プロローグ(続)

田中さんがスキルについて説明してくれる。

「いいですか、スキルとは自分の経験して体得していく技術ではなく、体得した技術をあくまでサポートするのがスキルです。」

ふむふむ、俺が頷いていると田中さんが話を進める。

「スキルには種類があり、ノーマルスキル・ユニークスキル・レジェンドスキル・アルティメットスキル・があります。先ほどの説明はノーマルスキルとユニークスキルの一部に当てはまるものです。」

「スキルは使えば使うほどレベルが上がり、スキルの力も強くなります。またスキルの習得双方は基本的には知識を深め体得するしかありませんが、まれに加護を持つことでスキルをえることがあります。ここまでで何か質問はありますか？」

アルティメットスキルはどのくらいの人がもってるんですか？

「アルティメットスキルの保持者は現在５名です。他にはありますか？」
 
特にないです

「ではあなたの今持っているスキルをしらべまね。」

わかりました。

「ではいきます、【スキル鑑定】」

　－この魂の現在の所有スキルは－

ノーマルスキル
【隠密】【跳躍】【投合】 【鍛冶】【料理】
ユニークスキル
【明鏡止水】 【超感覚】【忍耐力】
レジェンドスキル
【不之衣ネガティブオーラ】
 －なお魂のためレベルは表示されません－

あの【不之衣ネガティブオーラ】ってなんですか？

「ちょっとまってくださいね、(なんだこのスキル？？)」

－【不之衣ネガティブオーラ】－
敵味方関係なく、スキルのレベル×１０%相手のステータスすべてを下げる。効果範囲は１０mなおスキルのレベルが上がるごとに効果範囲が広まる。


・・・・・・


なんだこれ、

田中さんのほうを見ても、ポカンとしている。

こちらの視線に気がついたのか、はっとして元の田中さんにもどった。

俺が田中さんに説明を求めて視線を送ると

「えー、わ私も見たことがないスキルですよ、多分ですが、一人で旅する方、分かりやすくいうとソロ専用のスキルだとおもいます。」


「恐らくですが、前世の経験で得たスキルだと思います。」

前世？まあ確かに前世では独り身だったよ、未成年だからね、恋人がいなくて友達も少なく、クリスマスなんて来ようものなら、リア充爆発しろと呪詛を唱えたりして、家族や数少ない友達にも不のオーラ出てるよ、なんていわれたけどさ。

・・・・・

「多分、恐らくそれが原因だとおもいます。」

マジですか 、はぁー

「ま、まあ、いいスキルだと思うので大切にしてください。」

気を使ってもらってすいません。

・・・・

しばらく無言がつづいたあと、耐えきれなくなったのか田中さんは
「あの転生時に役立つスキルを新しい加えるのでせれで機嫌直してくださいよ、まだ人生これからじゃないですか。」

うぅ、ありがとうございます

「じゃ、じゃあ気を取り直してあなたが転生するであろう体を作りますか。」

えっ、体って作るんですか？

「ある程度なら作れますよ、亜人や魔人は魔素からできているので、生殖以外の方法で誕生する場合は出来ますよ。それとステータス確認もできますので忘れずにやってみてください。」

はい、わかりました

言われたとおり自分が使っていたゲームのように体を作っていく、身長は１８５cmで、体重は７０kg
やや細身で、しなやかな筋肉があるようにしあげた。

髪の毛は馴染みのある黒にした。また龍人の遺伝子なのか頭部に二本の角がはえている、黒く真っ直ぐでやや曲線を描く１５cmの黒い角がはえている。

それ以外はからだの表面の皮膚が鋼のように固く肩に黒い鱗があり、一見して分かるようにスラッとしている。顔は、髪で隠れているが普通よりはイケメンに近いと俺は思った。



「今回特別に何でもほしいスキルをあげますよ。何にしますか？」

いいんですか？

「はい」
そう言われたので俺は、しばらくどんなスキルにするかかんがえた。

よし決まりました、スキル【進化】をください。

「わかりました、ではスキル【進化】を付与しておきます。それではこれで最後になりますが、新しい人生頑張って生きてください。」

わかりました、ありがとうございました

「御武運をお祈りいたします。」

深く礼をしつつ最後に、親切にしてくれた田中さんに感謝を送りながら、俺はきえていった。

こうして、青年の二度目の人生の幕が開ける。