異世界宿屋の住み込み従業員
175話 「蜥蜴無双」
見張りからの報告を聞くとラヴィは食いかけのトーストを一気に平らげ席を立った。
そばに立てかけておいた槍を担ぎ外套を纏うとほかの者が準備出来たのを見て養鶏場の外へと向かい歩き出す。
「気を付けてー」
「すぐ終ワル」
見送る3人に手を振り養鶏場の外にでたラヴィ、それに続いて残りの討伐隊の面々も外へと出ていく。
何人かの討伐隊の者は加賀達に絶対外へ出ないようにと言い含め外へ向かっていく。そして最後の一人が外にでると扉は閉められ閂が掛けられる。
「狼ハ?」
「北の方にある柵を掘り返して入ってきてる、柵から離れたの確認したら埋めて逃げれなくする手筈だ」
男の言葉に従い北の方角へと向かう討伐隊の面々、彼らの手にはラヴィとは違い人一人で抱えられる程度の柵を手に持っている、どうもこれらを使って狼を追い詰めていくつもりらしい。
「あれがそうか……さすがに多いな、ラヴィさん本当に問題ないんで?」
「ナイ」
雪原をぞろぞろと集団で歩く狼達、飢えた彼らが目指すは大量に鶏がいる建物だ。
自然とラヴィの言葉にも気合が入る。討伐隊の半分は狼の先に回り込み、残り半分は後ろから。そしてラヴィはタイミングをみて横から突っ込むようだ。
「やっぱ思ってたより多いぞ!」
「無理に攻撃すんな、守りに徹しとけ!」
狼の群れを前にして柵を置いて隙間から槍を覗かせる討伐隊。狼も槍を警戒し距離を取ってはいるがじりじりと近づきつつある。数的に自分たちのほうが有利である事がわかっているのだろう。
「やっときた!」
先ほど分かれた残りの討伐隊が狼の群れの後ろに現れ退路を塞ぐ様に展開する。
そして狼達が虚を突かれ狼狽えた瞬間、ラヴィが槍を片手に群れに一人突っ込んでいた。
「……まじで余裕そうだ」
群れに突っ込んだラヴィは周りで見ている者があきれる程に暴れに暴れまくっていた。
槍を一振りする度に数匹の狼がちぎれ飛んでいく。狼たちも必死になって噛みつこうとするが鱗で牙が滑り牙を立てる事すら出来ていない。
逃げようとすれば周りを囲んでいる討伐隊の持つ弓矢で射られ、かと言ってその場に留まってもただ死を待つしかない。
ラヴィから距離をとっても無駄である、尻尾を巧みに使い一気に加速する事で多少距離を取ろうがおかまいなしに飛び掛かってくるのだ。
「ふウ」
時間にして10分も掛かっていないだろう、白かった雪原は赤黒く染め上がり、所々から生暖かい湯気が立ち上っている。
ラヴィは槍を布で拭うと息を吐き、周りで呆然と見ていた討伐隊の面々へ声をかける。
「片付けヨウ」
「……はっ、はい! えっと……できれば敷地外に埋めてほしいそうで」
さすがに養鶏場の敷地内にこのスプラッターの状態を放置して置くわけにはいかない、みんなで協力し後片付けを始めるのであった。
そばに立てかけておいた槍を担ぎ外套を纏うとほかの者が準備出来たのを見て養鶏場の外へと向かい歩き出す。
「気を付けてー」
「すぐ終ワル」
見送る3人に手を振り養鶏場の外にでたラヴィ、それに続いて残りの討伐隊の面々も外へと出ていく。
何人かの討伐隊の者は加賀達に絶対外へ出ないようにと言い含め外へ向かっていく。そして最後の一人が外にでると扉は閉められ閂が掛けられる。
「狼ハ?」
「北の方にある柵を掘り返して入ってきてる、柵から離れたの確認したら埋めて逃げれなくする手筈だ」
男の言葉に従い北の方角へと向かう討伐隊の面々、彼らの手にはラヴィとは違い人一人で抱えられる程度の柵を手に持っている、どうもこれらを使って狼を追い詰めていくつもりらしい。
「あれがそうか……さすがに多いな、ラヴィさん本当に問題ないんで?」
「ナイ」
雪原をぞろぞろと集団で歩く狼達、飢えた彼らが目指すは大量に鶏がいる建物だ。
自然とラヴィの言葉にも気合が入る。討伐隊の半分は狼の先に回り込み、残り半分は後ろから。そしてラヴィはタイミングをみて横から突っ込むようだ。
「やっぱ思ってたより多いぞ!」
「無理に攻撃すんな、守りに徹しとけ!」
狼の群れを前にして柵を置いて隙間から槍を覗かせる討伐隊。狼も槍を警戒し距離を取ってはいるがじりじりと近づきつつある。数的に自分たちのほうが有利である事がわかっているのだろう。
「やっときた!」
先ほど分かれた残りの討伐隊が狼の群れの後ろに現れ退路を塞ぐ様に展開する。
そして狼達が虚を突かれ狼狽えた瞬間、ラヴィが槍を片手に群れに一人突っ込んでいた。
「……まじで余裕そうだ」
群れに突っ込んだラヴィは周りで見ている者があきれる程に暴れに暴れまくっていた。
槍を一振りする度に数匹の狼がちぎれ飛んでいく。狼たちも必死になって噛みつこうとするが鱗で牙が滑り牙を立てる事すら出来ていない。
逃げようとすれば周りを囲んでいる討伐隊の持つ弓矢で射られ、かと言ってその場に留まってもただ死を待つしかない。
ラヴィから距離をとっても無駄である、尻尾を巧みに使い一気に加速する事で多少距離を取ろうがおかまいなしに飛び掛かってくるのだ。
「ふウ」
時間にして10分も掛かっていないだろう、白かった雪原は赤黒く染め上がり、所々から生暖かい湯気が立ち上っている。
ラヴィは槍を布で拭うと息を吐き、周りで呆然と見ていた討伐隊の面々へ声をかける。
「片付けヨウ」
「……はっ、はい! えっと……できれば敷地外に埋めてほしいそうで」
さすがに養鶏場の敷地内にこのスプラッターの状態を放置して置くわけにはいかない、みんなで協力し後片付けを始めるのであった。
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