしかして新しくくる新人って…」
ミア「う、うんそう私の事だけど」

お互い展界世界での出会いを果たし、どちらとも本人であるか確認しあったところで急に恥ずかしくなり気まずい雰囲気が流れ始めた。

先輩「なになにもしかして知り合い?」
       「そうなのか隼人、こんな可愛い子と」
       「羨ましすぎんだろこいつ」

あと周りからの視線と批判が痛すぎる。
そういえば研究所だったっけ。
そしてミアとの形意を周りでずっと見ていた先輩達に簡単ではあるが、今までの異世界での出会い、そして一緒に旅をしている事や、最近またある女の子との出会いと豪華な家を貰った事まで今までにあったことを全てはなし、ミアとの関係を知ってもらった。

先輩「へえーそんな事が」
       「てかやっぱ羨ましいなおい」
       「人生の勝ち組が」
       「いっそ死んでしまえー」
       「そうだそうだ」

その話を聞き、よりいっそう羨ましがる先輩達を見て少し俺は特別なんじゃないかと嬉しくなっていた。
ん?今死んでしまえと聞こえたが、しかも同意してる人までいる。
するとさっきまで狭い部屋の端の椅子に座っていたミアが先輩達がざわざわとうるさくしている中静かに立ち上がりこちらに向かってきた。
そして片手を口に当て誰にも聞こえないように俺の耳元に顔を近ずけこう言う。

ミア「ねぇねぇ隼人、私自分の事で讃えられたりするのは構わないけど、私の事で隼人が羨ましがられてるのはものすごく不満しかないんだけど、ちょっともうやめてって言ってきてくれない、そろそろ私の拳がビクビクしだしているから、ねお願い」

意味の分からないことをいきなり言い出したかと思えば、馬鹿みたいに手を合わせてねだってくるミアを見て、こう思った。

隼人(こいつ最近のことから思っていたが逃げようとしたり自分が良ければよかったりと、あまり使えないんじゃないか、しかもあの異世界での戦いの時だってほとんど戦っていたのは俺とソフィアだったし。)

そして何を言ってるんだという目でこっちもミアを見て目で言い返す。

ミア「何よそのそんな自己中心的な事を言うなと言いたそうな目は、私だってね言いたくて言ってるんじゃないの分かった」

この瞬間分かった。
ダメだこいつゴミだ、いいのは外見だけ性格は本物のゴミだ。
何が私だって言いたくて言ってるんじゃないのだ、だったらそもそもそんな事言われている本人に言ってんじゃねーよ。

隼人「お前…さっきから言わせておけば」
ミア「何、私だってねいう時は言うのよ」

じゃあ異世界で初めてあった時のあの可愛さは何だ、作り物か。
こいつのこの発言は出会った時の場面まで逆転させてしまっている。
するとさっきまでがやがやとうるさった先輩達が俺たちの方を見て笑いながら言ってくる。

先輩「なんだ何だ夫婦喧嘩か」
       「やめとけって夫婦」
       「夫婦仲はたんか」
       「クソ消えろー」

その先輩達の馬鹿にした発言にムカッと来てしまう。
こいつの本性を知ってしまった今そんなことを言われるのは散々何だ。
てかさっきからものすごく口悪い人がいるけど、後で見つけてぶん殴ろう。

