カクシダマ

黒故障

異世界召喚?そんなん聞いてないけど…


「はぁ〜〜〜」 ・・・ 
 
なんで俺がこんなため息をついてるかと言うと、ちょうど俺の目の前に居るハーレム主人公みたいな爽やか系優男である、俺の友達の前島が、目の前に居るからである。   

この男は、いわゆる無自覚モテ男なのである。普通は気づくだろう。君の周りに常に女子がいることになぜ気づかない。 

ちなみにこの男、高校1年~2年にかけて何回も告白さ
れている。

生徒会長、前島の幼馴染、なんか訳の分からない部である友達部の女子達それに、俺の幼馴染やら(お前だけは俺と一緒に居て欲しかった。)が、常に周りにいる。

それに引き替え、俺は今までモテたことがない、ていうか女子に名前で呼ばれたことすらない。もちろん告白もされたことが無い。                                                      まぁそれも当たり前である俺は、前島見たいに、イケメンな訳では無い。 
それにラブコメ主人公見たく、堂々と女子を褒めることもできない。                                                                                   

ていうか俺が褒めたところで100%キモいとよばれるから言えない。 そう、なにを隠そう俺は女の子と付き合ったことが無い!

「はァ~〜」

俺はまた、ため息をつく。

いつも通りの席につくと、前島(まえじま)が話し掛けてきた。

「おはよー! 綾乃!」 
なんでそんなに元気なんだよ…あっ、女の子が周りにいるからか。

「っるせーなー、お前は、お前さんのハーレムメンバーと仲良くしといてください笑」

「はぁ?なんだよそれ俺がそんなモテると思うか? 」
・・・こいつ本当に自覚ないんだろうか。もはや病気の域に達してるぞ。

「はぁ~、そうですか、はいそうですね。」

おっと、先生が来た。
 

ガラガラガラっ

「はーいみんな席についてー。 はい、全員席についたなー。」

と、その瞬間教室中に淡い光で溢れる。

眩しっ   と思ったが目を開けるとそこはまるで中世ヨーロッパを彷彿とさせる玉座と、そこにふんぞり返る、王様らしき人が、こちらを見ていた。

「おぉ!よくぞ来られました、あなた方こそ選ばれし勇者様だ!」 

「おい!これはどういうことだ! 俺らは帰れるのか!?」

クラスのリーダー格の君嶋(きみじま)が怒鳴る。
それと同時に、その場にいるクラスメイトが、ザワザワとし始める。

「あぁ、もちろん帰れる、しかし、この世の平和を脅かす魔王を倒してくれたら返すことが出来る。」

その時、またもザワザワと騒ぎ出す。

「えっ魔王って?」

「なんだよそれ、・・・」

などなど・・・

そこで、王らしき人の隣にいた女が、前に出る。

「あなた達には、特別な力があります。それでどうか私たちを助けてください。お願いします。」

その皇女らしき人は、綺麗な金髪にエメラルドグリーンの瞳、そして、出る所は出ていて引っ込むとこは引っ込んでいるような体型の、まさしく絵に書いたような美少女だった。

その姿を目にして、クラスの男子はもちろん、女子も見惚れていた。

しかし、俺は目逃さなかった。いま、皇女らしき人の目が一瞬だけ泳いだ。
俺は過去に女の子に嘘告白をされたことがあってそれで身に付いた。  はぁ〜、嫌な事思い出した…

そして、クラスを代表して爽やか系優男の前島が言った。

「ではその魔王は、悪いやつで、俺達はその魔王を倒せばいいんだな。 みんなもそれでいいよな?」

クラスメイト全員がバラバラに頷く。
 
「これでいいか?」

「はいっ!ありがとうございます!」 
そして、満面の笑み見せる皇女らしき人

またクラス全員が見惚れている。

俺には作り笑いにしか見えないが…
これも過去にわざと勘違いをさせようとしてきた女子から学んだことだ。 

そして、いつの間にか魔王討伐が決まったらしい。

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