走れエロス

ビッグバン

エロスのイタズラ

エロスは勝利の余韻に浸りながら、次の手を考えていた。

エロスは今までの経験を生かして勝利を収めた事を考え今までの事を思い出した。

今まで神である自分の力が通じなかった相手は男ばかりである。それも何かを熱狂的に愛し、例え相手が振り向いてくれなくても一切の見返りを求めず自分の理想や思い人を守るという熱い思いを持つ三箇条を魂に刻んだ者達に破れてきた。


しかし、それに対して女はどうか、男達が神の力を打ち破ったのに対し女達は簡単に欲望にまけているのである。
それらを考え瀬利を欲望に弱い女に変え、欲望に負け性欲に溺れるのではないかと期待していたのだが、こいつは欲情しても自らの者であり手を出したとしても犯罪にもならないのに舞の体に手を出さなかった。

そんな事を考えていると、キュピ太郎が質問をしてきた。

「それにしても、なぜ惚れている百済さん本人と入れ替えずに妹と入れ替えたのですか」

エロスは答えた

「証明して見せたかったのだ。この世に真の愛などないと所詮は性欲でしかなく誰でも良いのだとな」

そう言うとエロスは悲しそうな顔してこう言った。

「瀬利はまだ我慢しているようだが今にみていろそのうち性欲に負け、舞の体に手を出すに決まっている。瀬利に思い知らせてやるのだ。お前が愛だと思っているものなど所詮性欲でしかなく、それを満たす為ならなんでも良いという事実にな。そして、その為なら女体になった自分自身にさえ手を出してしまうという事に」

エロスはそう言うと瀬利を部屋に運び、鏡の前に置いた。そして、当たったものを起こす目覚ましの矢を放った。
すると、瀬利は起きた。
エロスは誰も見ていないこの状態ならきっとあの堅物の瀬利も欲情して自らの体に手を出すだろうと考えたのだ。

所詮お前の愛などそんなもんだ。
瀬利よ欲望に負けてしまえ。

しかし、瀬利は目を開けてその姿をみるとすぐにめを閉じて服を探し始めた。

エロスはダメ押しで性欲の矢を放った。
しかし、瀬利はどんなに体が欲情してもその強い精神力と理性で押さえ込みついに一切手を出さずに服を着てしまった。

これを見ていたエロスは何か負けた様な気持ちになり、こんな事を考えていた。

「なぜだ。なぜなんだ。この男は本能を抑え込んでまで愛を貫くと言うのか。そんな男数千年間人間を見てきたがこんな男はいなかったぞ。まさかこいつの愛は本物だと言うのか」

そんな事を考えているとエロス達は瀬利に見つかり、後ろから鈍器でボコボコにされたのだった。






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