ミア&隼人「違います」

お互いに睨み合っていた顔を同時に先輩達に向けると全く同じタイミングで同じ言葉がかぶった。
それにまた先輩達の攻めが入ってくる。

先輩「やっぱりそうじゃん」
       「夫婦ー」
       「息合ってるねーーー夫婦」
       「死んで消えて戻ってくるなー」

何なんだろう、本当に何なんだろう。
頭が痛い。
あと、口の悪い奴の発言がどんどん悪化していってる気がする。

隼人「本当に違いますからこんな猫かぶり」
ミア「そうですよこんな弱い男」

また睨みだす。

隼人「何だと」
ミア「そっちこそー」
先輩「こらこらやめろって、夫婦喧嘩は」
ミア&隼人「だから違いますって」

これは本気で怒っていない、お互いが分かっている。

こうして、ミアが新たに魔法小研究所に無事加わった。
本当に大丈夫何だろうか。
あと、明日くるあと一人の新人はミアより性格が良くありますように。

その頃
ソフィア「空港から車で2日って、流石に疲れるなー」

ソフィアが日本に到着して約一日、ずっと車に乗っているのが暇になってくる。
トイレや買い物以外は車生活…なんという地獄だろうか。

ソフィア「まぁでも二日中の一日目が終わるってことは、もう少しか、ふふっこの事は隼人とミアにはまだ言ってないから、きっと驚くだろうな〜」


魔法小研究所にくる新人はミアがきた次の日に来る予定だ。



【異世界】
昨日ソフィアと出会い新たな仲間が増え、しかも新たなる拠点(家)まで手に入れることが出来た俺たちはその日、起きたのは昼過ぎだった。

「ふぁぁーあー」

先に起きたのは俺だった。
起きるとリビング的なところに向かい、コーヒーを飲みながら長い机に向かった椅子にぼーっとして座っていた。

「おはようございます、隼人」

すると次にソフィアが起きてくた。

「お、おはようソフィア」

そしてソフィアも同じようにコーヒーを入れ俺の斜め前に座る、その後俺と似てぼーっとしている。

「ミアはまだ寝てるのか」
「はい」

あくびをしながら質問し、答える。
そして十分くらいがたった。

「おはよぉー」

ミアが部屋に入ってきた。
やっと起きたか。
するとミアがソフィアの見えないところで俺と目を合わせ、互いに頷く。
何があったのかと言うと、展界での出会いを黙っておこうと昨日展界で話し合ったのだ。
ソフィアに孤独を思わせるかもしれないと意見が一致した結果だ。
するとミアがソフィアの隣に座り話し始める。

「きょ、今日はいい天気だねー」

何だろう、ぎこちない。
そのぎこちない質問にソフィアは何を言っているのかという目でミアを見ている。

「えっ今日は朝から雨ですけど」
「あっそうだっけ」

こいつ何をやりたいのか全く分からん、項垂れているミアに急いでフォローに回る。

「そ、そうだ今日はいい天気だな」

ダメだ動揺して同じことを言ってしまった。
流石にソフィアも何か怪しげに言う。

「えっだから今日は雨だって」

その質問にミアの焦った顔がこちらを向いている。
案外嘘をつくのは難しい。
そしてやっと何かを悟ったようなソフィアが質問してくる。

「もしかして…」

まずいまずいまずいまずい。
もうダメかと諦めかけた俺とミアの顔が青ざめていく。

「そんなに外で遊びたかったんですか」
「「えっ」」

二人同時に声を揃える。
助かった、どうやらソフィアは天然らしい。
上手く勘違いしてくれているのは運がいい、だからそれに乗っかる、ありがたい。

「そ、そうなんだよー遊びたかったな、なミア」
「えっう、うん、今日は雨かーざ、残念だなー」

そのまたぎこちない俺たちの会話にふふっと笑って言ってくる。

「二人は子供ですね」

子供と言われているのは悔しいが、ここはぐっとこらえる。

「「あははー」」

俺とミアはこう言っているが、これからソフィアに嘘をつき続けるのは難しいと悟った。
ソフィアが俺たちと同じように何かを隠していることを知らずに。


その雨の中一人の少女が何も無い広い草原にある大きな屋敷にたどり着いた。
そして見上げるとチャイムを鳴らす。

『ピンポーン』

「何だ客か?」
「ちょっと見てきてよ隼人」
「お前が行けよミア」
「私が行きますよ隼人、ミア」

くだらない事で言い合っている時ソフィアが率先して言ってくる。
流石にそれは悪いと思ったのでみんなで行くことにした。

「私は嫌って言ってるでしょ」
「いいから来い」
「まあまぁ」

ミアの服の襟を引っ張りソフィアと玄関に向かった。
そしてドアを開ける。

「どなたですか」

まだ俺とミアが言い合ってる中構わずソフィアが戸を開ける。
すると瞳が青く金髪の肩まである髪と体を濡らした歳は俺とミアより少ししたくらいの美少女が立っていた。

「たす…け…て…」

そう一言だけ言うと、力尽きたのか雨の中、

『ばたん』

倒れ、気絶してしまった。

「えっえっど、どうしたの」
「どうしたソフィア」
「急に倒れて」
「と、とりあえず中に」
「は、はい」

中に入れ空いている部屋のベットに寝かせた。
側には回復魔法が使えるソフィアがついている。
ソフィアが言うには高い熱が出ているが何とか命に別状はないようだ。
そして、俺とミアは先程の言い合いをやめ、あの子のことについて考えていた。

「ねぇ隼人あの子どうする」
「あぁとりあえず元気になったら話を聞いてみよう」


突然現れたあの美少女はいったい何者なんだろうか。











次回→『謎の少女の正体って仲間に!?」



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